基礎化学工学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 基礎化学工学
科目番号 0165 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質化学工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 化学工学入門(化学工学会編,実教出版)
担当教員 中島 栄次

到達目標

1.物理プロセス、反応プロセスの物質収支を理解し、収支計算ができる。
2.流体輸送に関わる知識を理解し、流速やエネルギー量の計算ができる。
3.伝熱に関わる基礎的な知識を理解し、熱伝導、対流伝熱、熱貫流の計算ができる。
4.多孔質材料の乾燥特性を理解し、説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1物理プロセス、反応プロセスの物質収支式を導出し、正しく収支計算ができる。物理プロセス、反応プロセスの物質収支の基本的な計算ができる。物理プロセス、反応プロセスの物質収支計算ができない。
評価項目2連続の式やベルヌイの式、ファンニングの式を理解し、応用問題を解く事ができる。連続の式やベルヌイの式、ファンニングの式を用いた基本的な計算ができる。連続の式やベルヌイの式、ファンニングの式を理解できず、流速やエネルギー量の計算ができない。
評価項目3熱伝導、対流伝熱、熱貫流を正しく理解し、応用問題を解くことができる。熱伝導、対流伝熱、熱貫流に関する基本的な計算問題を解くことができる。熱伝導、対流伝熱、熱貫流を理解できず、計算問題を解くことができない。
評価項目4多孔質材料の乾燥特性を理解し、乾燥機構の詳細を正しく説明できる。多孔質材料の乾燥特性を理解し説明できる。多孔質材料の乾燥特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
 化学工学とは化学工業プラントにおける様々な単位操作について、その基礎設計や理論の構築を行なう重要な学問である。本講義においてはその化学工学の基盤となる物質収支およびエネルギー収支の計算に加え、代表的な単位操作(流体輸送、伝熱、乾燥)における理論や計算法の修得を目的とする。
授業の進め方・方法:
教員単独による講義を行う。
注意点:
演習問題も自主的に解くなどして基礎的な能力をしっかりつけることが重要である。また授業において分からない事があれば、後に残さず積極的に質問する事が大事である。なお授業計画は学生の理解度に応じて変更する場合がある。提出物(20%)および定期試験(80%)にて評価する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 化学工学と単位系 SI単位系について理解できる。
2週 単位換算 正しい単位換算を行える。
3週 物理プロセスにおける物質収支① 分離プロセスの収支計算ができる。
4週 物理プロセスにおける物質収支② 混合プロセスの収支計算ができる。
5週 物理プロセスにおける物質収支③ 接触プロセスの収支計算ができる。
6週 反応プロセスにおける物質収支① 固体燃焼反応の収支計算ができる。
7週 反応プロセスにおける物質収支② 気体燃焼反応の収支計算ができる。
8週 中間試験 第1週~第7週における講義内容の理解度を確認する試験を実施する。
2ndQ
9週 答案返却、解説、流速と流量 管内流れの流速と流量を理解できる。
10週 流れの物質収支 連続の式を理解できる。
11週 流れのエネルギー収支① ベルヌイの式を理解できる。
12週 流れのエネルギー収支② 拡張されたベルヌイの式を理解できる。
13週 レイノルズ数 層流、乱流、レイノルズ数について説明できる。
14週 摩擦によるエネルギー損失 ファンニングの式による摩擦による流れのエネルギー損失の計算ができる。
15週 期末試験 第9週~第14週における講義内容の理解度を確認する試験を実施する。
16週 答案返却、解説、アンケート
後期
3rdQ
1週 潜熱と顕熱 潜熱と顕熱について説明できる。
2週 熱伝導① フーリエの式を理解できる。
3週 熱伝導② 多層平面壁や円筒壁の熱伝導が理解できる。
4週 対流伝熱① 対流伝熱の機構が理解できる。
5週 対流伝熱② 伝熱抵抗と熱伝達係数を理解できる。
6週 熱交換器内の伝熱① 二重管式熱交換器の伝熱を理解できる。
7週 熱交換器内の伝熱② 熱交換器内の交換熱量を計算できる。
8週 中間試験 第1週~第7週における講義内容の理解度を確認する試験を実施する。
4thQ
9週 答案返却、解説
10週 熱貫流 熱貫流の伝熱機構を理解できる。
11週 湿度 相対湿度と絶対湿度を理解できる。
12週 多孔質材料の熱風乾燥① 平衡含水率、自由含水率を理解できる。
13週 多孔質材料の熱風乾燥② 多孔質材料の乾燥特性曲線と乾燥機構を理解できる。
14週 ガス吸収 ガス吸収と放散について理解できる。
15週 期末試験 第9週~第14週における講義内容の理解度を確認する試
16週 答案返却、解説、アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4前2
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前10
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前3,前4,前5,前6,前7
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4前9
流れの物質収支の計算ができる。4前10
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4前11,前12,前14
流体輸送の動力の計算ができる。4前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ提出物合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000