化学工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 化学工学Ⅲ
科目番号 0250 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 前期:2
教科書/教材
担当教員 峰本 康正

到達目標

1)吸着平衡における吸着等温式を導き、それらに使用されている定数を求める。
2)拡散方程式を導き、温度分布を計算する。
3)平衡状態での分配係数を理解し、それを分配平衡を利用した連続的な分離操作へと発展させる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1実データから吸着平衡における吸着式から平衡定数を導ける。吸着平衡における吸着式から平衡定数を導ける。吸着平衡における吸着式から平衡定数を導けない。
評価項目2無限平板、無限円柱での拡散方程式を導くことができる。無限平板での拡散方程式を導くことができる。無限平板での拡散方程式を導くことができない。
評価項目3クロマトグラムでの分離における物質の分布を計算できる。分配を連続的に行ったときの物質の分布を計算できる。分配を連続的に行ったときの物質の分布を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-2 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(2) 説明 閉じる
JABEE 2.1(1) 説明 閉じる
ディプロマポリシー 1 説明 閉じる
ディプロマポリシー 2 説明 閉じる
ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
定常、非定常の概念を理解するとともに、非定常での現象を変化を数式で表す。
定常状態から分配係数を定義し、連続的な分離操作の計算を行う。
熱流束の概念を用いて、熱伝導方程式を導き、その方程式を解くことで温度分布を求める。
この授業は、担当教員の実務経験を生かした化学工学の関係する事項について、講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義と演習
注意点:
法則などを暗記するのではなく、それ自体の導出過程を理解することが望まれる。化学反応速度式や熱伝導方程式などの微分方程式は必ず自分で解くこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 吸着 異相間の吸着のタイプを分類する。
2週 吸着 ヘンリーの法則を用いて吸着量を計算する。
3週 吸着 Langmuir型の吸着式を導出するとともに、この吸着式に用いる定数を計算する。
4週 吸着 BET吸着式を導出するとともに、この吸着式に用いる定数を計算する。
5週 物質移動 物質移動を分類する。
6週 物質移動 拡散による物質移動における流束を求められる。
7週 物質移動 拡散方程式を導くことができる。
8週 物質移動 拡散方程式における初期条件、境界条件を導出できる。
2ndQ
9週 物質移動 拡散方程式を解くことができる。
10週 物質移動 化学反応を伴う拡散方程式を導くことができる。
11週 分離 2相分配による分離を理解し、分配係数を求められる。
12週 分離 連続的な分配操作について、物質収支より収支式を導出できる。
13週 分離 連続的な分配操作における収支式に分配係数を導入できる。
14週 分離 分離における物質の分布より理論段数が計算できる。
15週 期末試験
16週 総説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。4前15
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。4
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4前11,前12,前13,前14
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。4
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。4
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4
化学工学SI単位への単位換算ができる。4前1,前5,前11
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前3,前7,前10
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前9
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4前1,前2,前3,前4,前11,前12,前13,前14
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4前1,前2,前3,前4,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000