化学工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学工学Ⅱ
科目番号 0281 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材
担当教員 峰本 康正

到達目標

・化学反応における定常状態、非定常状態を理解する。化学反応速度式より時間と濃度の関係を求め、平衡定数を算出する。
・平衡状態での分配係数を理解し、それを連続的な分離操作へと発展させる。
・熱伝導方程式を導き、温度分布を計算する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1化学反応から化学反応速度式を立て、それから時間と濃度の関係を導ける。化学反応速度式から時間と濃度の関係を導ける。化学反応速度式から時間と濃度の関係を導けない。
評価項目2クロマトグラムでの分離における物質の分布を計算できる。分配を連続的に行ったときの物質の分布を計算できる。分配を連続的に行ったときの物質の分布を計算できない。
評価項目3境界条件が導関数である熱伝導方程式から温度分布を計算できる。熱伝導方程式から温度分布を計算できる。熱伝導方程式から温度分布を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
定常、非定常の概念を理解するとともに、非定常での現象を変化を数式で表す。
定常状態から分配係数を定義し、連続的な分離操作の計算を行う。
熱流束の概念を用いて、熱伝導方程式を導き、その方程式を解くことで温度分布を求める。
授業の進め方・方法:
講義と演習
注意点:
法則などを暗記するのではなく、それ自体の導出過程を理解することが望まれる。化学反応速度式や熱伝導方程式などの微分方程式は必ず自分で解くこと。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 速度論・平衡論 質量作用の法則の考えに基づき、化学反応速度式を導ける。
2週 速度論・平衡論 1次反応、2次反応における時間と濃度の関係を導ける。化学反応速度式から反応次数を求めることができる。
3週 速度論・平衡論 可逆反応における化学反応式を導ける。また、平衡定数を求められる。
4週 速度論・平衡論 溶解度積、電離平衡、分配係数を求めることができる。
5週 分離 2相分配による分離を理解し、分配係数を求められる。
6週 分離 連続的な分配操作について、物質収支より収支式を導出できる。
7週 分離 連続的な分配操作における収支式に分配係数を導入できる。
8週 分離 分離における物質の分布より理論段数が計算できる。
2ndQ
9週 伝熱 熱の伝わり方(伝導、対流、輻射)を理解する。
10週 伝熱 熱流束の概念を理解する。伝導伝熱における熱流束が温度勾配に比例することを理解する。
11週 伝熱 熱流束に収支式を適用し、熱伝導方程式を導く。
12週 伝熱 熱伝導方程式の定常解を解析的に求める。また、非定常解を数値的に求める。
13週 伝熱 固体と液体での伝熱おける境界条件を求めることができる。
14週 物質移動 伝熱との相似性を理解し、拡散方程式を導く。
15週 物質移動 反応を伴う物質移動の拡散方程式を導き、その定常解を求める。
16週 総説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学電離平衡と活量について理解し、物質量に関する計算ができる。3前1,前2,前3,前4
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。3前1,前2,前3,前4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。3前1,前2,前3,前4
強酸、強塩基および弱酸、弱塩基についての各種平衡について説明できる。3前1,前2,前3,前4
物理化学放射線の種類と性質を説明できる。3前2
放射性元素の半減期と安定性を説明できる。3前2
年代測定の例として、C14による時代考証ができる。3前2
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。3前1,前2,前3,前4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。3前1,前2,前3,前4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。3前1,前2,前3,前4
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3前1,前2,前3,前4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。3前1,前2,前3,前4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。3前1,前2,前3,前4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。3前2,前3
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。3前2,前4
衝突理論を理解して、アレニウスプロットを説明できる。3前2
化学工学熱交換器の構造、熱収支について説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13
熱伝導による熱流量について説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13
熱交換器内の熱流量について説明できる。3前9,前10,前11,前12,前13
放射伝熱について説明できる。3前9
基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。3前5,前6,前7,前8,前14,前15
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。3前5,前6,前7,前8,前14,前15

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合00001000100
基礎的能力0000000
専門的能力00001000100
分野横断的能力0000000