応用物理Ⅰ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 応用物理Ⅰ
科目番号 0282 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 高専の応用物理(小暮陽三編集,森北出版)
担当教員 高廣 政彦

到達目標

1.ニュートンの運動方程式を用いて質点の運動の解析ができる
2.エネルギー保存法則を用いて質点系の運動の解析ができる
3.慣性モーメントの具体的な算出ができる。
4.剛体の回転運動方程式を用いて各種剛体の運動の解析ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1与えられた条件から運動方程式(微分方程式)を立て、一般解を求めるとともに初期条件から速度、位置を算出できる質点の位置、速度、加速度のいずれかがが時間の関数で与えられたとき、初期条件を考慮してこれから他の量を計算することができる。位置、速度、のいずれかから他の量を計算することができない。
評価項目2力学的エネルギー保存則を用いて任意の質点系における速度と変位の関係を求めることができる。位置エネルギー、運動エネルギーを与えられた条件から定量的に求めることができる。エネルギー保存則を用いた定量的な計算ができない。
評価項目3任意の立体の固定軸の周りの慣性モーメントを計算することができる。回転軸の周りに対称性を有する一様な回転体の回転軸の周りの慣性モーメントを算出できる。単純な回転体の慣性モーメントが求められない
評価項目4複数の剛体ならびに質点からなる系において並進ならびに回転運動方程式から各物体の変位、速度、加速度、角速度、角加速度を計算することができる。単一の回転体について、力のモーメントから回転角加速度を求めることができる。回転の運動方程式を用いて力のモーメントと角加速度の関係を導けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
与えられた条件から質点ならびに剛体の運動方程式を導出し、数学的手法を用いて運動を解析する。また、エネルギー保存の法則をもしいた力学現象の定量的な把握を目標とする。
授業の進め方・方法:
一般科目の物理学で履修した内容を更に発展させ,自然現象の起因を学ぶとともに,数学を用いて物理現象の表現,解析することを目的とする.したがって講義と平行して数学が物理学にどのように応用されるかを具体的な演習問題を解くことを通じて学ぶ.
注意点:
線形代数(ベクトル)および微分方程式の解法を復習しておくと同時に,比較的複雑な積分計算ができるように復習しておくこと.
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 位置、速度、加速度ベクトル ベクトルの時間微分と位置、速度、加速度ベクトルの関係について説明する
2週 運動の法則 運動の第1、第2、第3法則に関して解説する。
3週 運動方程式 運動方程式を解析的に解き、運動を求める手法に関して解説する。
4週 重力と慣性力 慣性力ならびに重力場中での質点の運動に関して解説する。
5週 エネルギー、エネルギー保存則 仕事、エネルギーおよびエネルギー保存則に関して説明し、保存力とポテンシャルに関して解説する。
6週 2体問題,重心およびその運動 2つの質点の相互作用運動を,運動方程式を用いて解析する.
7週 問題演習 質点の力学に関する問題演習を行う。
8週 中間テスト
2ndQ
9週 運動量 運動量に関して説明し,これを用いて運動方程式の表現を試みる.
10週 力のモーメントと角運動量 回転運動において重要な物量である力のモーメントと角運動量について学ぶ
11週 剛体と回転の運動方程式、慣性モーメント 剛体の運動と回転の運動方程式について学び、慣性モーメントとは何かを解説する
12週 束縛運動 斜面を剛体が転がる運動を,回転運動方程式を用いて解析する.引き続き,回転を考慮した運動解析を行う.
13週 慣性モーメント測定実験 円盤状剛体の慣性モーメントの測定実験を行う.
14週 問題演習 質点系ならびに剛体の力学に関する問題演習を行う。
15週 期末テスト
16週 期末テストの解答、アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。3前1,前16
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。3前1,前16
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。3前1
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。3前1
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。3前1
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前2
鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前2
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。3前2
物体に作用する力を図示することができる。3前2
力の合成と分解をすることができる。3前2
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。3前3,前4,前5
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。3前5
慣性の法則について説明できる。3前2,前4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。3前2
運動方程式を用いた計算ができる。3前2,前3
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。3前3
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。3前5
最大摩擦力に関する計算ができる。3前5
動摩擦力に関する計算ができる。3前5
仕事と仕事率に関する計算ができる。3前5
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。3前5
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前5
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前5
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前5
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。3前9
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。3前9
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。3前9
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前4,前5
力のモーメントを求めることができる。3前5,前10
角運動量を求めることができる。3前10
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。3前10
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前10
重心に関する計算ができる。3前6
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。3前6,前11
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。3前11,前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80200000100
基礎的能力0000000
専門的能力7020000090
分野横断的能力100000010