到達目標
1)資源循環を地球環境システムから理解できること
2)資源生産性,資源枯渇速度,TMR,LCAなどの用語を説明できること
3)エコマテリアルの定義を理解し,具体的なモノづくりにおいてこの定義がどのように反映されるのかを説明できること。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
資源循環を地球環境システムから理解できること | 地球環境システム内での物質のやりとりから,資源の採取利用等の現象を説明できる。 | 地球環境システム内での資源のやりとりについて説明できる。 | 地球環境システムの概要を理解できていない。 |
資源生産性,資源枯渇速度,TMR,LCAなどの用語を説明できること | 資源生産性等の定義を用いて,現在のモノ作りにおける環境負荷及び将来のモノ作り戦略を説明できる。 | 環境負荷の定量法の定義を理解している。 | 資源生産性等の環境負荷の定量法の定義を理解できていない。 |
エコマテリアルの定義を理解し,具体的なモノづくりにおいてこの定義がどのように反映されるのかを説明できること。 | 実際の材料,技術を例に取り,エコマテリアルの定義および環境負荷の定量法を活用して評価ができること。 | エコマテリアルの定義を理解し,いくつかの材料についてなぜこれらがエコマテリアルになるのかを説明できる。 | エコマテリアルの定義を理解できていない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
4年次の「材料工学I」の内容を踏まえて,エコマテリアルに関する基礎知見を共有する。講義を中心とするが,外部講師によるレクチャーを取り入れ,最新の知見を共有する機会を提供します。
近年の産業活動に欠くことのできない材料の環境調和性に関する基礎知見となる,「エコマテリアル」について,その定義を含めて解説します。最初に地球環境の定義と資源循環について解説し,エネルギー・物質の定量法である「エクセルギー」を理解しましょう。
それに基づいて,環境に優しいモノづくりとは何か,定量的に考えていきたいと思います。
授業の進め方・方法:
講義および外部講師によるレクチャー
注意点:
5年後期の「環境科学」を受講する予定の学生は,本科目を必ず受講しておいてください。本科目の前半部分は「環境科学」の基礎となる部分となります。
前半は概念論だけで授業を行うこととなりますが,できるだけ具体的な事例を踏まえて理解できるように工夫します。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
授業ガイダンス:授業の内容を俯瞰します。 |
エコマテリアルとはどのような材料かを説明できる。
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2週 |
地球環境システムと資源:資源濃集,鉱床形成過程から,地球環境システム内での物質循環を理解します。
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鉱床の分類,鉱床の形成過程を説明できる。
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3週 |
資源生産性,資源枯渇:今ある資源はあと何年持続するのか,限られた資源からどれだけの価値を引き出すのか,その評価手法を学びます。 |
資源生産性および資源枯渇速度の定義を説明できる。
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4週 |
資源の量・質の定量化: TMR,エクセルギーの概念を説明し,これらの概念から資源の量と質を半定量的に理解できることを目指します。 |
エネルギー資源問題について説明できる
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5週 |
環境負荷を定量的に評価するために:LCAの概念を解説し,環境負荷の定量的な判断手法を共有します。
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廃棄物処理の目的について説明できる。
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6週 |
エコマテリアルの定義:エコマテリアルの17の定義を解説します。
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セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。
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7週 |
エコマテリアルの定義:エコマテリアルの定義がなぜ環境調和型なのか,いくつかの例で説明します。 |
エネルギー資源問題について説明できる。
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8週 |
中間試験:資源循環システムに関する知見を確認します。 |
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2ndQ |
9週 |
金属材料のエコマテリアル化:金属材料に関するエコマテリアル設計指針を解説します。 |
金属材料の用途・製法・構造等について説明できる。
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10週 |
高分子材料のエコマテリアル化:高分子材料に関するエコマテリアル設計指針を解説します。 |
複合材料等の用途・製法・構造等について説明できる。
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11週 |
無機材料のエコマテリアル化:セラミックス材料に関するエコマテリアル設計指針を解説します。
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セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。 3
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12週 |
触媒材料のエコマテリアル化:貴金属を大量に使用する触媒材料のエコマテリアル設計指針を解説します。 |
表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。
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13週 |
環境修復材料:環境修復に用いられる材料に関する材料設計手法を解説します。
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廃棄物処理の目的について説明できる。
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14週 |
環境修復材料:環境修復に用いられる材料に関する材料設計手法を最先端の知見を交えて解説します。 |
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解している。
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15週 |
まとめ:本科目の講義内容を振り返ります。 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 有機材料 | 高分子の生体適合性や生体代替能等について分子構造から説明できる。 | 4 | |
無機材料 | セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。 | 3 | 前6,前9,前10,前11 |
環境 | エネルギー資源問題について説明できる。 | 3 | 前5,前7 |
廃棄物処理の目的と資源化について説明できる。 | 3 | 前4,前5 |
資源化について説明できる。 | 3 | 前10 |
化学・生物系分野 | 物理化学 | 表面の触媒活性を理解して、代表的な触媒反応を説明できる。 | 3 | 前12 |
化学工学 | 吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。 | 4 | 前13,前14 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |
専門的能力 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 |
分野横断的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 |