機器分析Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 機器分析Ⅱ
科目番号 0287 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 講義には配付資料を用いる.参考書として,泉美治他監修/ 機器分析のてびき(化学同人)などが挙げられる.
担当教員 山岸 正和

到達目標

質量分析法,熱分析法,X線回折法について,機器を用いた測定手法の概観とデータの解析法を理解し,実際のチャートに対して適用できることを目標とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1質量分析の実際のチャートから情報を読み取り,要約して説明できる.質量分析法について原理と測定中に起こっている化学反応を説明できる.質量分析法について原理と測定中に起こっている化学反応を説明できない.
評価項目2熱分析の実際のチャートから情報を読み取り,要約して説明できる.熱分析について原理と測定中に起こっている化学反応を説明できる.熱分析について原理と測定中に起こっている化学反応を説明できない.
評価項目3X線回折法の実際のチャートから情報を読み取り,要約して説明できる.X線の危険性について理解し,装置と照らし合わせてX線回折現象を説明できる.X線の危険性について理解していない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
現在,開発研究や製品の品質確認のために様々な分析機器が用いられている.インターフェースや性能は個々の装置よって異なるものの,根本的な原理については手法によって決まっている.ここでは,質量分析法,熱分析法,およびX線回折法について,装置と測定の概観について学習し,実際のチャートを読む.
授業の進め方・方法:
質量分析法,および熱分析法,X線回折法について,各測定手法にもちいられる現象や測定装置等の原理の概観を講義する.それぞれの測定によって得られた典型的なチャートの読み方を各自演習する.
注意点:
装置の原理や測定の現象については,細かい数式はほぼ扱わず,概観の理解を求める.各チャートの解析については,測定対象の化学的性質の理解が必要不可欠である.ここで取り扱うデータについては典型的なものであるので,一般的な化学に関する知識を用いることになる.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 NMR-1 液化ガスをもちいる実験の危険性とNMR現象の概観を学ぶ.
2週 NMR-2 NMR現象と装置・測定法の注意点を学ぶ.
3週 質量分析法-1 質量分析法について,イオン化法,分離法,検出法の概観を学ぶ.
4週 質量分析法-2 イオン化に伴う分子のフラグメンテーションの化学反応を学ぶ.
5週 質量分析法-演習 実際のチャートの読み方に関する演習を行う.
6週 質量分析法-まとめ 質量分析法に関する小テストを行う.
7週 熱分析法-1 熱分析法の定義,熱重量法の原理を学ぶ.
8週 熱分析法-2 示差熱分析法および示差走査熱量測定法の原理を学ぶ.
2ndQ
9週 熱分析法-演習 各手法で得られたチャートの読み方に関する演習を行う.
10週 熱分析法-まとめ 熱分析法に関する小テストを行う.
11週 X線回折法-1 X線の危険性,X線回折現象について学ぶ.
12週 X線回折法-2 装置の概観と消滅則について学ぶ.
13週 X線回折法-演習 X線回折チャートの読み方に関する演習を行う.
14週 X線回折法-まとめ X線回折法に関する小テストを行う.
15週 期末試験
16週 試験答案返却・解説および総評

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前11,前12,前13,前14
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4前1,前2,前3,前4,前5,前11,前12,前13
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4前2,前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
分析化学無機および有機物に関する代表的な構造分析、定性、定量分析法等を理解している。4前3,前4,前5,前11,前12
クロマトグラフィーの理論と代表的な分析方法を理解している。4
特定の分析装置を用いた気体、液体、固体の分析方法を理解し、測定例をもとにデータ解析することができる。4前3,前4,前5,前7,前8,前9,前10,前11,前12,前13,前14
物理化学熱力学の第二・第三法則の定義と適用方法を説明できる。3前7,前8,前9,前10
化学反応でのエントロピー変化を計算できる。3
平衡定数の温度依存性を計算できる。3
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力100000010
専門的能力900000090
分野横断的能力0000000