物理化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学Ⅱ
科目番号 0289 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質化学工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 杉原剛介他著/化学熱力学中心の基礎物理化学(学術図書)
担当教員 山岸 正和

到達目標

仕事および熱の定義や熱力学第一法則等の熱力学の基礎的事項について完全に理解し,その上で,熱力学第二法則や各変化に伴うエントロピー変化について学ぶ.最終的には化学反応の方向性を決定する,最も重要な因子である自由エネルギーについて学び,熱力学の本質について理解し,応用できることを目的とする.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱・仕事・熱力学の等の熱力学の基礎的事項をもちいて,熱力学現象を説明できる.熱・仕事・熱力学の等の熱力学の基礎的事項を簡単に説明できる.熱・仕事・熱力学の等の熱力学の基礎的事項を説明できない.
評価項目2断熱過程・Poissonの式等を使って,具体的な数値計算ができる.断熱過程・Poissonの式等を簡単に説明できる.断熱過程・Poissonの式等を簡単に説明できない.
評価項目3カルノーサイクル等の熱力学現象について具体的な数値計算ができる.カルノーサイクル等の熱力学現象を簡単に説明できる.カルノーサイクル等の熱力学現象を簡単に説明できない.
評価項目4熱力学第二法則,エントロピー等をもちいて熱力学現象を説明できる.熱力学第二法則,エントロピー等を簡単に説明できる.熱力学第二法則,エントロピー等を簡単に説明できない.
評価項目5自由エネルギー等の性質や具体的な数値計算を算出できる.自由エネルギー等について簡単に説明できる.自由エネルギー等について簡単に説明できない.
評価項目5van't Hoffの式等をもちいて具体的な数値を算出できる.van't Hoffの式等について簡単に説明できる.van't Hoffの式等について簡単に説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
熱や仕事,熱力学の第一法則,第二法則等は,熱力学現象の理解・定量化を助ける.また,エントロピーや自由エネルギー等は,化学反応に伴う熱の出入りを定量化できる.これらの理解と数値計算について,講義および演習を通して学ぶ.これらは,実験,製品開発,生産工程においての安全を確保する上では必要不可欠である.
授業の進め方・方法:
各内容について講義と演習を組み合わせた授業を行う.先に学習した内容を下地として,後の内容の学習を進める.
注意点:
・実際のイメージがつかみにくいところがあるが,最近は平易に解説している本が多く出版されているので,これらの本も参考にし,真の理解を目指してほしい.参考書の例としては,アトキンス著/物理化学 (東京化学同人)などがある.
・演習問題は必ず自身で解くこと.微積分の基礎ができていないと内容が理解できない場合があるので,不安のあるものはしっかりと復習を行うこと.
・授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱と仕事 熱と仕事の定義・演習等
2週 熱力学第一法則 熱力学の第一法則・演習等
3週 エンタルピー・熱容量 エンタルピー・定積熱容量と定圧熱容量・演習等
4週 等温過程 等温過程・演習等
5週 断熱過程 断熱過程・Poissonの式・演習等
6週 カルノーサイクル-1 カルノーサイクル・演習等
7週 カルノーサイクル-2 カルノーサイクル・演習等
8週 熱力学第二法則 熱力学第二法則・エントロピー・演習等
2ndQ
9週 中間試験
10週 中間試験の答案返却・解説
11週 エントロピー-2 エントロピー・演習等
12週 自由エネルギー-1
自由エネルギー・演習等
13週 自由エネルギー-2 自由エネルギー・演習等
14週 van't Hoffの式 van't Hoffの式・演習等
15週 期末試験
16週 期末試験の答案返却・解説 授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前4,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前1,前6,前7,前8,前11,前12,前13
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前1,前6,前7,前8,前11,前12,前13
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前2,前3,前4,前5,前6,前7,前11,前12,前13
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3前1,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3前6,前7,前8,前11,前12,前13
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3前6,前7,前8,前11
化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前4,前6,前7,前8,前11,前12,前13
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前1,前4,前6,前7,前8,前11,前12,前13,前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力200000020
専門的能力5000030080
分野横断的能力0000000