概要:
応用物理Ⅰ,Ⅱ,Ⅲに引き続き,数学を用いて物理現象を表現,解析することを目的とする.応用物理Ⅳでは,現代物理学の代表である相対性理論と量子力学に関してその概要を理解し,更にこれらの学問がどのように利用されているかを学ぶことを目的とする.
授業の進め方・方法:
講義ならびに演習
注意点:
線形代数(ベクトル,座標変換)および微分方程式の解法を復習しておくと同時に,比較的複雑な積分計算ができるように復習しておくこと.授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ローレンツ変換と特殊相対論 |
特殊相対論の基礎となる光速不変の原理と,ローレンツ変換についてガリレイ変換との違いが説明できる。
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2週 |
ローレンツ変換の性質,ローレンツ短縮 |
ローレンツ短縮について、速度に対する物体の縮みを計算できる。
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3週 |
ローレンツ変換の性質(2),時間の遅れ |
ローレンツ変換を用いて速度に対する時間の遅れおよび速度の合成が計算できる
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4週 |
静止質量とエネルギー |
相対論的エネルギーについて説明でき、質量とエネルギーの換算が計算できる。
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5週 |
加速系と等価原理、一般相対論の概要 |
重力質量と慣性質量が本質的に等価であることが説明できる。 .
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6週 |
熱放射と量子仮説 |
光の粒子性と波動性についてその違いを説明できる
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7週 |
光電効果,コンプトン効果 |
光電効果やコンプトン効果がどのような現象なのかを説明できる。
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8週 |
電子線と回折 |
電子線の加速電圧からその波長を計算でき、電子線の振る舞いについて説明できる。
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4thQ |
9週 |
原子模型,ボーアの量子論 |
ボーアの水素原子模型からエネルギー順位を説明できる。
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10週 |
電子の波動性とシュレディンガー方程式 |
物質波の運動量と波長の関係ならびにシュレディンガー方程式について定量的に説明できる
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11週 |
エネルギー固有値と波動関数 |
波動関数の意味について説明でき、1次元井戸型ポテンシャルにおける波動関数およびエネルギー固有値を計算することができる。
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12週 |
原子構造,原子核 |
原子核の構造に関して強い相互作用を用いて説明でき、核の結合エネルギーと原子核の安定性について定性的に説明できる。
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13週 |
素粒子論の概要 |
原子核を構成している素粒子に関して定性的に分類できる。
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14週 |
問題演習 |
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末テストの解答、アンケート |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | |
同位体について説明できる。 | 3 | |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 後13 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 材料物性 | 陽子・中性子・電子からなる原子の構造について説明できる。 | 3 | 後12 |
ボーアの水素原子模型を用いて、エネルギー準位を説明できる。 | 3 | 後9 |
4つの量子数を用いて量子状態を記述して、電子殻や占有する電子数などを説明できる。 | 3 | 後10 |
周期表の元素配列に対して、電子配置や各族および周期毎の物性の特徴を関連付けられる。 | 3 | |
化学・生物系分野 | 無機化学 | 主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。 | 2 | |
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。 | 2 | |
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。 | 2 | |
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。 | 2 | |
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 2 | |
物理化学 | 放射線の種類と性質を説明できる。 | 2 | |
核分裂と核融合のエネルギー利用を説明できる。 | 2 | |