応用物理Ⅲ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 応用物理Ⅲ
科目番号 0114 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 高専の応用物理,後藤憲一他,共立出版
担当教員 伊藤 尚

到達目標

1. 力学について理解し,微分方程式等を用いて問題が解ける.
2. 熱力学について理解し,サイクル効率,エントロピーの変化,気体分子の平均速度を求めることが出来る.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1力学のついて正しく理解し,応用問題を解くことが出来る.力学について理解し,基本的な問題を解くことが出来る.力学について理解出来ず,諸問題を解くことが出来ない.
評価項目2熱力学について正しく理解し,応用問題を解くことが出来る.熱力学について理解し,基本的な問題を解くことが出来る.熱力学について理解出来ず,諸問題を解くことが出来ない.

学科の到達目標項目との関係

JABEE B1 説明 閉じる
ディプロマポリシー 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
これまでに学んだ数学および物理学の知識を基礎として,工学分野への物理的応用力を養う事を目的に講義を行う.
授業の進め方・方法:
最初にこれまで習得した力学について,新たに習得する数学の知識を用いて発展的な演習を行い理解を深める.次に熱力学について学習し,まず熱力学の第1,2法則およびその物理例を解説する.そしてエントロピーなどの熱力学的関数の概念を解説し,熱力学の体系的な理解を深める.
(授業外学習・事前)授業内容を予習しておく.
(授業外学習・事後)授業内容に関する課題を解く.
注意点:
<評価方法の追加事項>
定期試験の結果または評価が60点未満の人には補習,再試験により理解が確認できれば,点数を変更することがある.ただし,変更した後の評価は60点を超えないものとする.

<授業改善策>
授業の演習問題とレポート課題を課すことで学生の理解度向上を図る.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1階線形微分方程式と運動方程式
 4年前期の応用数学で学習する1階微分方程式を用いてこれまでの運動方程式の発展的学習を行う.
1階線形微分方程式が解ける.
力学の諸問題において,運動方程式を立てられる.
運動方程式を1階線形微分方程式として解くことが出来る.
2週 円運動の運動方程式
 円運動の運動方程式について解説し,問題演習を行う.
円運動の運動方程式の成り立ちを説明できる.
力学の諸問題において,円運動の運動方程式を用いた立式が出来る.
3週 運動量と微分方程式
 運動量の定義と保存則について解説し,問題演習を行う.
運動量が保存される場合とそうでない場合を説明できる.
力学の諸問題において,運動量を用いた立式が出来る.
得られた式を,微分方程式として解くことが出来る.
4週 積分と重心
 重心の定義と性質について解説し,問題演習を行う.
重心の定義を説明することが出来る.
離散体および剛体に対して重心を求めることが出来る.
5週 重積分と慣性モーメント
 3年後期の解析学で学習した重積分を用いてこれまで学習した慣性モーメントの発展的学習を行う.
慣性モーメントの性質を説明することが出来る.
様々な剛体に対して慣性モーメントを求めることが出来る.
剛体の回転運動の運動方程式を記述することが出来る.
6週 2階微分方程式と振動
4年前期の応用数学で学習する2階線形微分方程式を用いて,これまでの減衰振動の発展的学習を行う.
力学の諸問題において,運動方程式を立てられる.
運動方程式を2階線形微分方程式として解くことが出来る.
7週 これまで学習内容について演習を行う これまで学習した力学の諸問題に対して,微分方程式の立式および解法が出来る.
8週 中間試験
 1回から7回までの内容について中間試験を実施する.
2ndQ
9週 温度と熱
 温度と熱・熱の移動について解説し,演習を行う.
温度と熱の違いを説明できる.
熱力学の諸問題において,ニュートンの冷却の法則を用いた微分方程式を解くことが出来る.
10週 気体の状態
 状態方程式・物質の相について解説し,演習を行う.
物質の三相と超臨界流体の性質を説明することが出来る.
ファン・デル・ワールスの状態方程式を用いて,物質の臨界点とファン・デル・ワールス定数を求めることが出来る.
11週 気体の分子運動
 気体の分子運動について解説し,演習を行う.
気体分子の平均自由行程を求めることが出来る.
マクスウェル・ボルツマンの速度分布則を用いて,気体の分子の平均運動速度を求めることが出来る.
12週 熱力学の第1法則と気体のいろいろな状態変化
 熱力学の第1法則と,気体の等積変化・等圧変化・等温変化・断熱変化について解説し,演習を行う.
熱力学の第1法則を用いて,気体のいろいろな状態変化における内部エネルギー・熱量・仕事の変化量を求めることが出来る.
13週 カルノーサイクルとサイクル効率
 気体の状態変化と理想気体の断熱仮定,カルノー・サイクルについて解説し,演習を行う.
カルノーサイクルの各過程における気体の状態変化を説明することが出来る.
各種熱機関のサイクル効率を求めることが出来る.
14週 熱力学の第2法則とエントロピー
 熱力学の第2法則とエントロピーについて解説し,演習を行う.
熱力学の第2法則,トムソンの原理,クラジウスの原理を説明することが出来る.
熱力学の第2法則を用いて,カルノーの定理を説明することが出来る.
エントロピーの定義と性質を説明することが出来る.
可逆過程・不可逆過程におけるエントロピーの変化量を求めることが出来る.
15週 期末試験
 第9週から第14週までの内容について期末試験を実施する.
16週 答案返却,解説,授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。2
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。2
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。2
自然科学物理力学物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。2
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。2
角運動量を求めることができる。2
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力3500015050
専門的能力3500015050