到達目標
1.国際教育や異文化理解教育に関する言説の概念を正しく理解して、口頭かつ文章でこれらを明瞭に説明することができる。
2.国際教育や異文化理解教育に関する言説の概念を正しく使って、自分の体験を適切に解釈し、構造的に意味づけることができる。
3.自己の体験の意味づける過程を、簡明な文章によって論理的、かつ、明瞭に行なうことができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 国際教育や異文化理解教育に関する言説の概念を正しく理解して、口頭かつ文章でこれらを明瞭に説明することができる。 | 国際教育や異文化理解教育に関する言説の概念を理解して、口頭かつ文章でこれらをおよ説明することができる。 | 国際教育や異文化理解教育に関する言説の概念を理解できず、その結果口頭または文章でこれらを明瞭に説明することができない。 |
評価項目2 | 国際教育や異文化理解教育に関する言説の概念を正しく使って、自分の体験を適切に解釈し、構造的に意味づけることができる。 | 国際教育や異文化理解教育に関する言説の概念を使って、自分の体験になんらかの意義を与えることができる。 | 国際教育や異文化理解教育に関する言説の概念を使って、自分の体験を解釈して意味づけることができない。 |
評価項目3 | 自己の体験の意味づける過程を、簡明な文章によって論理的、かつ、明瞭に行なうことができる。 | 自己の体験の意味づける過程を文章によっておよそ論理的瞭に行なうことができる。 | 自己の体験の意味づける過程を文章によってわかりやすく説明することができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
日本は単一文化的な発想が強い国だとよく言われます。確かに大学入試等で異文化理解力が問われることはありません。しかし、国際理解教育や異文化理解教育は外国や外国人との間のことだけではありません。「地方」の僕が「都会」で感じた劣等感やカルチャーショック、「苦手な」友達への排除心、「はぶかれる」ことも「異文化性」の排除。「英語」がその他の言語よりも「優れている」と感じたり、白人文化がアジアや日本文化よりも「上」といった感情は、日本にも存在します。このように、私たちが異文化について少し洞察するべき理由は、異文化が序列関係にあるからです。異文化理解教育は、差別や排除された自分や他者を発見する力になります。世界の教育が異文化理解に注目するのはそのためです。毎時間の授業では、異文化理解に関する用語や理論を出して、その用語の概念や理論と自分の体験とを結びつけるような思考を促します。レポートではその思考のプロセスを言葉で的確につかむことを期待します。
授業の進め方・方法:
教員による講義と学生による演習を行なう。
注意点:
評価は、学期中に5回のレポート(10%×5回)と、学期末試験(50%)の合計で行ないます。レポートの作成については、「到達目標」の3点が反映されるように行なってください。提出の遅れまたは未提出は大きなナイマスとなりますので注意してください。
評価が60点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあってはその評価を60点とする。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
異文化理解教育の意義、イントロダクション |
「正解」をさがす態度ではなく、自分の思考過程を見つめる態度を立てることができる。
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2週 |
父性原理と母性原理 |
二つの原理の概念を理解でき、これを用いて自分の体験を意味づけることができる。
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3週 |
日米の子供観、子育て観 |
日米間の子供観の差異に注目し、「厳しさ」や「自由」の多義性を捉えることができる。
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4週 |
学びの伝統:模倣的様式 |
学びのイメージに関する二つの様式を理解し、自分の学びのスタイルを捉え説明することができる。
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5週 |
学びの伝統:変容的様式 |
学びのイメージに関する二つの様式を理解し、自分の学びのスタイルを捉え説明することができる。
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6週 |
西洋合理主義—「風土論」— |
「風土論」を使って異文化の背景を説明することができる。
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7週 |
コミュニケーションにおける異文化理解 |
人間のコミュニケーションスタイルにおける二つの異なる様式—例えば、高コンテキスト対低コンテキスト—を理解し、自分のコミュニケーションスタイルの特質を説明することができる。
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8週 |
コミュニケーションのしくみ:Code Theory |
人間のコミュニケーション理論のうち、最も初期の Code Theory の特質と課題を自分のコミュニケーション体験に基づいて理解することができる。
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2ndQ |
9週 |
コミュニケーションのしくみ:Cooperative Principles, Relevance Theory |
Code Theory の改良版としての Cooperative Principles と Relevance Theory の差異及びコミュニケーション実践への示唆を説明することができる。
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10週 |
英語観:「民族英語」と「国際英語」 |
広い人々によって使用されている英語への見方の多様性を、「民族英語」と「国際英語」の概念理解を通じて説明できる。
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11週 |
英語観:英語帝国主義論と World Englishes |
英語文化の序列関係という観点から、「英語支配」とそれに対抗する試みを理解することができる。
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12週 |
英語学習と異文化理解:「言語的距離」と英語学習 |
日本語からの「言語的距離」という見方を理解して、自分の英語やその他の外国語学習体験について説明をすることができる。
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13週 |
英語学習と異文化理解:「主語」、否定疑問文と対人関係 |
日英語の主語や否定疑問文の統語構造と異文化性を考察して、外国語学習と異文化学習が密接な関係にあることを理解することができる。
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14週 |
まとめ:外国語教育と「国際人」 |
昨今の「グローバル」人材育成環境の中で、自分の「国際人」像を説明することができる。
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15週 |
期末試験 |
第1週から14週までの内容の理解度を測るために期末試験を行なう。
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16週 |
答案返却、解説、授業アンケート |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 50 | 0 | 0 | 0 | 50 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
専門的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 50 | 0 | 100 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |