機関概論B

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 機関概論B
科目番号 0002 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 適宜資料を配布する
担当教員 小林 大

到達目標

1. ボイラや蒸気・ガスタービンの運転,保守管理の方法,注意点について説明できる.
2. プロペラの種類とそれぞれの特性,軸系の構成について説明できる.
3. 船内で使用されるポンプや冷凍機の構成,作動原理,取扱い方法について説明できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ボイラや蒸気・ガスタービンの運転,保守管理について理解し,詳しく説明できる.ボイラや蒸気・ガスタービンの運転,保守管理について理解し,基本的事項を説明できる.ボイラや蒸気・ガスタービンの運転,保守管理について理解が不十分であり,基本的事項を説明できない.
評価項目2プロペラの種類や特性,軸系について理解し,詳しく説明できる.プロペラの種類や特性,軸系について理解し,基本的事項を説明できる.プロペラの種類や特性,軸系について理解が不十分であり,基本的事項を説明できない.
評価項目3ポンプや冷凍機の構成,作動原理について理解し,詳しく説明できる.ポンプや冷凍機の構成,作動原理について理解し,基本的な事項を説明できる.ポンプや冷凍機の構成,作動原理について理解が不十分であり,基本的な事項を説明できない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
学習目標:船舶の基幹システムの概略を理解するとともに,機関士としての資質の養成を目的とする.本教科ではボイラや蒸気・ガスタービン,プロペラ,軸系装置,ポンプ,冷凍機の作動原理を説明できることを目指す.
授業の進め方・方法:
教員単独による講義を基本とし,適宜課題演習を実施する.
事前に行う準備学習:前回の講義の復習および予習を行ってから授業に臨むこと.
注意点:
機械類,プロペラの基礎を理解することは今後実際に機械を取り扱う上で非常に重要である.
本科目の評価点数の内訳は,試験の成績を80%(中間,期末試験の合計),課題の成績を20%とする.
評価が50点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる.追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を50点とする.
学習単位のため、60時間相当の授業外学習が必要である.
授業外学習・事前:授業内容を予習する.
授業外学習・事後:授業内容に関する課題を解く.課題については,レポートとして評価する.

■船舶職員法養成施設必要履修科目 三級海技士(機関)
機関に関する科目(その一)
 (a)出力装置   (1)作動原理 (2)運転および保守 (3)故障の探知,故障個所の発見及び損傷の防止
 (b)プロペラ装置 (1)作動原理 (2)運転および保守 (3)故障の探知,故障個所の発見及び損傷の防止
機関に関する科目(その二)
 (a)補機     (1)作動原理 (2)運転および保守 (3)故障の探知,故障個所の発見及び損傷の防止
 (b)甲板補機   (1)運転および保守 (2)故障の探知,故障個所の発見および損傷の防止

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス,舶用補機の概要,ボイラの構成 機関室にある補機類の種類や役割について説明できる.
2週 圧力・温度の単位,蒸気の性質,伝熱工学の基礎 ボイラの状態を数値的に評価するための基礎的な知識について説明できる.
3週 ボイラの分類および特徴,構成部品 ボイラの分類や特徴,構成部品の役割等について説明できる.
4週 ボイラの運転・保守 ボイラを運転・保守するのに必要な事項を説明できる.
5週 蒸気タービンの構成,分類 蒸気タービンの構成や分類について説明できる.
6週 蒸気タービンに関する熱力学,運転・保守 蒸気タービンの性能等に関する計算,および運転・保守に必要な事項を説明できる.
7週 ガスタービンの構成および作動原理 ガスタービンの構成や作動原理について説明できる.
8週 中間試験 第1週から第7週の授業内容の理解度を確認するため,中間試験を実施する.
4thQ
9週 プロペラの各部名称,分類および特徴 プロペラの各部名称や分類等について説明できる.
10週 プロペラの保守,スラスタ,スリップ比 プロペラの保守,スラスタについて説明できる.
プロペラのスリップ比に関する計算ができる.
11週 ポンプの分類,構成および作動原理 ポンプの分類,各種の作動原理について説明できる.
12週 冷凍機の構成および作動原理 冷凍機の作動原理について説明できる.
13週 操船補機の作動原理 操船補機の作動原理について説明できる.
14週 甲板補機の作動原理 甲板補機の作動原理について説明できる.
15週 期末試験 第1週から第14週の授業内容の理解度を確認するため,中間試験を実施する.
16週 答案返却,解説,授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)蒸気工学蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、説明できる。2後6
蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について説明できる。2後6
蒸気タービンの種類、構成要素および作動原理について、説明できる。2後6
ノズル、羽根、ロータ、気密装置、車室などの各部の構造および作用について説明できる。2後6
タービン関連装置の種類、構造および作用について説明できる。2後6
蒸気タービンの操縦制御について説明できる。2後2,後7
蒸気タービンおよび関連装置を取り扱うに当たっての基本的な注意点について説明できる。2後2,後7
蒸気タービンおよび関連装置の開放および検査について説明できる。2後2,後7
流体力学冷凍サイクルを構成する要素について認識し、それぞれの機能について説明できる。2後13
流体機械の種類、構造および作動原理について、説明できる。2後12
キャビテーションについて説明できる。2後12
伝熱工学熱力学で用いられる各種物理量の定義と単位を説明できる。2後2
エネルギー式を用いて、熱、仕事、内部エネルギー、エンタルピーを計算できる。2後2
理想気体の圧力、体積、温度の関係を、状態方程式を用いて説明できる。2
定容比熱、定圧比熱、比熱比について認識し、それらの計算ができる。2
等圧変化、等容変化、等温変化、断熱変化、ポリトロープ変化について説明できる。2
水の等圧蒸発過程について説明できる。4後2
蒸気の状態量を、蒸気表および蒸気線図から読み取ることができる。4後2
伝熱の基本形態を理解し、各形態における熱移動過程について説明できる。4後2
ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。4後1
ボイラに付属している各種関連機器の構造と作用について認識し、取り扱うことができる。4後3,後4
ボイラに関する諸性能(ボイラ効率など)について認識し、それらを用いた計算ができる。4後4
ボイラおよび関連装置を取り扱うに当たっての基本的な注意点について説明できる。4後5
ボイラの自動制御およびボイラ水管理について説明できる。4後5
ボイラおよび関連装置の損傷およびその原因を認識し、その対策について説明できる。4後5

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ課題合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000