概要:
この授業では,これから学ぶ化学の基礎となる事項を学習する。まず,物質を微視的な立場から見たときに,原子・分子・イオンから成り立っていることを学習する。その後,マクロ的な立場から見た化学反応が微視的な分子やイオンの変化であることや,その量的な関係を捉えるために基本的事項を学習する。また,基本的な化学反応である中和反応,酸化・還元反応について,概念や法則などを学び,量的なとらえ方もできるようになる。
授業の進め方・方法:
教員単独による講義,演習,実験
注意点:
評価が60点に満たない者は,願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を60点とする。
授業改善策:内容の定着のため,小テスト,課題プリント(宿題)などを課す。実験や視聴覚教材を取り入れることがある。
学生の理解度によって,授業計画を変更することがある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
オリエンテーション 実験を安全に行うために |
シラバスに基づき,授業の方針や計画等について説明をする。その後,実験に関する注意事項を説明する。
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2週 |
物質の分離と精製 |
物質は純物質と混合物に分類できることを理解する。また,混合物から純物質を得る方法のいくつかを知る。
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3週 |
物質の成り立ち 原子の構造 |
物質の構成や物質の基本成分である元素について学習する。その後,物質の構成粒子の中で最小の粒子である原子の構造について学ぶ。
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4週 |
電子配置 元素の周期表 |
電子配置と価電子について理解する。また,価電子と元素の性質の関係について学ぶ。その後,元素の周期表の歴史を学び,周期表から原子のある程度の性質が予測できることを学ぶ。
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5週 |
【実験】混合物の分離 |
蒸留,ろ過について実験を行う。
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6週 |
イオンの生成 イオン結合 組成式 |
イオンと電子配置の関係について学習する。その後,多原子イオンや化学式の表し方を学ぶ。その後, イオンが集まったときの特徴,表し方について学習する。
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7週 |
共有結合 分子 |
共有結合の仕方,共有結合によってできる分子について学ぶ。
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8週 |
中間試験 |
原子・分子・イオンの構造などに関する基本的事項について出題する。
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2ndQ |
9週 |
試験の解答・解説 物質の三態と熱運動 |
中間試験の答案を返却し,解答・解説することで理解できていないところを確認する。その後,物質には3つの状態があり,それぞれ粒子の熱運動の仕方が違うことを学習する。
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10週 |
分子の極性と分子間力 |
原子の電子の引きつけやすさの違いによって電子のかたよりが生じることについて学ぶ。また,分子の形によって極性が生じること,その結果物質の性質に影響が及ぶことについて学習する。
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11週 |
共有結合の結晶 金属結合 |
結合の仕方の違いによるそれぞれの結晶の特徴について学習する。
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12週 |
原子量・分子量・式量 |
極小である原子の質量が,原子量という相対質量を取り入れることによって扱いやすくなることを学ぶ。
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13週 |
物質量と質量・数・体積の関係 |
物質はたくさんの粒子の集合体であるが,モルという単位で表すことによって質量や体積が扱いやすくなることを学習する。
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14週 |
溶液の濃度 【演習】物質量 |
溶液の濃度の表し方について学習し,実際に溶液の調整ができるようにする。また,量的関係 に関する演習をする。
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15週 |
期末試験 |
結合の種類とそれによる性質の違いについて問う。また,物質の量をいろいろな単位で表すことができるかどうかを確認する。
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16週 |
成績評価・確認 |
期末試験の成績確認 授業評価アンケート
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後期 |
3rdQ |
1週 |
化学反応式・イオン反応式 化学反応式の表す意味 |
様々な化学反応を式で表すことができるようになるための基礎を学ぶ。また,化学反応式は反応を表すだけでなく,反応の量的な関係も表していることを学習する。
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2週 |
化学反応の量的関係 |
化学反応によって変化する物質の質量や体積を測定値と化学反応式から求め,反応の量的関係を習得する。
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3週 |
【演習】化学反応の量的関係 |
化学反応の量的関係について,演習を行う。
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4週 |
酸・塩基の基本事項 |
酸・塩基の定義,強弱,価数と電離度について学ぶ。
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5週 |
水素イオン濃度 pH |
酸・塩基の度合いを測る尺度としてのpHの求め方について学ぶ。また,身近な物質のpHがどれくらいかを知る。
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6週 |
中和 中和滴定 |
中和反応と,中和滴定の実験の仕方・計算について学習する。
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7週 |
【実験】中和滴定 |
中和滴定の実験を行い,溶液の濃度を求める。また,器具の使い方,薬品の取り扱い方も習得する。
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8週 |
塩 加水分解 |
中和によって生じる塩の種類と,塩を加水分解したときの反応について学ぶ。
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4thQ |
9週 |
中間試験 |
化学反応と量的関係について,また,酸・塩基に関する事項について理解できているかを問う。
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10週 |
中間試験の解答 |
中間試験の答案を返却し,解答・解説することで,今までの復習と理解できていなかったことを確認する。
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11週 |
酸化と還元 酸化数と酸化・還元 |
化学変化の主反応である酸化・還元反応の定義を学ぶ。その後,酸化・還元反応を知る上で有効な酸化数の求め方を学習する。また,酸化数の変化によって,酸化・還元反応がわかることを学ぶ。
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12週 |
酸化剤・還元剤 |
酸化剤・還元剤について学習する。また,酸化還元反応の量的関係を学ぶ。
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13週 |
金属のイオン化傾向 電池 |
金属のイオン化傾向の違いによって反応の仕方が異なることを学ぶ。また,基本的な電池のしくみを学び,電池は酸化還元反応を利用していることや,実用電池のしくみについて学習する。最近の電池事情について触れる。
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14週 |
電気分解 |
電気分解によってどのような反応が起こるのかを学習する。
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15週 |
期末試験 |
さまざまな酸化還元反応について,その現象と量的な関係が理解できているかどうかを問う。
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16週 |
成績評価・確認 |
期末試験の成績確認 授業評価アンケート
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 化学(一般) | 化学(一般) | 代表的な金属やプラスチックなど有機材料について、その性質、用途、また、その再利用など生活とのかかわりについて説明できる。 | 3 | 前1 |
洗剤や食品添加物等の化学物質の有効性、環境へのリスクについて説明できる。 | 3 | 前1 |
物質が原子からできていることを説明できる。 | 3 | 前3 |
単体と化合物がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
同素体がどのようなものか具体例を挙げて説明できる。 | 3 | 前3 |
純物質と混合物の区別が説明できる。 | 3 | 前2,前5 |
混合物の分離法について理解でき、分離操作を行う場合、適切な分離法を選択できる。 | 3 | 前2,前5 |
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。 | 3 | 前9 |
水の状態変化が説明できる。 | 3 | 前9 |
物質の三態とその状態変化を説明できる。 | 3 | 前9 |
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。 | 3 | 前3 |
同位体について説明できる。 | 3 | 前3 |
放射性同位体とその代表的な用途について説明できる。 | 3 | 前3 |
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。 | 3 | 前4 |
価電子の働きについて説明できる。 | 3 | 前4 |
原子のイオン化について説明できる。 | 3 | 前6 |
代表的なイオンを化学式で表すことができる。 | 3 | 前6 |
原子番号から価電子の数を見積もることができ、価電子から原子の性質について考えることができる。 | 3 | 前4 |
元素の性質を周期表(周期と族)と周期律から考えることができる。 | 3 | 前4 |
イオン式とイオンの名称を説明できる。 | 3 | 前6 |
イオン結合について説明できる。 | 3 | 前6 |
イオン結合性物質の性質を説明できる。 | 3 | 前6 |
イオン性結晶がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前6 |
共有結合について説明できる。 | 3 | 前7 |
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。 | 3 | 前7 |
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。 | 3 | 前11 |
金属の性質を説明できる。 | 3 | 前11 |
原子の相対質量が説明できる。 | 3 | 前12 |
天然に存在する原子が同位体の混合物であり、その相対質量の平均値として原子量を用いることを説明できる。 | 3 | 前12 |
アボガドロ定数を理解し、物質量(mol)を用い物質の量を表すことができる。 | 3 | 前13,前14,後3 |
分子量・式量がどのような意味をもつか説明できる。 | 3 | 前13,前14,後3 |
気体の体積と物質量の関係を説明できる。 | 3 | 前13,前14,後3 |
化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。 | 3 | 後1,後3 |
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。 | 3 | 後2,後3 |
電離について説明でき、電解質と非電解質の区別ができる。 | 3 | 前14 |
質量パーセント濃度の説明ができ、質量パーセント濃度の計算ができる。 | 3 | 前14 |
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。 | 3 | 前14 |
酸・塩基の定義(ブレンステッドまで)を説明できる。 | 3 | 後4 |
酸・塩基の化学式から酸・塩基の価数をつけることができる。 | 3 | 後4 |
電離度から酸・塩基の強弱を説明できる。 | 3 | 後4 |
pHを説明でき、pHから水素イオン濃度を計算できる。また、水素イオン濃度をpHに変換できる。 | 3 | 後5 |
中和反応がどのような反応であるか説明できる。 | 3 | 後6,後7 |
中和滴定の計算ができる。 | 3 | 後6,後7 |
酸化還元反応について説明できる。 | 3 | 後11,後12 |
イオン化傾向について説明できる。 | 3 | 後13 |
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。 | 3 | 後13 |
ダニエル電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後13 |
鉛蓄電池についてその反応を説明できる。 | 3 | 後13 |
一次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後13 |
二次電池の種類を説明できる。 | 3 | 後13 |
電気分解反応を説明できる。 | 3 | 後14 |
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。 | 3 | 後14 |
ファラデーの法則による計算ができる。 | 3 | 後14 |
化学実験 | 化学実験 | 実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。 | 3 | 前1,前5,後7 |
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。 | 3 | 前1,前5,後7 |
測定と測定値の取り扱いができる。 | 3 | 後7 |
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。 | 3 | 後7 |
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。 | 3 | 前5,後7 |
ガラス器具の取り扱いができる。 | 3 | 前5,後7 |
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。 | 3 | 前5,後7 |
試薬の調製ができる。 | 3 | 後7 |