基礎科学実験

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 基礎科学実験
科目番号 0056 科目区分 一般 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 物理実験のプリント教材,化学実験のプリント教材
担当教員 寺崎 由紀子,大竹 由記子

到達目標

物理実験の目標は,測定値の取り扱い方とレポートの書き方を習得し,実験結果を物理の知識に基いて考察できるようになること。化学実験の目標は,器具の扱い方・実験操作を習得すること,測定結果・観察結果から化学的な現象が理解できることとする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1誤差を正しく見積もることができる。有効数字の四則演算を規則通りに行える。有効数字の四則演算が規則通りに行えない。
評価項目2事実と意見を区別し、意見を事実で裏付けて考察できる。事実と意見を区別して考察できる。事実と意見を混同している。
評価項目3器具の扱い方・実験操作が正しく行え、その理由が説明できる。器具の扱い方・実験操作が正しく行える。器具の扱い方・実験操作が誤っている。
評価項目4測定結果・観察結果を科学の知識と関連付て説明できる。測定結果・観察結果を科学の知識と関連付られる。測定結果・観察結果を科学の知識と関連付られない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
物理実験と化学実験をそれぞれ5項目程度実施する。各項目は2時限の実験で,クラスを半分に分けて物理実験と化学実験を同時に展開する。実験以外の時間は,実験のための説明・講義・演習やビデオによる授業をする。物理実験では,実験を通して物理現象を理解するとともに実験データの分析の仕方を訓練する。化学実験では,科学的観察力,思考力,判断力等の能力が身に付くようにさせる。
授業の進め方・方法:
実験および講義
注意点:
実験を開始する前に,実験の説明と基本事項の復習をする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション シラバスと理科実験全体の説明をした後,化学実験に関する諸注意,器具の名前や取り扱い方,薬品の取り扱いについて説明する。また,物理実験における諸注意,データの扱い方,レポートの書き方について説明する。
2週 物理実験〈1〉「有効数字」 有効数字の取り扱い方法を学ぶ。また,ノギスを使って身近なものの外径・内径・深さを測定し,表面積や体積を計算する。
3週 化学実験〈1〉「化学反応の量的関係」 反応による質量変化の測定から,反応の量的関係を調べる。
4週 物理実験〈2〉「重力加速度の測定」 重力加速度を二通りの方法で測定して比較する。
5週 化学実験〈2〉「いろいろな電池」 ボルタ電池とダニエル電池を製作し,起電力の違いなどを調べる。
6週 物理実験〈3〉「台車の衝突」 ガイドトラック上で2台の台車を衝突させ,衝突前後での運動量と運動エネルギーを求め,衝突前後の値を比較する。
7週 化学講義 金属イオンによって反応が違うことを学習する。また,系統分析の方法について知る。
8週 化学実験〈3〉「金属イオンの反応と分離」 金属イオンによって反応の仕方が違うことを観察する。また,その結果を利用して,未知のイオンを調べる。
4thQ
9週 物理実験〈4〉「熱の仕事当量の測定」 摩擦によって金属ブロックの温度がどれだけ上がるかを測定し,熱の仕事当量を算出する。
10週 物理講義 波の基本的な性質を,演示実験で確認する。
11週 化学実験〈4〉「酸化還元滴定」 酸化還元反応を利用して,酸化剤・還元剤の濃度を求める。
12週 物理実験〈5〉「気柱の共鳴」 一定の音を鳴らしながら気柱の長さを変え,共鳴点を探すことで音波の波長を測定する。
13週 化学実験〈5〉「有機化合物の合成,性質」 アルコールやアルデヒドの性質を調べる。また,エステルを合成してみる。
14週 実験予備日
15週 期末試験
16週 レポート返却・成績確認

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
化学(一般)化学(一般)化学反応を反応物、生成物、係数を理解して組み立てることができる。3後3,後5,後11,後13
化学反応を用いて化学量論的な計算ができる。3後3,後11
モル濃度の説明ができ、モル濃度の計算ができる。3後3,後11
酸化還元反応について説明できる。3後5,後11
イオン化傾向について説明できる。3後5
金属の反応性についてイオン化傾向に基づき説明できる。3後5
ダニエル電池についてその反応を説明できる。3後5
化学実験化学実験実験の基礎知識(安全防具の使用法、薬品、火気の取り扱い、整理整頓)を持っている。3後3,後5,後8,後11,後13
事故への対処の方法(薬品の付着、引火、火傷、切り傷)を理解し、対応ができる。3後3,後5,後8,後11,後13
測定と測定値の取り扱いができる。3後3,後11
有効数字の概念・測定器具の精度が説明できる。3後3,後11
レポート作成の手順を理解し、レポートを作成できる。3後3,後5,後8,後11,後13
ガラス器具の取り扱いができる。3後3,後5,後8,後11,後13
基本的な実験器具に関して、目的に応じて選択し正しく使うことができる。3後3,後5,後8,後11,後13
試薬の調製ができる。3後3,後11
代表的な気体発生の実験ができる。3後3
代表的な無機化学反応により沈殿を作り、ろ過ができる。3後8

評価割合

試験発表相互評価態度物理レポート化学レポート合計
総合評価割合00005050100
基礎的能力00005050100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000