航海測位論Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 航海測位論Ⅱ
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 講義資料(https://www2.nc-toyama.ac.jp/~nunome/lecture/lecture.html)
担当教員 布目 明弘

到達目標

推測問題(出発針路の位置と針路・航程から、到着地点の位置を求める問題)および計画問題(出発地点と到着地点の位置から、針路・航程を求める問題)を、各種航法を使用して求める技術の習得。
1.航程線航法及び測地線航法の特徴を説明できる。
2.各種航法の長所および短所を説明できる。
3.平均中分緯度航法により、推測問題及び計画問題を正確に解くことができる。
4.漸長緯度航法により、推測問題及び計画問題を正確に解くことができる。
5.大圏航法により、目的地点までの針路・大圏距離および到着地点の位置を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1航程線航法及び測地線航法の特徴に基づき、場面に合った適切な航法を選択できる。航程線航法及び測地線航法の特徴を説明することができる。航程線航法及び測地線航法の特徴を説明することができない。
評価項目2各種航法の長所および短所に基づき、場面に合った適切な航法を選択できる。各種航法の長所および短所を説明することができる。各種航法の長所および短所を説明することができない。
評価項目3平均中分緯度航法により、推測問題および計画問題を正確に解くことができる。平均中分緯度航法により、推測問題および計画問題を解くための公式や手順を理解している。平均中分緯度航法により、推測問題および計画問題を解くための公式や手順を理解していない。
評価項目4漸長緯度航法により、推測問題および計画問題を正確に解くことができる。漸長緯度航法により、推測問題および計画問題を解くための公式や手順を理解している。漸長緯度航法により、推測問題および計画問題を解くための公式や手順を理解していない。
評価項目5大圏航法における大圏距離、出発針路および到着針路を正確に求めることができる。大圏航法における大圏距離、出発針路および到着針路を求めるための公式や手順を理解している。大圏航法における大圏距離、出発針路および到着針路を求めるための公式や手順を理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
航程線航海算法(距等圏航法・中分緯度航法・漸長緯度航法)及び測地線航海算法(大圏航法)について、その計算手法等を講義し、演習を行う。
授業の進め方・方法:
始めに講義で概要を説明した後、Think-Pair-Share法による演習を行う。問題を解く中で質問が出た事項については、適宜補足説明を行う。
注意点:
・基礎的な数学の知識(加減乗除、三角関数の基礎など)は習得している前提で授業を行う。
・課題の得点は提出された日によって決定する。また、完成されたもの以外は採点せず、再提出とする。

本授業は、船舶職員法養成施設必要履修科目の航海に関する科目における次の項目に対応している。
五 地文航法
(1)距等圏航法、中分緯度航法、漸長緯度航法、大圏航法

定期試験(70%)と演習や提出物(30%)により総合的に評価する。

本科目では、60点以上の評価で単位を認定する。
評価が60点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の習得が認められた者にあっては、その評価を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション 航海算法の種類を何も見ずに3つ以上答えることができる。また、それぞれの長所と短所を説明することができる。
緯度・経度で地球上の位置を表すことができる。また、緯度・経度がどの部分の角度と対応しているのか図示することができる。
関数電卓を使って、複雑な数式を正しく計算することができる。
2週 天測計算表・平面航法 「航走距離表」「トラバース表」に掲載されている数値を関数電卓で算出できる。
「漸長緯度表」を使って、任意の緯度の漸長緯度を得ることができる。
360度法と90度法で表記された方位、360度法と60分法で表記された角度・弧度を互換することができる。
3週 距等圏航法 距等圏航法の推測問題・計画問題を解くことができる。
変経と東西距の関係を表す公式を、図示して証明することができる。
4週 平均中分緯度航法1 平均中分緯度航法の公式が掲載されている天測計算表のページを開くことができる。
平均中分緯度航法の推測問題・計画問題を解くことができる。
5週 平均中分緯度航法2・連針路航法 平均中分緯度航法の応用である連針路航法の、推測問題・計画問題を解くことができる。
航海日誌の記事から、正午の推測位置を計算することができる。
6週 平均中分緯度航法3・流潮航法の基礎 平均中分緯度航海算法の応用である流潮航法の、基礎的な問題を解くことができる。
船上で海潮流の情報を得る方法について答えられる。
7週 平均中分緯度航法演習 平均中分緯度航法の問題を正確に解くことができる。
8週 中間試験 第1週~第7週の内容の理解度を評価する。
2ndQ
9週 漸長緯度航法1 漸長緯度航法の公式が掲載されている天測計算表のページを開くことができる。
漸長緯度表を使って2地点の漸長緯度差を求めることができる。
10週 漸長緯度航法2 漸長緯度航法の推測問題・計画問題を解くことができる。
11週 大圏航法1 球面三角形の公式が掲載されている天測計算表のページを開くことができる。
球面三角形の弧度がどの部分の角度と対応しているのか図示して説明することができる。
12週 大圏航法2 任意の2地点と極で構成される球面三角形の角および弧に、正しい数値を当てはめることができる。
任意の2地点間の大圏距離を求めることができる。
13週 大圏航法3 球面三角形の公式から大圏航路の出発針路および到着針路を求める公式を導くことができる。
任意の2地点間の大圏航路の出発針路および到着針路を求めることができる。
14週 漸長緯度航法・大圏航法演習 漸長緯度航法の推測問題・計画問題を正確に解くことができる。
任意の2地点間の大圏距離、出発針路、到着針路を正確に計算することができる。
15週 期末試験 第9週~第14週の内容の理解度を評価する。
16週 答案返却、試験問題の解答。授業アンケート調査

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)地文航法船位測定に用いる方法の種類とその特徴を説明できる。4
航程線航法及び大圏航法の特徴を説明できる。4前13
各種航法による航法計算を行うことができる。3前14

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3500001550
専門的能力3500001550
分野横断的能力0000000