船体管理論B

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 船体管理論B
科目番号 0068 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 <マリタイムカレッジシリーズ> 船舶の管理と運用(海文堂)
海事六法(海文堂)
担当教員 布目 明弘

到達目標

船舶の各部名称、主要目、船体設備、属具、船舶安全法に基づく船舶検査の概要を理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
船体構造船体構造について十分理解している。船体構造について概ね理解している。船体構造について理解していない。
船体整備船体整備について十分理解している。船体整備について概ね理解している。船体整備について理解していない。
船舶検査船舶検査に関する根拠法規・検査項目・検査方法について十分理解している。船舶検査に関する根拠法規・検査項目・検査方法について概ね理解している。船舶検査に関する根拠法規・検査項目・検査方法について理解していない。
ポートフォリオポートフォリオに調査内容や今後の課題が詳しく書かれている。ポートフォリオに調査内容や今後の課題が書かれている。ポートフォリオに調査内容や今後の課題が書かれていない。
発表口頭説明、発表資料、質疑応答が適切かつ十分に行われており、内容は科目の到達目標を踏まえて十分に調査されたものである。口頭説明、発表資料、質疑応答が適切に行われており、内容は科目の到達目標を踏まえたものである。口頭説明、発表資料、質疑応答が不適切であり、内容は科目の到達目標に沿っていないものである。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
船舶安全法をもとに、船舶の種類、船体構造、設備、船舶が受験しなければならない各種検査について講義、PBL(プロジェクト型学習)および調査学習を行う。
授業の進め方・方法:
教科書、資料、パワーポイントにより、船舶管理の基本的な知識を習得する。また、船体や船舶設備についてPBLや調査学習を行い、船舶管理業務について理解を深める。

事前に行う準備学習:前回の講義の復習および予習を行ってから授業に臨むこと
(授業外学習・事前)課題についての調査を行い、情報を収集する。
(授業外学習・事後)授業での議論等を踏まえて、情報をまとめる。
注意点:
本授業は、船舶職員法養成施設必要履修科目の運用に関する科目における次の項目に対応している。
一 船舶の構造、設備、復元性および損傷制御
(1) 船体要目
(2) 主要設備の取扱・保存手入れ(操舵、揚錨、係船)
(3) 主要属具の取扱・保存手入れ
(4) 入渠作業及び注意、船体の手入れ・溶接・塗料に関する知識
六 貨物の取り扱いおよび積み付け
(2) 荷役装置及び属具の取り扱い及び保存手入れ
本科目では、60点以上の評価で単位を認定する。
評価が60点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の習得が認められた者にあっては、その評価を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 講義:イントロダクション・プロジェクトテーマ決定 SOLAS条約、船舶安全法および関連法規に基づき、航海士が行うべき船体管理業務の概要を理解する。
船舶の分類方法について理解する。
図や写真を見て、船種、船型および船体各部の名称を言うことができる。
2週 PBL1:PBLの概要説明、班分け PBLの目的や実施内容について理解する。
PBLで取り扱う設備の構成や概要を理解する。
3週 PBL2:不具合発見・修理箇所の決定 練習船や小型舟艇で船体・設備について調査し、発見した不具合について不具合報告書を作成する。また、使用前の点検に使用するためのチェックリストを作成する。
4週 PBL3:修繕計画の策定、購入物品の検討 練習船や小型舟艇で船体・設備について調査し、発見した不具合を解消するための計画を立て、作業計画書を作成する。また、必要な部品や工具の手配を行う。
5週 PBL4:修繕作業、チェックリストの作成 練習船や小型舟艇で船体・設備について調査し、作業計画書に基づき作業を実施する。
6週 PBL5:修繕作業・作業マニュアルの作成 練習船や小型舟艇で船体・設備について調査し、作業計画書に基づき作業を実施する。実際の作業手順等をまとめた作業マニュアルを作成する。
7週 PBL6:総括
調査学習:概要説明
2週~6週の学習を通して作成した成果物の相互評価を行う。
練習線での課題調査についての概要を理解する。
8週 調査学習1:練習船での課題調査 船体、救命設備、消防設備、係留設備、操舵設備、荷役設備、船用品・属具(以下、「各種設備等」)の中から担当する設備毎に班を作成する。
4thQ
9週 調査学習2:練習船での課題調査 各班の課題に応じて調査を実施する。
練習船に搭載されている設備の全体像を把握する。
10週 調査学習3:練習船での課題調査、発表準備
各班の課題に応じて調査を実施する。
練習船に搭載されている設備の法的要件を把握する。
11週 調査学習4:練習船での課題調査、発表準備 各種設備等について、種類・各部名称や機能・役割の他、船舶検査における検査項目や整備の際の注意事項等を調査し、適切な保守整備方法について議論する。
12週 発表会:発表 8週~11週の学習内容についてプレゼンテーションでの発表を行う。
発表内容に関して質問することができる。
13週 講義:船舶検査と証書 船種、総トン数等から定期検査・中間検査の受験予定を立てることができる。
各船舶検査に合格した際に発行される証書の名称を言うことができる。
14週 講義:入渠工事・船級協会 ドックの種類を3つ挙げることができる。
入渠工事中に船員が行う業務を5つ以上挙げ、それぞれについて説明することができる。
船級協会を3つ以上言うことができる。
15週 学年末試験 授業に関連する分野についての理解度を確認するための試験を行う。
16週 試験返却・授業アンケートなど PBLの振り返りや次年度への引き継ぎを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)船舶工学船の種類、主要目、船型、主要寸法について説明できる。3
船体の主要目比、肥せき係数について説明できる。3
鉄鋼材料について、その性質を説明できる。4
静定はりについて、せん断力の計算方法及びSFDの作図方法を説明できる。4
静定はりについて、曲げモーメントの計算方法及びBMDの作図方法を説明できる。4
船体に作用する応力について説明できる。3
船体に必要な強度について説明できる。3
船体の構造について説明できる。3
水の物理的性質(重量、 圧縮性、 粘性)について説明できる。4
基礎的な静水力学(アルキメデスの原理、パスカルの原理)について説明できる。4
基礎的な動水力学(層流と乱流、流量と流速、ベルヌーイの定理)について説明できる。4
船体抵抗の種類、船体抵抗に影響を与える要素について説明できる。4
推進器の種類、出力と推進効率について説明できる。4
載貨復原性と船の安全性の関係について説明できる。4
船の重心、浮心、傾心等の専門用語の意味を説明できる。4
貨物の移動・積み降ろしによる重心移動について、その移動距離を計算により求めることができる。4
重心、浮心、傾心それぞれの位置関係から、船体の安定・不安定を評価できる。4
復原力について、包括的に説明できる。3
喫水標から船の喫水を測読する方法を説明できる。4
測読した喫水について、各種修正方法を説明できる。4
液体の比重差により喫水が変化することを説明できる。4
Dead Weight Scaleを用いて必要な値を求める方法を説明できる。4
貨物の移動・積み降ろしによるトリム及び喫水の変化について計算できる。4
船舶の載貨能力、貨物の種類について説明できる。4
燃焼の三要素について説明できる。4
引火点、発火点、爆発限界などの用語について説明できる。4
危険物を輸送する際に取られる様々な安全対策について説明できる。4
貨物を管理する上での様々な危険項目について説明できる。4
商船系分野(機関)機械製図図面の役割と種類を認識している。4
製図用具を正しく扱うことができる。4
製図に用いる文字を丁寧にかく事ができる。4
線の種類と用途を説明できる。4
品物の投影図を正確にかく事ができる。4
製作図のかき方を認識し、口頭で説明できる。1
図形を正しくかくことができる。1
図形に寸法を記入することができる。1
公差と表面性状の意味を把握し、図示することができる。1
部品のスケッチ図をかくことができる。1
ボルト・ナット、軸継手、軸受、歯車などの図面を作成できる。1
歯車減速装置、ウインチ、渦巻きポンプなどの部品図と組立図を作成できる。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合502500250100
基礎的能力0000000
専門的能力50100010070
分野横断的能力0150015030