航海測位論Ⅲ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 航海測位論Ⅲ
科目番号 0079 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 六訂版 航海学【上巻】(成山堂),五訂版 航海学【下巻】(成山堂),天測計算表,講義資料(www2.nc-toyama.ac.jp/WEB_Profile/nunome2020/lecture/lecture.html)
担当教員 布目 明弘

到達目標

地球を球と考えた場合の大圏航海算法の計算能力を習得するとともに、天文航法の測位原理について理解する。
1.各種航法による航法計算を行うことができる。
2.天球図に表記されている用語を説明できる。
3.水平面図及び赤道面図、子午線面図の違いを説明できる。
4.地方視時とグリニッジ視時、地方平時と世界時を相互に変換できる。
5.クロノメーター示時より世界時を求めることができる。
6.任意の地点における時刻改正量を計算で求めることができる。
7.天測暦で任意の時間のdとEの値を求めることができる。
8.視時と平時を相互に換算することができる。
9.天体の時角を求めることができる。
10.任意の地における常用日出没時及び常用月出没を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1各種航法による航法計算を正確に行うことができる。各種航法による航法計算を行うことができる。各種航法による航法計算を理解していない。
評価項目2天球図に表記されている用語を説明し、分析できる。天球図に表記されている用語を説明できる。天球図に表記されている用語を理解していない。
評価項目3地平面図及び赤道面図、子午線面図の違いを説明でき、分析できる。地平面図及び赤道面図、子午線面図の違いを説明できる。地平面図及び赤道面図、子午線面図の違いを理解していない。
評価項目4地方視時とグリニッジ視時、地方平時と世界時を相互に確実に変換できる。地方視時とグリニッジ視時、地方平時と世界時を相互に変換できる。地方視時とグリニッジ視時、地方平時と世界時を相互に変換することを理解していない。
評価項目5クロノメーター示時より世界時を確実に求めることができる。クロノメーター示時より世界時を求めることができる。クロノメーター示時より世界時を求めることを理解していない。
評価項目6任意の地点における時刻改正量を計算で正確に求めることができる。任意の地点における時刻改正量を計算で求めることができる。任意の地点における時刻改正量を計算で求めることを理解していない。
評価項目7天測暦で任意の時間のdとEの値を正確に求めることができる。天測暦で任意の時間のdとEの値を求めることができる。天測暦で任意の時間のdとEの値を求めることを理解していない。
評価項目8視時と平時を相互に正確に換算することができる。視時と平時を相互に換算することができる。視時と平時を相互に換算することを理解していない。
評価項目9天体の時角を正確に求めることができる。天体の時角を求めることができる。天体の時角を求めることを理解していない。
評価項目10任意の地における常用日出没時及び常用月出没を正確に求めることができる。任意の地における常用日出没時及び常用月出没を求めることができる。任意の地における常用日出没時及び常用月出没を求めることを理解していない。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
地球を球と考えた場合の大圏航海算法について、 その計算手法等を講義し、演習を行う。更に、天文航海学の基礎についても講義する。
授業の進め方・方法:
始めに講義で概要を説明した後、例題による演習を行う。問題を解く中で質問が出た事項については、適宜補足説明を行う。
Excel関数やExcel VBA等のプログラミング言語を使用した自動計算ソフトの作成を通して、各種航法の計算過程について理解を深める。

事前に行う準備学習:前回の講義の復習および予習を行ってから授業に臨むこと
(授業外学習・事前)授業内容を予習しておく。
(授業外学習・事後)授業内容に関する課題を解く。
注意点:
・基礎的な数学の知識(加減乗除、三角関数の基礎など)は習得している前提で授業を行う。
・3年前期開講科目「航海測位論II」で学ぶ内容は習得している前提で授業を行う。
・課題の得点は提出された日によって決定する。また、完成されたもの以外は採点せず、再提出とする。

本授業は、船舶職員法養成施設必要履修科目の航海に関する科目における次の項目に対応している。
5 地文航法 (1)大圏航法 
6 天文航法 (1)天文航法に関する用語

定期試験(70%)と演習や提出物(30%)により総合的に評価する。

本科目では、60点以上の評価で単位を認定する。
評価が60点に満たない者は、願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の習得が認められた者にあっては、その評価を60点とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 大圏航法 大圏航法における頂点位置を求めることができる。
2週 集成大圏航法 集成大圏航法における頂点位置、出発針路、到着針路、大圏距離及び総距離を求めることができる。
3週 大圏航路の変針点 大圏航路上の変針点の位置を求めることができる。
4週 天文航法の基礎1:天球図法 天球図法の種類を3つ挙げることができる。
天球図の記号や線が示すものを言い当てることが出来る。
5週 天文航法の基礎2:時刻 標準時、世界時、地方時、船舶使用時などの用語について説明できる。
時差のある2地点間の時刻計算を行うことができる。
6週 天文航法の基礎3:天体の位置・暦 天測歴に記載されている各種記号の意味を調べることができる。
視時と平時を相互に換算することができる。
7週 演習 第1週~第6週の内容に基づく演習を行う。
8週 中間試験 第1週~第7週の内容の理解度を評価する。
4thQ
9週 Nautical Almanac1:全体構成 Nautical Almanacで調べることができる事柄について、3つ以上具体例を挙げることができる。
10週 Nautical Almanac2:Daily Page 任意の世界時から太陽、常用恒星、惑星、月の時角、赤緯d及び地平視差H.P.を求めることができる。
11週 Nautical Almanac3:日出没 真日出没と常用日出没についてそれぞれ説明できる。
常用日出没時を2種類の表を使って求めることができる。
12週 Nautical Almanac4:月出没時 月出没時を表を使って求めることができる。
13週 Nautical Almanac5:天体出没時及び方位角 太陽の真出没時および真出没方位角を求めることができる。
天体の出没方位角を使用して、ジャイロエラーを求めることができる。
14週 演習 第9週~第13週の内容に基づく演習を行う。
15週 期末試験 第9週~第14週の内容の理解度を評価する。
16週 期末試験の返却、解答。授業アンケート調査

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)地文航法船位測定に用いる方法の種類とその特徴を説明できる。3
航程線航法及び大圏航法の特徴を説明できる。4
各種航法による航法計算を行うことができる。4
天文航法天球図に表記されている用語を説明できる。4
水平面図及び赤道面図、子午線面図の違いを説明できる。4後4
地方視時とグリニッジ視時、地方平時と世界時を相互に変換できる。2
クロノメーター示時より世界時を求めることができる。1
任意の地点における時刻改正量を計算で求めることができる。1
天測歴で任意の時間のdとEの値を求めることができる。4
視時と平時を相互に換算することができる。4
天体の時角を求めることができる。4
任意の地における常用日出没時及び常用月出没を求めることができる。4後13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3500001550
専門的能力3500001550
分野横断的能力0000000