化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 化学Ⅱ
科目番号 0103 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新版 化学(実教出版),アクセス化学(実教出版),フォローアップドリル化学(数研出版),フォトサイエンス化学図録(数研出版)
担当教員 寺崎 由紀子

到達目標

身近な物質の特徴や性質を知り,これまでに学習したことと関連づけて考えることができるようになる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電池・電気分解酸化・還元反応の定義が理解できており,その応用である電池の仕組み,電気分解の原理についても理解している。また,電気分解の量的関係についても問題に取り組むことができる酸化・還元反応の定義が理解できており,その応用である電池の仕組み,電気分解の原理についても理解している。酸化・還元反応の定義が理解できていない。その応用である電池の仕組み,電気分解の原理についても理解していない。
熱化学結合エネルギーと反応熱の関係について理解している。 たくさんなる情報の中から,必要な情報を選んで,反応熱を求めることができる。反応熱について理解している。 熱化学方程式が書ける。 ヘスの法則を用いて不明な反応熱を求めることができる。反応に伴って熱の出入りがあることを理解していない。 熱化学方程式が書けない。 ヘスの法則を理解していない。
気体ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式を理解した上で,問題を解くことができる。 応用として,混合気体についての問題を解くことができる。ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式を理解できる。 応用である混合気体の問題については理解が不十分である。ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式を理解できていない。 混合気体についてはほとんど理解できていない。
溶液溶液,溶解度について理解し,いろいろな場合の溶解度についての問題を溶くことができる。 溶液の濃度について,応用的な問題を解くことができる。 コロイドについて理解し,身の回りのものと絡めて考えることができる。溶解,溶解度について理解している 溶液の濃度を求めることができる コロイドについて基本的な知識を理解している溶解,溶解度について理解できていない。 溶液の濃度を求めることができない。 コロイドについて基本的な知識が理解できていない。
有機化合物有機化合物の基本的な知識を理解し,問題を解くことができる。 構造式,示性式が書け,そこからその物質の性質などが類推できる。有機化合物の基本的な知識を理解している。 構造式,示性式が書ける。有機化合物の基本的な知識を理解できていない。 構造式,示性式が理解できず書けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
実際の現象・反応に目を向け,その化学的な見方を理解する。また,反応の量的な関係について学習する。その後,さまざまな物質について,その構造や特徴,性質,反応の仕方を学習する。
授業の進め方・方法:
教員単独による講義,演習,実験
注意点:
評価が60点に満たない者は,願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果,単位の修得が認められたものにあっては,その評価を60点とする。
授業改善策:内容の定着をはかるため,随時小テストを行う。また,復習ができるように課題プリントを出す。実験や視聴覚教材を取り入れることがある。
学生の理解度により,授業計画を変更することがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
金属のイオン化傾向
シラバスを用いて授業の進め方について説明する。その後,金属がイオンになることは酸化還元反応のひとつであり,イオンになるなりやすさは金属の種類によって異なることを理解する。また,金属のイオン化傾向が異なると化学的性質が大きく異なることを学ぶ。
2週 電池1 電解質水溶液と異なる金属を組み合わせることによって電池ができることを学ぶ。
3週 電池2 電池には1次電池と2次電池があることを理解し,また生活ではいろいろな電池が使われていることを知る。
4週 電気分解1 水溶液を電気分解したときに,どのような物質が生成するかを理解する。また,金属の精錬に電気分解が利用されていることを学ぶ。
5週 電気分解2 ファラデーの法則を学び,電気分解における反応物・生成物の量と流れた電気量の関係を理解する。
6週 熱化学1 化学変化や状態変化には熱の移動が伴うこと,その熱の種類と定義を学ぶ。また,それらは熱化学方程式で表すことができることも学ぶ。
7週 熱化学2 ヘスの法則を用いることによって,未知の熱量を計算によって求められること学ぶ。
8週 中間試験 酸化還元反応の応用として,電池や電気分解について理解できているかどうかを確認する。また,熱化学方程式について理解できていることも確認する。
2ndQ
9週 中間試験の解答
熱運動
中間試験の答案を返却し,解答・解説することで,今までの復習と理解できていなかったことを確認する。その後,気体や溶液が自然に混ざってしまうのは,粒子が熱運動をしていると考えることよって説明できることを理解する。
10週 物質の三態 三態の変化が分子間力の違いによるものであることを理解する。また,蒸気圧,蒸発と沸騰の違い,沸点についても学ぶ。
11週 気体の体積 気体の体積は,圧力や温度によって変わり,それらの関係は簡単な数式で表されることを学ぶ。
12週 気体の状態方程式 ボイル・シャルルの法則をもとにして,気体の状態方程式を導くことができることを理解する。
13週 混合気体 混合気体において,それぞれの気体の圧力がどうなるかを理解する。
14週 実在気体
演習
理想的な気体と実在する気体との違いを理解する。
15週 期末試験 気体の性質や,いくつかの法則を用いて体積と温度・圧力の関係が理解できているかどうかを確認する。
16週 成績確認 期末試験の答案返却
授業評価アンケート
後期
3rdQ
1週 溶解 イオン結晶と分子からなる物質の溶解のしくみの違いを理解する。
2週 溶解度 飽和溶液の溶質・溶媒の量的関係を体得する。また,再結晶のしくみについても理解する。気体の溶解度は固体とは異なり,圧力に依存することを学ぶ。
3週 希薄溶液の性質 希薄溶液における,沸点や凝固点の変化,浸透圧について学ぶ。
4週 コロイド コロイド溶液と通常の溶液との違いを理解する。身近なところにコロイド溶液があることを学ぶ。
5週 有機化合物の特徴と分類
有機化合物の分析
有機化合物全般について,定義や特徴を理解する。また,元素分析をすることにより,分子式を推定することができることを学ぶ。
6週 飽和炭化水素 アルカンについて,構造・性質・反応を理解する。また,様々なアルカンが含まれている石油についても学ぶ。
7週 不飽和炭化水素 アルカン・アルキンについて,構造・性質・反応を理解する。
8週 中間試験 溶液に関すること,有機化合物の特徴,分析など,脂肪族炭化水素について理解できているかを確認する。
4thQ
9週 中間試験の解答
アルコール・エーテル
中間試験の答案を返し,解答・解説することで,今までに復習と理解できていなかったことの確認を行う。その後,アルコール・エーテルに関する構造・性質・反応を学習する。
10週 アルデヒド・ケトン アルデヒド・ケトンについて,構造・性質・反応を同様に学習する。また,銀鏡反応,フェーリング液の還元,ヨードホルム反応について学ぶ。
11週 カルボン酸
エステルと油脂
カルボン酸の種類と命名法,性質を理解する。光学異性体についても学ぶ。また,エステルの種類と命名法,性質を,その後,油脂の構造,性質を理解する。
12週 セッケン
芳香族炭化水素
セッケンや合成洗剤について,性質や洗浄のしくみを理解する。その後,芳香族炭化水素の種類と命名法,立体構造や性質を理解する。とくにいろいろな名前がつけられた反応を理解する。
13週 フェノール類
芳香族カルボン酸
フェノール類と芳香族カルボン酸の種類と命名法,性質を理解する。
14週 芳香族アミン
有機化合物の分離
芳香族アミンの種類と命名法,性質,ジアゾ化,ジアゾカップリングなどを理解する。その後,有機化合物の官能基の性質を利用して,その混合物を分離することができることを学ぶ。
15週 期末試験 酸素や窒素を含んだ芳香族化合物について,特徴や反応が理解できているかを確認する。
16週 成績確認 期末試験の成績確認
授業評価アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000