物理学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 物理学Ⅱ
科目番号 0103 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「宇宙一わかりやすい高校物理(力学・波動)」鯉沼拓 著,為近和彦 監修(学研教育出版)
担当教員 大竹 由記子

到達目標

1.等速円運動,単振動,剛体の静力学について知っており,問題に適用して解くことができる.
2.温度と熱,理想気体の法則,気体の内部エネルギー等の熱力学の知っており,問題に適用して解くことができる.
3.波の一般的な性質を知っており,音波など身近な波の振舞いに関する問題に適用して解くことができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1等速円運動,単振動,剛体の静力学について知っており,応用問題に適用して解くことができる.等速円運動,単振動,剛体の静力学について知っており,基本的な問題に適用して解くことができる.等速円運動,単振動,剛体の静力学についての知識が曖昧で,基本的な問題も解くことができない.
評価項目2等加速度運動の公式を知っており,応用問題に適用して解くことができる.等加速度運動の公式を知っており,基本的な問題に適用して解くことができる.等加速度運動の公式についての知識が曖昧で,基本的な問題も解くことができない.
評価項目3波の一般的な性質を知っており,音波など身近な波の振舞いに関する応用問題に適用して解くことができる.波の一般的な性質を知っており,音波など身近な波の振舞いに関する基本的な問題に適用して解くことができる.波の一般的な性質についての知識が曖昧で,音波など身近な波の振舞いに関する基本的な問題も解くことができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
1年生で学んだ運動に加えて,等速円運動と単振動,剛体の運動について学ぶ.また,熱力学の基礎として,温度と熱,理想気体の法則,気体の内部エネルギーについて学び,簡単なサイクルの効率が計算できるようになる.また,波について一般的な性質を学び,音波など身近な波の振る舞いを説明できるようになる.
授業の進め方・方法:
学生の理解度に応じて,授業計画を変更することがある.教員単独で,講義および演習を実施する.
注意点:
定期試験80点,平常点(小テスト・宿題など)20点とし,合計60点以上を合格とする.評価が60点に満たない者は,願い出により追認試験を受けることができる.追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を60点とする.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 等速円運動1 ガイダンスおよび物理学Iの復習を行う.等速円運動の公式を導き,基本的な問題を解くことができる.
2週 等速円運動2 等速円運動の標準的な問題を解くことができる.
3週 等速円運動3 等速円運動の応用問題を解くことができる.
4週 単振動1 等速円運動と単振動の関係を説明できる.単振動の公式を導き、基本的な問題を解くことができる.
5週 単振動2 単振動の標準的な問題を解くことができる.
6週 剛体の運動1 剛体とは何か,および剛体の重心と剛体にかかる力のモーメントの意味を説明できる.
7週 剛体の運動2 剛体について,力のつりあいを用いた問題を解くことができる.
8週 万有引力 万有引力の法則を使った基本的な問題を解くことができる。
2ndQ
9週 中間試験 講義中に扱った演習問題の類題を出題する.
10週 中間試験解説, 温度と熱1 中間試験の解説を行う.セシウス温度と絶対温度の関係,熱量と熱エネルギーについて説明できる.
11週 温度と熱2 熱と仕事の関係および熱量の保存則を学び,基本~標準的な問題を解くことができる.
12週 理想気体の状態方程式 理想気体の状態方程式について復習し,基本~標準的な問題を解くことができる.
13週 内部エネルギー 内部エネルギーの公式について説明でき,基本~標準的な問題を解くことができる.
14週 熱力学第一法則 熱力学第一法則について説明でき,基本~標準的な問題を解くことができる.
15週 期末試験 講義中に扱った演習問題の類題を出題する.
16週 前期まとめ 前期期末試験の解説を行い,成績評価を確認する.
後期
3rdQ
1週 p-V図 気体がする仕事の公式の導き方を知り,p-V図から仕事を計算できる.
2週 サイクルの効率1 サイクルの効率について説明でき,簡単な場合に効率の計算ができる.
3週 サイクルの効率2 ディーゼルサイクル,スターリングサイクルなどの効率を計算できる.
4週 直線上を伝わる波1 波を表す量として,波の速さ・振幅・波長・周期・振動数とそれらの間の関係について説明できる.また,重ね合わせの原理と反射を使った簡単な問題を解くことができる.
5週 直線上を伝わる波2 正弦波を数式で表す方法について説明できる.
6週 直線上を伝わる波3 正弦波とその反射波の重ね合わせにより,定常波が生じることを説明できる.
7週 直線上を伝わる波4 弦の振動と気柱の振動について,定常波の様子を推定できる.
8週 中間試験 講義中に扱った演習問題の類題を出題する.
4thQ
9週 中間試験解説,音波1 音波の基本的な性質を説明でき,うなりおよびドップラー効果の概要を説明できる.
10週 音波2 ドップラー効果の基本~標準的な問題を解くことができる.
11週 平面上を伝わる波1 ホイヘンスの原理について説明でき,平面波の干渉・回折について説明できる.
12週 平面上を伝わる波2 ホイヘンスの原理に基き,平面波の屈折・反射の法則を導くことができる.
13週 光波1 光波の基本的な性質を説明でき,光波の反射と屈折について説明できる(学生の理解度によって割愛する).
14週 光波2 光波の回折と干渉について説明できる(学生の理解度によって割愛する).
15週 期末試験 講義中に扱った演習問題の類題を出題する.
16週 後期まとめ 後期期末試験の解説を行う.成績評価を確認する.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3前4,前5
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3前4,前5
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前1,前2,前3
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3前8
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3前8
力のモーメントを求めることができる。3前6,前7
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。3前6,前7
重心に関する計算ができる。3前6
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3前10
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。3前10
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。3前11
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。3前11
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。3前11
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3前12
気体の内部エネルギーについて説明できる。3前13
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3前14,後1
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3後2,後3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3後2,後3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3後2,後3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3後4
横波と縦波の違いについて説明できる。3後4
波の重ね合わせの原理について説明できる。3後4
波の独立性について説明できる。3後4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3後6
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3後6,後7
ホイヘンスの原理について説明できる。3後11
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3後12
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3後7
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3後7
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3後7
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3後9,後10

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力80000200100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000