化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 化学Ⅱ
科目番号 0104 科目区分 一般 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 新版化学(実教出版),フォローアップドリル化学(数研出版),アクセス化学(実教出版),フォトサイエンス化学図録(数研出版)
担当教員 寺崎 由紀子

到達目標

酸化還元反応の応用としての電池や電気分解について、原理を理解し、量的な扱いもできる。
反応熱について理解し、熱化学方程式が書ける。また、ヘスの法則を用いて不明な反応熱を求めることができる。
気体に関して、ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式を理解できる。
溶液に関して、溶解,溶解度について理解し、溶液の濃度を求めることができる。また、コロイドについて基本的な知識を理解している。
有機化合物の基本的な知識を理解し、構造式,示性式が書ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
電池・電気分解酸化・還元反応の定義が理解できており,その応用である電池の仕組み,電気分解の原理についても理解している。また,電気分解の量的関係についても問題に取り組むことができる酸化・還元反応の定義が理解できており,その応用である電池の仕組み,電気分解の原理についても理解している。酸化・還元反応の定義が理解できていない。その応用である電池の仕組み,電気分解の原理についても理解していない。
熱化学結合エネルギーと反応熱の関係について理解している。 たくさんなる情報の中から,必要な情報を選んで,反応熱を求めることができる。反応熱について理解している。 熱化学方程式が書ける。 ヘスの法則を用いて不明な反応熱を求めることができる。反応に伴って熱の出入りがあることを理解していない。 熱化学方程式が書けない。 ヘスの法則を理解していない。
気体ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式を理解した上で,問題を解くことができる。 応用として,混合気体についての問題を解くことができる。ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式を理解できる。 応用である混合気体の問題については理解が不十分である。ボイル・シャルルの法則,気体の状態方程式を理解できていない。 混合気体についてはほとんど理解できていない。
溶液溶液,溶解度について理解し,いろいろな場合の溶解度についての問題を溶くことができる。 溶液の濃度について,応用的な問題を解くことができる。 コロイドについて理解し,身の回りのものと絡めて考えることができる。溶解,溶解度について理解している 溶液の濃度を求めることができる コロイドについて基本的な知識を理解している溶解,溶解度について理解できていない。 溶液の濃度を求めることができない。 コロイドについて基本的な知識が理解できていない。
有機化合物有機化合物の基本的な知識を理解し,問題を解くことができる。 構造式,示性式が書け,そこからその物質の性質などが類推できる。有機化合物の基本的な知識を理解している。 構造式,示性式が書ける。有機化合物の基本的な知識を理解できていない。 構造式,示性式が理解できず書けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
実際の現象・反応に目を向け,その化学的な見方を理解する。また,反応の量的な関係について学習する。その後,さまざまな物質について,その構造や特徴,性質,反応の仕方を学習する。
授業の進め方・方法:
教員単独による講義,演習,実験
注意点:
評価が60点に満たない者は,願い出により追認試験を受けることができる。追認試験の結果,単位の修得が認められたものにあっては,その評価を60点とする。
授業改善策:内容の定着をはかるため,随時小テストを行う。また,復習ができるように課題を出す。実験や視聴覚教材を取り入れることがある。
学生の理解度により,授業計画を変更することがある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
電池
シラバスを用いて授業の進め方について説明する。その後,基本となる電池についてその原理がわかる。
2週 いろいろな電池 電池には1次電池と2次電池があることを理解し,また生活ではいろいろな電池が使われていることを知る。
3週 電気分解1 水溶液を電気分解したときに,どのような物質が精製するかを理解できる。また,金属の精錬に電気分解が利用されていることを知る。
4週 電気分解2 ファラデーの法則を学び,電気分解における反応物・生成物の量と流れた電気量の関係が理解できる。
5週 熱化学1 化学変化や状態変化には熱の移動が伴うこと,その熱の種類と定義を学ぶ。また,それらを熱化学方程式であらわすことができる。
6週 熱化学2 ヘスの法則を用いることによって,未知の熱量を計算によって求められるようになる。
7週 熱運動
物質の三態
粒子の熱運動を説明できる。三態の変化が分子間力の違いによるものであることを理解できる。また,蒸気圧,蒸発と沸騰の違い,沸点について説明できる。
8週 中間試験 酸化還元反応の応用として,電池や電気分解について理解できる。また,熱化学方程式について理解できる。
2ndQ
9週 中間試験の解答 中間試験の答案を返却し,解答・解説することで,今までの復習と理解できていなかったことを確認する。
10週 気体の体積 気体の体積は,圧力や温度によって変わることを知り,ボイル・シャルルの法則が使えるようになる。
11週 気体の状態方程式 ボイル・シャルルの法則をもとにして,気体の状態方程式を導くことができることを理解し、使えるようになる。
12週 混合気体 混合気体において,それぞれの気体の圧力を求めることができる。
13週 実在気体
演習
理想的な気体と実在する気体との違いを説明できる。
14週 溶解 イオン結晶と分子からなる物質の溶解のしくみの違いを説明できる。
15週 期末試験 気体の性質や,いくつかの法則を用いて体積と温度・圧力の関係が理解できているかどうかを確認する。
16週 成績確認 期末試験の答案返却
授業評価アンケート
後期
3rdQ
1週 溶解度 再結晶のしくみについて理解し、溶解度を用いて溶解量や析出量を求めることができる。気体の溶解度は圧力に依存することを学び、溶解量を求めることができる。
2週 希薄溶液の性質 希薄溶液における,沸点や凝固点の変化,浸透圧について学び、それらを計算で求めることができる。
3週 コロイド コロイド溶液と通常の溶液との違いが説明できる。身近なところにコロイド溶液があることを学ぶ。
4週 有機化合物の特徴と分類
有機化合物の分析
有機化合物全般について,定義や特徴が理解できる。また,元素分析をすることにより,分子式を推定できる。
5週 飽和炭化水素 アルカンについて,構造・性質・反応が理解できる。また,様々なアルカンが含まれている石油についても学ぶ。
6週 不飽和炭化水素 アルカン・アルキンについて,構造・性質・反応が理解できる。
7週 演習 有機化合物の基本となる炭化水素について,構造式や異性体が書けるようになる。
8週 中間試験 溶液に関すること,有機化合物の特徴,分析など,脂肪族炭化水素について理解できているかを確認する。
4thQ
9週 中間試験の解答
アルコール・エーテル
中間試験の答案を返し,解答・解説することで,今までに復習と理解できていなかったことの確認を行う。
アルコール・エーテルに関する構造・性質・反応が理解できる。
10週 アルデヒド・ケトン アルデヒド・ケトンについて,構造・性質・反応が理解できる。
11週 カルボン酸
エステルと油脂
カルボン酸についての性質・反応について学ぶ。
カルボン酸が反応してできたエステルや油脂についての特徴が説明できる。
12週 セッケン
芳香族炭化水素
油脂がエステル化された物質であるセッケンについてその特徴を学ぶ。
芳香族炭化水素の一般的な構造・性質・反応について学び,脂肪族炭化水素との違いが説明できる。
13週 フェノール類
芳香族カルボン酸
フェノール類の性質・反応について理解できる。
芳香族カルボン酸の中のいくつかの物質を例に,構造や性質・反応が理解できる。
14週 芳香族アミン
有機化合物の分離
芳香族アミンの中のいくつかの物質を例に,構造や性質・反応が理解できる。
今まで学んだことを生かして,有機化合物の混合物をそれぞれの物質に分けるためにはどうすればよいか考えることができる。
15週 期末試験 酸素や窒素を含んだ芳香族化合物について,特徴や反応が理解できているかを確認する。
16週 成績確認 期末試験の成績確認
授業評価アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3前10
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3前11
電気分解反応を説明できる。3前3
電気分解の利用として、例えば電解めっき、銅の精錬、金属のリサイクルへの適用など、実社会における技術の利用例を説明できる。3前3
ファラデーの法則による計算ができる。3前4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力80000020100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000