運用概論A

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 運用概論A
科目番号 0111 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 海技実習ポケットブック  マリタイムカレッジシリーズ はじめての船しごと 自作資料
担当教員 亀井 志聖,森井 直人

到達目標

航海士としての運用の基礎技術の習得。  小艇操縦 帆走実習を通じて 船舶運航 の感覚を身に着ける。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
指揮統率小艇を十分に指揮統率し 運用できる小艇を指揮統率し運用できる小艇を指揮統率し運用できない
安全管理他のクルーの安全配慮が十分にできる他のクルーの安全配慮ができる他のクルーの安全配慮ができない
小艇操縦小艇を自在に運用できる小艇を運用できる小艇を運用できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
学習目標(授業の狙い)
海洋実習に引き続き、①カッターの艇長・艇指揮の技術を身に付ける、②カッターの各種走法を理解する、③各種ロープワークを実践的に身に付ける
④航海士としての小艇取り扱いの基本の習得(救命艇取り扱いにつながる) これを通して、航海士としての運用の基礎技術を身に付ける。
⑤風の動き、波の動きを実際に体験することにより、航海士として要求される気象海象の変化に対する基本的な感覚を体感し気象海象変動への危機管理能力を習得する。
授業の進め方・方法:
①学生1人ずつ、実際に艇指揮、艇長を経験させ、停泊中の若潮丸に対してのカッターの達着訓練を行うことにより、指揮命令の基本的能力の育成と小艇操縦の基本を身に着けていく。                                          ②風による帆走を体験することにより航海士として必要な危機回避に必要な気象海象の変動に対する感覚を養成する。
注意点:
気象、海象の変化に対応しつつ、学生への安全配慮を行う。平均風速7mを超える場合は出艇しない。          
3級海技士養成施設教育科目の、運用に関する科目のうち当直、貨物の取り扱いおよび積み付け、非常措置、乗組員の管理および訓練,航海に関する科目のうち地文航法に該当する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 カッターのとう漕における艇長・艇指揮練習
出艇準備・安全確認・とう漕・達着練習 
全員に艇長、艇指揮を経験させる。
2週
同上

3週 同上
4週 同上
5週 カッターの帆走艤装立て付け
6週 カッターの帆走艤装立て付け
7週 カッターの帆走艤装立て付け
8週 帆走訓練 艤装品取り扱い
2ndQ
9週 帆走訓練 艤装品取り扱い
10週 帆走訓練
11週 帆走訓練
12週 帆走訓練
13週 実践的ロープワーク
14週 実践的ロープワーク
15週 筆記試験
16週 答案返却 解説 授業 アンケート 等

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)地文航法海図に記載されている海図図式や航路標識を説明できる。3
水路書誌を利用して、航海に必要な情報を収集することができる。3
航路標識の種類と名称、意味を説明できる。3
船位測定に用いる方法の種類とその特徴を説明できる。3
交差方位法・レーダ等により船位を求めることができる。3
航程線航法及び大圏航法の特徴を説明できる。1
各種航法による航法計算を行うことができる。1
出入港を含めた、一般的な状況における航行時において考慮すべき事項を説明できる。3
特殊な状況における航行時において考慮すべき事項を説明できる。3
本船のコンディションを考慮した航海計画を立案できる。2
立案した航路計画からナビゲーションスケジュールを作成できる。2
潮流及び潮汐が起こる仕組みを説明できる。4
任意の港における潮汐及び任意の地における朝夕を計算できる。4
海流の概要及び暖流・寒流の特徴を説明できる。4
世界各地の主要な海流について説明ができる。4
載貨復原性と船の安全性の関係について説明できる。1
船の重心、浮心、傾心等の専門用語の意味を説明できる。1
貨物の移動・積み降ろしによる重心移動について、その移動距離を計算により求めることができる。1
重心、浮心、傾心それぞれの位置関係から、船体の安定・不安定を評価できる。1
復原力について、包括的に説明できる。1
喫水標から船の喫水を測読する方法を説明できる。1
測読した喫水について、各種修正方法を説明できる。1
液体の比重差により喫水が変化することを説明できる。1
Dead Weight Scaleを用いて必要な値を求める方法を説明できる。1
貨物の移動・積み降ろしによるトリム及び喫水の変化について計算できる。1
船舶の載貨能力、貨物の種類について説明できる。1
燃焼の三要素について説明できる。1
引火点、発火点、爆発限界などの用語について説明できる。1
危険物を輸送する際に取られる様々な安全対策について説明できる。1
貨物を管理する上での様々な危険項目について説明できる。1
分野別の工学実験・実習能力商船系分野(航海)【実験・実習能力】練習船実習船内生活の特殊性を理解し、仲間と協力し、指示を受けた作業を安全に行うことができる。3
船内においてコミュニケーション(英語を含む)をとる方法を説明できる。3
船舶儀礼(満船飾、船飾、船の儀礼式)について説明できる。2
航海当直の役割を説明できる。1
航海計器等を運用し、航海に必要な情報を活用することができる。1
防火部署、防水部署など保安応急部署について説明できる。3
狭水道航海、狭視界航海法、荒天航海法について説明できる。3
航海海域を理解して必要な情報を収集し、航海計画を立案できる。1
船舶安全法による船舶検査について説明できる。1
船体の保守整備作業について説明できる。2
航海における気象観測の必要性を理解し、観測を行うことができる。2
停泊当直の意義を理解し、当直を行うことができる。2
入出港部署について理解し、実施できる。2
錨泊作業の手順を説明できる。2
実験実習実験・実習の目標と取り組むに当たっての心構えについて説明できる。3
実験・実習する際の災害防止と安全確保のためにすべきことを説明できる。3
実験で行った内容をレポートにまとめることができる。3
整列及び人員確認、敬礼方法等、集団行動の基本を理解し、実践できる。3
端艇の各部名称及び漕艇号令を理解し、号令に従った操作をすることができる。3
基本的なロープワークを習得し、実際に結ぶことができる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。1
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。1
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。1
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。1

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合400040020100
基礎的能力20002001050
専門的能力20002001050
分野横断的能力0000000