航海測位論C

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 航海測位論C
科目番号 0128 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 商船学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 六訂版 航海学【上巻】(成山堂),五訂版 航海学【下巻】(成山堂)
The Nautical Almanac(BA版書誌)
講義資料(https://www2.nc-toyama.ac.jp/WEB_Profile/nunome2020/lecture/lecture.html)
担当教員 布目 明弘

到達目標

天文航法の測位原理を理解し、天体を観測して位置を求める測位計算法等を習得する。
天体を観測して位置を求めるための原理を習得する。
1.任意の地点における時刻改正量を計算で求めることができる。
2.クロノメーター示時より世界時を求めることができる。
3.地方視時とグリニッジ視時、地方平時と世界時を相互に変換できる。
4.The Nautical Almanacに記載されている諸要素を求めることができる。
5.子午線高度緯度法により視正午の緯度を求めることができる。
6.天体の時角を求めることができる。
7.天体の計算高度を求め、修正差及び方位角を計算できる。
8.位置決定図により船位を求めることができる。
9.天測計算やメリパス計算により位置を求めることができる。
10.任意の地における常用日出没時及び常用月出没を求めることができる。
11.天測に最適な薄明時間を求めることができる。
12.出没方位角法、時辰方位角法、北極星方位角法の特徴を説明できる。
13.天体によって適切な計算方法を選択でき、ジャイロ誤差を計算できる。
14.水平面図及び赤道面図、子午線面図を描くことができる。
15.天球図に表記されている用語を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1天測に最適な薄明時間を正確に求めることができる。天測に最適な薄明時間を求めることができる。天測に最適な薄明時間を求めること理解している。
評価項目2出没方位角法、時辰方位角法、北極星方位角法の特徴を説明でき、応用できる。出没方位角法、時辰方位角法、北極星方位角法の特徴を説明できる。出没方位角法、時辰方位角法、北極星方位角法の特徴を理解している。
評価項目3天体によって適切な計算方法を選択でき、ジャイロ誤差を正確に計算できる。天体によって適切な計算方法を選択でき、ジャイロ誤差を計算できる。天体によって適切な計算方法を選択でき、ジャイロ誤差の計算方法を理解している。
評価項目4天体の計算高度を求め、修正差及び方位角を正確に計算できる。天体の計算高度を求め、修正差及び方位角を計算できる。天体の計算高度を求め、修正差及び方位角を計算する方法を理解している。
評価項目5位置決定図により船位を正確に求めることができる。位置決定図により船位を求めることができる。位置決定図により船位を求める方法を理解している。

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
天文航法の基礎及び計算方法について講義と演習を行い、航海士が身につけるべき天文航法に関する知識・技術を習得する。
授業の進め方・方法:
教員単独による講義と演習を行い、学生による「授業評価アンケート」により授業改善を行う。授業計画は学生の進捗に応じて変更することがある。
授業外学習:予習および前回の講義の復習を行ってから授業に臨むこと。
注意点:
本授業は、船舶職員法養成施設必要履修科目の航海に関する科目における次の項目に対応している。
六 天文航法 (1)時の基準及び船内時計の改正   (2)天体による船位の測定 
定期試験(70%)と演習や提出物(30%)で評価する。
本科目では60点以上の評価で単位を認定する。評価が60点に満たない者は追認試験を受けることができる。追認試験の結果、単位の修得が認められた場合、その評点は60点とする。

<改善点>
天文航海学の授業が何故重要であるのか?について丁寧に説明するとともに、演習時間を増やして、天測計算問題を解くことを通じて理解を深めることができるように改善する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 授業の概要
天測計算による位置決定の考え方
本科目の内容、目標および評価方法について理解する。
中間試験までの学習範囲を把握する。
推測位置および変緯・変経または東西距が与えられたとき、実測位置を求めることができる。
2週 天測位置の線
天測計算作図の方法
天測位置の線について理解する。
推測船位および天体方位角と修正差(インターセプト)が与えられたとき、作図もしくは計算により実測船位を求めることができる。
3週 修正差(インターセプト)
子午線高度緯度法
天体高度と修正差(インターセプト)の関係について理解する。
天体の計算高度および真高度が与えられたとき、修正差(インターセプト)を求めることができる。
天体の実測高度および測定時の状況(日時、気温、水温、気圧および眼高等)が与えられたとき、測高度改正を行い真高度を求めることができる。
子午線高度緯度法について理解する。
子午線高度緯度法により視正午の緯度を求めることができる。
4週 天体方位角 天体方位角は地平面図の中心角で示すことが出来ることを理解する。
天体を観測して真方位を求める4つの方法を言うことができる。
船位の緯度、天体の時角および赤緯が与えられたとき、時辰方位角法により天体方位角を求めることができる。
船位の緯度、天体の時角および高度が与えられたとき、高度方位角法により天体方位角を求めることができる。
5週 時角 時角は赤道面図の中心角で示すことが出来ることを理解する。
船位の経度と天体のグリニッジ時角(GHA)が与えられたとき、天体の時角を求めることができる。
常用恒星の恒星時角(SHA)および春分点のグリニッジ時角(GHA_Aries)が与えられたとき、常用恒星のグリニッジ時角を求めることができる。
6週 時刻
子午線正中時刻
船内時計の改正等について理解する。
クロノメータージャーナルを記入することができる。
クロノメーター示時とクロノメーター誤差および船位が与えられたとき、世界時を求めることができる。
視時と平時について説明できる。また、均時差を与えられた場合に地方視時とグリニッジ視時、または地方平時と世界時を相互に変換できる。
経度が与えられたとき、地方視時とグリニッジ視時、または地方平時と世界時を相互に変換できる。
天体の子午線正中時刻の計算ができる。
7週 天体の位置・暦 The Nautical Almanacに記載されている情報の意味を理解する。
8週 天測計算 太陽高度の隔時観測(午前中及び視正午)により視正午の船位を求めることができる。
月、惑星および常用恒星の高度の同時観測により船位を求めることができる。
2ndQ
9週 中間試験 第1週~第8週の内容の理解度を評価する。
10週 中間試験返却・解説
誤差
中間試験の内容について正しく理解する。
定誤差と偶然誤差について理解する。
天測位置の線に含まれる誤差とその原因について理解する。
11週 ジャイロ誤差 時辰方位角法により、ジャイロ誤差を求めることができる。
北極星方位角法により、ジャイロ誤差を求めることができる。
出没方位角法により、ジャイロ誤差を求めることができる。
高度方位角法により、ジャイロ誤差を求めることができる。
12週 日出没時・月出没時 真日出没と常用日出没についてそれぞれ説明できる。
常用日出没を2種類の表を使って求めることができる。
13週 薄明 薄明(天測を行うのに適した時刻)について理解する。
薄明の種類について説明できる。
薄明時間を求めることができる。
14週 天測暦
天球図法
BA版The Nautical Almanacから天文航法の諸計算に必要な情報を取得することができる。
与えられた情報に基づき、天球図法(赤道面図、地平面図、子午線面図)を描くことができる。
15週 期末試験 第10週~第14週の内容の理解度を評価する。
16週 期末試験返却・解説・授業アンケート 期末試験の内容について正しく理解する。
授業アンケートに回答する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)運用天球図に表記されている用語を説明できる。4
水平面図及び赤道面図、子午線面図の違いを説明できる。4
地方視時とグリニッジ視時、地方平時と世界時を相互に変換できる。4前2
クロノメーター示時より世界時を求めることができる。4前2
任意の地点における時刻改正量を計算で求めることができる。4前3
天測歴で任意の時間のdとEの値を求めることができる。4
視時と平時を相互に換算することができる。4
天体の時角を求めることができる。4
任意の地における常用日出没時及び常用月出没を求めることができる。4前1,前2
天測に最適な薄明時間を求めることができる。4
出没方位角法、時辰方位角法、北極星方位角法の特徴を説明できる。4前4
天体によって適切な計算方法を選択でき、ジャイロ誤差を計算できる。4前1,前4
天体の計算高度を求め、修正差及び方位角を計算できる。4前10
位置決定図により船位を求めることができる。4前12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000030100
基礎的能力3500001550
専門的能力3500001550
分野横断的能力0000000