到達目標
天気図、気象衛星・気象レーダ・アメダスの観測データが読解でき、2〜3日後までの具体的な、数日先までの概略的な天気予測を行えることを目標とする。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 天気図、気象衛星・気象レーダ・アメダスの観測データが読解でき,詳しく説明できる. | 天気図、気象衛星・気象レーダ・アメダスの観測データが読解できる. | 天気図、気象衛星・気象レーダ・アメダスの観測データが読解できない. |
評価項目2 | 2〜3日後までの具体的な、数日先までの概略的な天気予測を行える. | 数日先までの概略的な天気予測を行える. | 数日先までの概略的な天気予測を行えない. |
評価項目3 | | | |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
現代においても、船舶運航において迅速に気象情報を取り入れ、これを基に的確な判断をすることは、船長、航海士の重要な職務である。また、当然のことながら一般社会生活、または種々の産業においても、的確な気象情報の把握は重要事項である。現在、気象学は数学、物理、化学がベースとなる理論体系が、ほぼ確立されているが、現場の経験と勘に頼る場面も多い。本講義では、基本的な理論体系と、これに絡む多くの実例を挙げながら、実務に役立つ気象学の理解を目指す。
*実務との関係
この科目は大学の研究所および水産系の研究所・現業機関において、大気と同様に地球流体である海洋の運動および大気と海洋の相互作用の研究についての研究を行っていた教員が、その経験を活かし、大気および海洋の物理や観測の活用法について授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義及び演習
注意点:
航海概論、海洋科学概論と関連する.
3級海技士養成施設教育科目との対応
(1)気象要素(第2,3,4,5,7,9,10,13,14,24回の講義で対応)
(2)各種天気系の特徴(第3,6,8,11,15,25,26,27,30回の講義で対応)
(3)地上天気図の見方及び局地的な天気の予測(第2,8,11,15,22,26,28,29回の講義で対応)
(4)高層天気図の見方(第14,19,22回の講義で対応)
(5)暴風雨の中心及び危険区域の回避(第16,17,19回の講義で対応)
(6)気象観測並びに観測上の通報手順及び記録方式に関する知識(第
12,13,18,19,20,21,23回の講義で対応)
評価が60点に満たないものは,願い出により追認試験を受けることが出来る.追認試験の結果,単位の修得が認められた者にあっては,その評価を60点とする.評価方法および評価基準は本試験と同じとする.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
序論 |
シラバスの説明、船舶運航における海洋気象の意義と実際、講義内容の進め方について理解する.
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2週 |
天気図の見方 |
地上天気図の基本的な見方を修得する
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3週 |
温帯低気圧の構造 |
春先に日本列島を多く通過していく、温帯低気圧の仕組みと、これに伴う気象変化を理解する
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4週 |
大気の鉛直構造 |
地上の気象現象の基礎となる、大気の鉛直構造と、ここに係る太陽放射の影響について理解する.
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5週 |
空気塊の断熱変化 |
熱力学の第一法則、気体の状態方程式を用いた空気塊の断熱変化の理論について理解する.
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6週 |
フェーン現象 |
水蒸気を含んだ空気塊の乾燥及び湿潤断熱変化の実例について理解する
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7週 |
気圧の静力学平衡 |
静力学平衡による気圧の高度変化の理論と気圧観測値の海面構成について理解する
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8週 |
中間試験 |
これまでの内容についての理解度を測る.
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2ndQ |
9週 |
大気の大循環 |
太陽放射と地球自転に起因する地球規模の大気の大循環について理解する
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10週 |
ジェット気流の構造と効果 |
大気の循環に伴って発生するジェット気流(偏西風)の性質と日本の気象への影響について理解する.
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11週 |
高気圧と低気圧の発生と気象現象 |
各種の高気圧と低気圧の発生メカニズムと性質について理解する.
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12週 |
船舶における気象観測船 |
船舶における気象観測の法的位置付けと実際について理解する.
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13週 |
風のメカニズムと観測方法 |
風が発生する要因と実際、風向・風速の観測方法について理解する.
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14週 |
地衡風、傾度風、地上風の発生メカニズム |
地衡風、傾度風、地上風のベクトル解析による理論と実際について理解する.
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15週 |
季節風、局地風の発生と実際 |
季節風、局地風の発生と実際季節風と局地風(海風と陸風、山風と谷風等)の発生メカニズムと実際の状況について理解する.
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16週 |
期末試験 |
これまでの内容についての理解度を測る.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス・アースサイエンス | ライフサイエンス・アースサイエンス | 大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 | 2 | 前4,前5,前6,前7 |
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。 | 2 | 前4,前5,前6,前9 |
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。 | 2 | 前9,前10 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 商船系分野(航海) | 海洋気象 | 大気圏の構造と組成を説明できる。 | 4 | 前4,前5,前6,前7 |
気圧、気温、及び湿度の定義と説明ができる。 | 2 | 前4,前7 |
風について、その発生原因を説明できる。 | 2 | 前13,前14 |
大気の安定・不安定状態の違いを説明できる。 | 2 | 前5,前6 |
風の発生要因について説明できる。 | 1 | 前13,前15 |
地衡風と傾度風について説明できる。 | 1 | 前13,前14 |
中緯度地方などの第1次の大気循環及び季節風などの第2次の大気循環を説明できる。 | 4 | 前9,前15 |
日本付近の気団を説明できる。 | 4 | 前3,前11 |
前線の発生と消滅・前線の種類を説明できる。 | 4 | 前3,前10 |
前線の移動・温帯低気圧の発生機構を説明できる。 | 4 | 前3,前10 |
高気圧について、温暖型と寒冷型の違いを説明できる。 | 2 | 前11 |
高層天気図を利用価値を説明できる。 | 2 | 前2,前12 |
日本付近の天気図の型を数種類、説明できる | 2 | 前2,前11 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 80 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 100 |
基礎的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 50 |
専門的能力 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |