蒸気原動機工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 蒸気原動機工学Ⅱ
科目番号 0226 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 蒸気タービン要論、手製資料
担当教員 松村 茂実

到達目標

舶用推進プラントあるいは陸上での発電プラントとして採用される、蒸気タービンプラントに関する知識・技術を習得することを目的とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
蒸気に関する熱力学を理解し、簡単な諸計算を理解する講義内容を十分に理解している講義内容をおおむね理解している講義内容が理解できていない
蒸気タービンの構造,基礎及びプラントを理解講義内容を十分に理解している講義内容をおおむね理解している講義内容が理解できていない
蒸気タービンサイクルの理解講義内容を十分に理解している講義内容をおおむね理解している講義内容が理解できていない
蒸気タービンの改良サイクルを理解講義内容を十分に理解している講義内容をおおむね理解している講義内容が理解できていない
蒸気表の使い方を理解する講義内容を十分に理解している講義内容をおおむね理解している講義内容が理解できていない

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
蒸気タービンプラントに関する基礎知識及び実務的技術を理解し、舶用推進プラントや陸上発電プラントの運転管理ができる能力を養う。3級海技士(機関)に出題される程度の基礎知識の習得はもとより、1・2級海技士(機関)の国家試験合格を目指す。エネルギー管理士(熱分野)資格の熱と流体の流れの基礎及び熱利用設備及びその管理に関する事項を習得する。
一級海技士(機関)免状を所有し、外航海運会社の機関として機関管理、船舶管理などの実務経験を有する。LNG船の乗船で蒸気タービンプラントの運転管理の実務経験を活かし、蒸気タービンプラントに関して理論を含めて講義形式で授業を行う。
授業の進め方・方法:
手製資料を主、テキストを副として解説する。
注意点:
配布資料は全て毎回持参し講義メモを取ること。
本科目では、60点以上の評価で単位を認定する。
評価が60点に満たないものは、願い出により追認試験を受けることが出来る。追認試験の結果、単位の修得が認められた者にあっては、その評価を60点とする。

【履修上の注意等】 1 機関に関する科目(その一)
【備考】 一 出力装置
作動原理
(1)出力装置(蒸気タービン,ガスタービン,ボイラ及びこれらの付属装置を含む.)の全体の構成及び作動
(2)出力装置(蒸気タービン,ガスタービン,ボイラ及びこれらの付属装置を含む.)の各構成部の形状,材質及び作動
(9)蒸気タービンのノズル及び翼における蒸気の作用及びグランド蒸気の作用
(10)各種ボイラの特徴及び比較
(11)ボイラ水の性状
(12)ボイラの性能(蒸発率及びボイラ効率)
(13)ボイラにおける燃料の燃焼
運転及び保守
(1)出力装置(蒸気タービン,ガスタービン,ボイラ及びこれらの付属装置を含む.)の運転準備,試運転,操縦,出力調整,運転中の作業,運転中の注意及び運転停止
(2)ボイラの点火,気醸,送気,給水,使用中の作業,使用中の注意及び休止
(3)出力装置(蒸気タービン,ガスタービン,ボイラ及びこれらの付属装置を含む.)の開放,清掃,検査,計測,試験,修理,調整及び復旧
(4)ボイラの給水,ボイラ水の処理及びボイラ清浄剤の使用法
(5)ボイラ付属装置の使用法

故障の探知,故障箇所の発見及び損傷の防止
出力装置(蒸気タービン,ガスタービン,ボイラ及びこれらの付属装置を含む.)の損傷,腐食その他の故障及び異常現象についての模様,原因,処置及び防止

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス シラバスと授業の進め方及び成績評価の説明
2週 蒸気タービンプラントの概要 プラント構成部分と作動、作動流体の循環を理解し説明できる
3週 蒸気タービンプラントの概要 蒸気タービンの分類、基本形式、衝動タービンと反動タービンの比較を理解し説明できる
4週 ノズル内及び羽根内における蒸気の流動 ノズル内の蒸気の流動及び羽根内の蒸気の流動を理解し説明できる
5週 ノズル内及び羽根内における蒸気の流動 ノズル内の蒸気の流動及び羽根内の蒸気の流動を理解し説明できる
6週 蒸気タービンの諸損失 損失の原因、内部損失および外部損失を理解し説明できる
7週 蒸気タービンの諸効率と性能 各部効率及びプラント効率、性能を表す事項を理解し説明できる
8週 蒸気タービン各部の構造と作用① 各部の名称、構造及び作用を理解し説明できる
2ndQ
9週 蒸気タービン各部の構造と作用② 各部の名称、構造及び作用を理解し説明できる
10週 復水装置 各部の名称、構造及び作用を理解し説明できる
11週 減速装置 各部の名称、構造及び作用を理解し説明できる
12週 蒸気タービンに関する演習 ノズル内における蒸気の流動に関する計算を理解し説明できる
13週 蒸気タービンに関する演習 タービン内における蒸気の流動に関する計算を理解し説明できる
14週 蒸気タービンに関する演習 演習を復習し、理解度を深める
15週 期末試験 第1週から第14週の内容の理解度を評価する。
16週 期末試験のフィードバック

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)蒸気工学蒸気タービンの種類、構成要素および作動原理について、説明できる。4
ノズル、羽根、ロータ、気密装置、車室などの各部の構造および作用について説明できる。4
タービン内部で発生する諸因子(臨界圧力、超過膨張、不足膨張など)について説明できる。4
タービン内部を通過する蒸気の断熱膨張とそれによる熱落差について説明できる。4
回転羽根内部で発生する諸速度について認識し、速度線図(速度三角形)を描くことができる。4
蒸気タービンで発生する内部損失および外部損失の種類および特徴について説明できる。4
ランキンサイクル、再生サイクル、再熱サイクル、再熱再生サイクルの特徴について説明できる。4
蒸気タービンに関する諸性能(熱効率、蒸気消費量、熱消費率など)について認識し、計算ができる。4
タービン関連装置の種類、構造および作用について説明できる。4
蒸気タービンの操縦制御について説明できる。4
蒸気タービンおよび関連装置を取り扱うに当たっての基本的な注意点について説明できる。4
蒸気タービンおよび関連装置の開放および検査について説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力100000010
専門的能力800000080
分野横断的能力100000010