海洋気象論Ⅱ

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 海洋気象論Ⅱ
科目番号 0236 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 5
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 白木正規:「新百万人の天気教室」,成山堂書店
担当教員 福留 研一

到達目標

熱帯低気圧および積乱雲の発達に関連して、天気図、気象衛星・気象レーダ・アメダスの観測データが読解でき、2~3日後までの具体的な、数日先までの概略的な天気予測を行えることを目標とする。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1熱帯低気圧および積乱雲の発達に関連する天気図、気象衛星・気象レーダ・アメダスの観測データを自ら入手し、読解できる.熱帯低気圧および積乱雲の発達に関連する天気図、気象衛星・気象レーダ・アメダスの観測データが読解できる.熱帯低気圧および積乱雲の発達に関連する天気図、気象衛星・気象レーダ・アメダスの観測データが読解できない.
評価項目2熱帯低気圧に関して、2~3日後までの具体的な、数日先までの概略的な天気予測を行える.熱帯低気圧に関して、2~3日後までの具体的な天気予測を行える.熱帯低気圧に関して、2~3日後までの具体的な天気予測を行えない.
評価項目3

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
船舶運航において迅速に気象情報を取り入れ、これを基に的確な判断をすることは、船長、航海士の重要な職務である。また、当然のことながら一般社会生活、または種々の産業においても、的確な気象情報の把握は重要事項である。現在、気象学は数学、物理、化学がベースとなる理論体系が、ほぼ確立されているが、現場の経験と勘に頼る場面も多い。本講義では主に熱帯低気圧を中心とし、基本的な理論体系と、これに絡む多くの実例を挙げながら、実務に役立つ気象学の理解を目指す。

*実務との関係
この科目は大学の研究所および水産系の研究所・現業機関において、大気と同様に地球流体である海洋の運動および、大気と海洋の相互作用の研究についての研究を行っていた教員が、その経験を活かし、大気および海洋の物理や観測の活用法について授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
講義及び演習
注意点:
航海概論、海洋気象論I、海洋科学概論と関連する。
3級海技士養成施設教育科目との対応
(1)気象要素(第2,3,4,5,7,9,10,13,14,24回の講義で対応)
(2)各種天気系の特徴(第3,6,8,11,15,25,26,27,30回の講義で対応)
(3)地上天気図の見方及び局地的な天気の予測(第2,8,11,15,22,26,28,29回の講義で対応)
(4)高層天気図の見方(第14,19,22回の講義で対応)
(5)暴風雨の中心及び危険区域の回避(第16,17,19回の講義で対応)
(6)気象観測並びに観測上の通報手順及び記録方式に関する知識(第12,13,18,19,20,21,23回の講義で対応)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス シラバスの説明を理解、海洋気象論Ⅰに関する演習問題を解いて復習する.
2週 台風の発生 台風が発生する条件と成長状況、代表的な進行ルートについて理解する.
3週 台風の構造と実際 台風の内部構造と強風のメカニズム、大きさや強さの定義方法について理解する.
4週 気象観測の近代化
①アメダスと気象レーダ
アメダスと気象レーダの観測事項と実際の仕組みについて理解する.
5週 気象観測の近代化
②高層気象観測と高層天気図
高層気象の観測方法の実際と、この成果である高層天気図の見方について理解する.
6週 気象観測の近代化
③気象衛星画像の種類と、その利用実例
気象衛星による観測画像(赤外、可視、水蒸気)の性質と、実際状における利用方法について理解する.
7週 インターネットで取得できる気象情報 インターネットで簡易に取得できる気象情報(地上及び高層天気図、各システムの観測データ等)の紹介について理解する.
8週 天気図の見方、書き方 これまでの学習成果を基にした、地上及び高層天気図の見方、書き方について理解する.
4thQ
9週 大気中の水蒸気と雲の発生 水蒸気を含んだ大気が上昇し雲を発生するまでの理論と実際について理解する.
10週 雲から雨、雪等の生成過程 前回学習した雲から、雨や雪等(あられ、ひょう、みぞれ等)が生成するまでの理論と実際について理解する.
11週 積乱雲の発生と付随現象 豪雨、落雷、竜巻等の現象を引き起こす積乱雲の発生メカニズムと実際について理解する.
12週 海象(波浪、潮汐、海流) 気象現象に関連する、海水の周期的な流動である波浪、潮汐、海流の発生と観測方法について理解する.
13週 日本の四季に伴う気象現象(春~夏) 見本天気図による、日本列島における春から夏の全般気象特性と顕著現象について理解する.
14週 日本の四季に伴う気象現象(秋~冬) 見本天気図による、日本列島における秋から冬の全般気象特性と顕著現象について理解する.
15週 期末試験 期末試験
16週 異常気象の実際 世界規模及び日本各地に起きている異常気象の実例について学び、防止方法の考察を行う.成績確認・授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学ライフサイエンス/アースサイエンスライフサイエンス/アースサイエンス大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。3後4,後5
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。3後6
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。3後5,後6
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(航海)海洋気象大気圏の構造と組成を説明できる。4後5,後6
気圧、気温、及び湿度の定義と説明ができる。4後4
風について、その発生原因を説明できる。4後2,後3
大気の安定・不安定状態の違いを説明できる。4後9,後10,後11
風の発生要因について説明できる。4後2,後3
地衡風と傾度風について説明できる。4後2,後3
熱帯低気圧の発達、危険区域の回避及び日本近海の熱帯低気圧の動きをを説明できる。4後2,後3,後6,後9,後10,後11
高気圧について、温暖型と寒冷型の違いを説明できる。4後13,後14
高層天気図を利用価値を説明できる。4後4,後5,後7,後8,後11
日本付近の天気図の型を数種類、説明できる4後13,後14,後16
海の波の種類について、周期によりその特性が異なることを説明できる。4後12

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合60000040100
基礎的能力2000003050
専門的能力4000001050
分野横断的能力0000000