機関実務

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 機関実務
科目番号 0245 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 商船学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 自製テキスト、機関科提要(海文堂)
担当教員 松村 茂実

到達目標

1. 舶用機関の初歩知識(配管図の読み方、諸機器の役割等)を理解し説明できる。
2.機関運転時の緊急対応(主機関の危急停止、電源の喪失、機側操縦等)が理解され、緊急時に行動がとれること。
3.環境汚染や安全運転に関する新たなルールと対応について理解する。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
弁(バルブ)の種類・構造及び用途を説明できる。配管図や機器の図弁(バルブ)の種類・構造及び用途を説明できる。弁(バルブ)の種類・構造及び用途を概ね説明できる。弁(バルブ)の種類・構造及び用途を説明できない。
評価項目2緊急時の対応が良く理解され、即、行動できる。緊急時の対応は理解されているが、行動に移せない。緊急時の対応が理解されず、行動ができない。
評価項目3最近の環境汚染や安全対策に対する世界の動きをよく理解し、船舶職員として十分な対応をとることができる。概ね、最近のルール改定や考え方を理解できているが、どのような対応をするかに至っていない。新しいルールや世間の動きについて理解できていない。
蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、説明できる。蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、説明できる。蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、概ね説明できる。蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、説明できない。
蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について説明できる。蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について説明できる。蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について概ねセ梅井出来る。蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について説明できない。
タービン関連装置の種類、構造および作用について説明できる。 タービン関連装置の種類、構造および作用について説明できる。 タービン関連装置の種類、構造および作用について概ね説明できる。 タービン関連装置の種類、構造および作用について説明できない。
蒸気タービンの操縦制御について説明できる。蒸気タービンの操縦制御について説明できる。蒸気タービンの操縦制御について概ね説明できる。蒸気タービンの操縦制御について説明できない。
ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。ボイラの種類および構造、ならびに特徴について概ね説明できる。ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できない。
ボイラに付属している各種関連機器の構造と作用について認識し、取り扱うことができる。ボイラに付属している各種関連機器の構造と作用について認識し、取り扱うことができる。ボイラに付属している各種関連機器の構造と作用について認識し、略取り扱うことができる。ボイラに付属している各種関連機器の構造と作用について認識し、取り扱うことができない。
推進器および船尾管の種類および構造について認識し、その特徴について説明できる。推進器および船尾管の種類および構造について認識し、その特徴について説明できる。推進器および船尾管の種類および構造について認識し、その特徴について概ね説明できる。推進器および船尾管の種類および構造について認識し、その特徴について説明できない。
燃料油、潤滑油、冷却清水、冷却海水等各系統の流体の流れを説明できる。 燃料油、潤滑油、冷却清水、冷却海水等各系統の流体の流れを説明できる。 燃料油、潤滑油、冷却清水、冷却海水等各系統の流体の流れを概ね説明できる。 燃料油、潤滑油、冷却清水、冷却海水等各系統の流体の流れを説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
舶用機関の全般知識を習得すると伴に機関運転時の緊急対応がとれること。又、最近の環境汚染や船舶の安全運航・効率運転について知識を深め船舶職員としてどのようなことに対応しなければならないかを考え、身に着ける。
授業の進め方・方法:
1.船舶職員として機器の図面・配管図等の熟読は必要不可欠のものであり、これらを理解するための基礎的な知識を学習する。
2.主要推進機関として船舶に搭載されているディーゼル機関、タービン機関の種類・特徴・運転上の特質を理解する。又、緊急時にどのような対応取り扱い上必要か理解する。
3.燃料油・潤滑油の特性と用途等を知識として身に着ける。
4.環境汚染について船舶はどのような対応をとっているか、又、今後の取り組みはどのような流れになっているか理解する。
5.船舶の主機関としては数は少ないが、LHG船では未だに、その信頼性より多用されているタービンプラントについて付属設備も含めて理解する。
6.補器類特にポンプについて種類・特徴・取り扱いについて理解する。
7.プロペラ軸・プロペラの特徴や発生しうる問題について理解する。
注意点:

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 シラバスの説明
配管の種類と付属設備(1)
船内の配管について配管図を参考にその種類、記号、用途等を理解する。
2週 配管の種類と付属設備(2) 配管の材料、付属弁の種類、弁の規格等を理解し適切に使うことができる。
3週 主機関の種類と構造(1) 主機関の種類や構造を学び、船舶の用途・運航範囲により適切な主機関が使われていることを理解する。
4週 主機関の種類と構造(2) 内燃機関であるディーゼル機関と双璧をなす蒸気タービンについて、その種類と構造・特徴を理解する。
5週 舶用燃料油 燃料油が原油より精製される過程を知ることにより、その特質を学び使用時の注意点、貯蔵時の注意点、清浄方法等を理解する。
6週 舶用潤滑油 潤滑油の種類と用途を学び、適材適所に適切な潤滑を使用する。又、それらの管理の在り方を理解する。
7週 海洋汚染及び海上災害(1) 海洋汚染及び海上災害に関し、現状の法規制より見た廃棄物・排出規制の概要
8週 海洋汚染及び海上在外(2) 機関室で発生するビルジの処理方法の概要、汚水処理の方法について理解する。
2ndQ
9週 舶用蒸気タービン(1) タービンプラント全般の理解と諸機器の概要・役割を理解する。
10週 舶用蒸気タービン(2) 蒸気タービンのトラブルとして最も多い軸封装置の構造を理解し発生する問題に対応できる。
11週 舶用ボイラー ボイラーの構造や付属機器(EGE,FDF,空気予熱器等の役割を理解する。
12週 補器類(1) ポンプの種類(容積型、非容積型、特殊ポンプ)の構造を理解する。
13週 補器類(2) 甲板機械、造水器、空調機等の概要を理解する。
14週 推移軸、プロペラー
(スリップ、鳴動、キャビテーション等)
推進軸系の名称・種類・軸封装置を役割を理解する。
プロペラの種類と性能を理解し、操船上の注意点を理解する。
15週 期末試験、成績確認 期末試験、成績確認並びに授業評価
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学商船系分野(機関)蒸気工学蒸気動力プラントを構成する要素とそれぞれの機能について、説明できる。2前9
蒸気動力プラント内部を流動する作動流体の循環について説明できる。2前9
蒸気タービンの種類、構成要素および作動原理について、説明できる。2
タービン関連装置の種類、構造および作用について説明できる。2前10
蒸気タービンの操縦制御について説明できる。2前10
伝熱工学ボイラの種類および構造、ならびに特徴について説明できる。3前11
ボイラに付属している各種関連機器の構造と作用について認識し、取り扱うことができる。3前11
船舶基礎工学推進器および船尾管の種類および構造について認識し、その特徴について説明できる。2前14
分野別の工学実験・実習能力商船系分野(機関)【実験・実習能力】校内練習船実習弁(バルブ)の種類・構造及び用途を説明できる。2前1,前2
燃料油、潤滑油、冷却清水、冷却海水等各系統の流体の流れを説明できる。2前1,前2

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80002000100
基礎的能力0000000
専門的能力80002000100
分野横断的能力0000000