複合材料工学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 複合材料工学
科目番号 0046 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 エコデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 高廣 政彦

到達目標

1.複合材料の系統的な分類ができ、繊維強化複合材料の性質を説明することができる。
2.テンソル量を用いた力学特性の定量的な解析ができる
3.任意のテンソル量の座標変換法則を駆使できる.
4.複合則を用いた繊維強化複合材料の弾性率計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1繊維形複合材料の分類、加工方法に関する特徴を粒子分散形複合材料と比較して説明することができる。代表的な複合材料とその特性、用途に関して説明できる複合材料の定義に関して説明できない
評価項目2与えられた状態から応力テンソル、歪テンソルならびに弾性率テンソルを求めることができ、座標変換により任意の方向における物性値を計算できる与えられた状態から応力テンソル、歪テンソルならびに弾性率テンソルを求めることができる。応力、歪と力、変位、面積の関係を導くことができない。
評価項目3直交座標系における座標変換により、任意の方向におけるテンソル量の変換ができる。2つの直交座標系における座標変換行列を求めることができる。2つの直交座標系における座標変換行列を求めることができない。
評価項目4複合則を用いた多方向繊維強化複合材料の弾性率計算ができる。複合則を用いた一軸方向繊維強化複合材料の弾性率計算ができる。単純な複合モデルの弾性率を複合則を用いて計算できない

学科の到達目標項目との関係

学習・教育到達度目標 A-6 説明 閉じる
JABEE 1(2)(d)(1) 説明 閉じる
JABEE 1(2)(e) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
炭素繊維、ガラス繊維を強化材として用いたプラスチック系複合材料(FRP)の製造法、力学特性並びにその用途に関して説明する.また,材料の力学的性質における異方性を定量的に論ずる必要があるため,テンソル量を導入し,テンソルを用いた力学的に異方性を示す材料の弾性的性質の解析法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義ならびに問題演習
注意点:
学科4年次に履修した材料力学に関してよく復習しておくこと.また,複合材料工学では、異方性について定量的に論ずるため、テンソル量を取り扱う。したがって線形代数の基礎知識は必要不可欠である。特に固有値、固有ベクトルに関してよく復習しておくこと.授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複合材料の定義と種類 複合材料とは何かを説明すると共に,その種類について解説する.
2週 複合材料の製造法(1)繊維強化複合材料 繊維強化複合材料の製造法と用途について解説する.
3週 複合材料の製造法(2)粒子分散系複合材料 粒子分散系複合材料の製造法と用途について解説する.
4週 力学特性と複合則 応力,歪がどのような物理量かを説明し,その複合法則を解説する.
5週 ベクトル,テンソル量と座標変換(1) ベクトルについて復習すると共に,テンソル量を定義し,その座標変換法則について演習を交えながら解説する.
6週 ベクトル,テンソル量と座標変換(2) 同上
7週 直交異方性と応力、歪テンソル 応力,歪が2階のテンソル量であることを示し,その表現法を述べる.
8週 弾性率と弾性コンプライアンス 4階のテンソル量(弾性率,コンプライアンス)の変換則について述べる.
2ndQ
9週 1軸配向繊維複合材料の力学特性と異方性 複合化された1軸配向FRPの力学特性と異方性について述べる.
10週 積層板の力学特性 積層板の力学特性と異方性について述べる.
11週 織物強化複合材料の力学特性と異方性 織物強化複合材料の力学特性と異方性について述べる.
12週 短繊維ランダム配向複合材の力学特性 繊維ランダム配向複合材の力学的性質と特徴を解説する.
13週 複合材料の破壊力学 複合材料の破壊が発生する条件並びに破壊の防止策について解説する.
14週 問題演習 テンソル算等の具体的な演習を行う.
15週 期末試験
16週 期末テストの解答、アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4前4
専門的能力分野別の専門工学材料系分野無機材料セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。3前1
複合材料複合材料の発展や分類について説明できる。4前2
複合材料の機械的強度や複合則について説明できる。4前4
界面のぬれの観点から、複合化しやすいものと複合化しにくいものを区別できる。4前2
強化形態ごとに主要な製造法を説明できる。4前3
強さの複合則、比強度、比剛性の観点から、複合化するメリットを説明できる。4前4
直交異方性の複合材料の弾性定数について理解できる。4前2,前5
強化材を分類でき、強化機構について説明できる。4前2
ガラス繊維、炭素繊維の製造法を説明できる。4前2
炭素/ガラス繊維強化プラスチックの使用における問題点を損傷の評価の観点から応用できる。4前2
繊維強化プラスチックの成形法を説明できる。4前2
材料組織弾性変形の変形様式の特徴、フックの法則について説明できる。4前4
力学荷重と応力、変形とひずみの関係について理解できる。4前4
応力-ひずみ曲線について説明できる。4前4
フックの法則を用いて、縦弾性係数(ヤング率)、応力およびひずみを計算できる。4前4
荷重の方向、性質と物体の変形様式との関係について説明できる。4前5
引張、圧縮応力(垂直応力)とひずみ、物体の変形量を計算できる。4前5
縦ひずみと横ひずみを理解し、ポアソン比およびポアソン数を説明できる。4前5
せん断応力(接面応力)とせん断ひずみ(せん断角)を計算できる。4前5
ひずみエネルギーを説明できる。3前13
垂直応力、垂直ひずみ、縦弾性係数を用いてひずみエネルギーを計算できる。3前13

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力0000000
専門的能力800000080
分野横断的能力200000020