概要:
炭素繊維、ガラス繊維を強化材として用いたプラスチック系複合材料(FRP)の製造法、力学特性並びにその用途に関して説明する.また,材料の力学的性質における異方性を定量的に論ずる必要があるため,テンソル量を導入し,テンソルを用いた力学的に異方性を示す材料の弾性的性質の解析法について学ぶ.
授業の進め方・方法:
講義ならびに問題演習
注意点:
学科4年次に履修した材料力学に関してよく復習しておくこと.また,複合材料工学では、異方性について定量的に論ずるため、テンソル量を取り扱う。したがって線形代数の基礎知識は必要不可欠である。特に固有値、固有ベクトルに関してよく復習しておくこと.授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
複合材料の定義と種類 |
複合材料とは何かを説明すると共に,その種類について解説する.
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2週 |
複合材料の製造法(1)繊維強化複合材料 |
繊維強化複合材料の製造法と用途について解説する.
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3週 |
複合材料の製造法(2)粒子分散系複合材料 |
粒子分散系複合材料の製造法と用途について解説する.
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4週 |
力学特性と複合則 |
応力,歪がどのような物理量かを説明し,その複合法則を解説する.
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5週 |
ベクトル,テンソル量と座標変換(1) |
ベクトルについて復習すると共に,テンソル量を定義し,その座標変換法則について演習を交えながら解説する.
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6週 |
ベクトル,テンソル量と座標変換(2) |
同上
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7週 |
直交異方性と応力、歪テンソル |
応力,歪が2階のテンソル量であることを示し,その表現法を述べる.
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8週 |
弾性率と弾性コンプライアンス |
4階のテンソル量(弾性率,コンプライアンス)の変換則について述べる.
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2ndQ |
9週 |
1軸配向繊維複合材料の力学特性と異方性 |
複合化された1軸配向FRPの力学特性と異方性について述べる.
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10週 |
積層板の力学特性 |
積層板の力学特性と異方性について述べる.
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11週 |
織物強化複合材料の力学特性と異方性 |
織物強化複合材料の力学特性と異方性について述べる.
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12週 |
短繊維ランダム配向複合材の力学特性 |
繊維ランダム配向複合材の力学的性質と特徴を解説する.
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13週 |
複合材料の破壊力学 |
複合材料の破壊が発生する条件並びに破壊の防止策について解説する.
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14週 |
問題演習 |
テンソル算等の具体的な演習を行う.
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
期末テストの解答、アンケート |
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | 物理 | 力学 | フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。 | 4 | 前4 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 材料系分野 | 無機材料 | セラミックス、金属材料、炭素材料、複合材料等、無機材料の用途・製法・構造等について説明できる。 | 3 | 前1 |
複合材料 | 複合材料の発展や分類について説明できる。 | 4 | 前2 |
複合材料の機械的強度や複合則について説明できる。 | 4 | 前4 |
界面のぬれの観点から、複合化しやすいものと複合化しにくいものを区別できる。 | 4 | 前2 |
強化形態ごとに主要な製造法を説明できる。 | 4 | 前3 |
強さの複合則、比強度、比剛性の観点から、複合化するメリットを説明できる。 | 4 | 前4 |
直交異方性の複合材料の弾性定数について理解できる。 | 4 | 前2,前5 |
強化材を分類でき、強化機構について説明できる。 | 4 | 前2 |
ガラス繊維、炭素繊維の製造法を説明できる。 | 4 | 前2 |
炭素/ガラス繊維強化プラスチックの使用における問題点を損傷の評価の観点から応用できる。 | 4 | 前2 |
繊維強化プラスチックの成形法を説明できる。 | 4 | 前2 |
材料組織 | 弾性変形の変形様式の特徴、フックの法則について説明できる。 | 4 | 前4 |
力学 | 荷重と応力、変形とひずみの関係について理解できる。 | 4 | 前4 |
応力-ひずみ曲線について説明できる。 | 4 | 前4 |
フックの法則を用いて、縦弾性係数(ヤング率)、応力およびひずみを計算できる。 | 4 | 前4 |
荷重の方向、性質と物体の変形様式との関係について説明できる。 | 4 | 前5 |
引張、圧縮応力(垂直応力)とひずみ、物体の変形量を計算できる。 | 4 | 前5 |
縦ひずみと横ひずみを理解し、ポアソン比およびポアソン数を説明できる。 | 4 | 前5 |
せん断応力(接面応力)とせん断ひずみ(せん断角)を計算できる。 | 4 | 前5 |
ひずみエネルギーを説明できる。 | 3 | 前13 |
垂直応力、垂直ひずみ、縦弾性係数を用いてひずみエネルギーを計算できる。 | 3 | 前13 |