複合材料工学

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 平成27年度 (2015年度)
授業科目 複合材料工学
科目番号 0025 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 エコデザイン工学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 配布プリント
担当教員 高廣 政彦

到達目標

材料の力学的性質における異方性を定量的に論ずる能力を養う。そのためテンソル量を導入し,その座標変換法則を駆使できる能力を身につける.
炭素繊維、ガラス繊維を強化材として用いたプラスチック系複合材料(FRP)の製造法、力学特性並びにその用途に関して説明する.また,材料の力学的性質における異方性を定量的に論ずる必要があるため,テンソル量を導入し,その座標変換法則を駆使できる能力を養う.
1.複合材料の種類、性質およびその用途に関して系統的に理解することができる
2.応力、歪、弾性率をテンソル量として表現でき、任意の方向におけるテンソル量を座標変換により求めることができる。
3.FRPや粒子分散型複合材料の弾性率を線形加成性を仮定した条件で定量的に求めることができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1粒子分散型および繊維型複合材料の特性、用途を系統的に分類することができる。複合材料の定義に関してその概要を説明することができる。複合材料とその他の材料の相違を説明できない。
評価項目2直交座標系における座標変換行列を用いて応力、歪ならびに弾性率テンソルの変換に関する計算ができる。直交座標系における応力、歪において主応力、主歪の値を求めることができる。直交座標系における座標変換行列を求めることができない。
評価項目3FRPにおいて強化繊維の配向分布関数が与えられた場合の任意の方向の弾性率を複合則により求めることができる単純直列モデル、単純並列モデルと仮定したFRPの弾性率を複合則により求めることができる単純直列モデル、単純並列モデルと仮定したFRPの弾性率を複合則により計算できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
炭素繊維、ガラス繊維を強化材として用いたプラスチック系複合材料(FRP)の製造法、力学特性並びにその用途に関して説明する.
授業の進め方・方法:
複合材料工学では、異方性について定量的に論ずるため、テンソル量を取り扱う。したがって線形代数の基礎知識に関する復習を兼ねた演習も随時行う。
注意点:
特に固有値、固有ベクトルに関してよく復習しておくこと.授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 複合材料の定義と種類 複合材料とは何かを説明すると共に,その種類について系統的に説明できる
2週 複合材料の製造法(1)繊維強化複合材料 繊維強化複合材料の製造法と用途について説明できる
3週 複合材料の製造法(2)粒子分散系複合材料 粒子分散系複合材料の製造法と用途について系統的に説明できる
4週 力学特性と複合則 応力,歪が2階のテンソル量で表されることが理解でき、与えられた座標系において定量的に求められる
5週 ベクトル,テンソル量と座標変換(1) 座標変換法則に関して具体的な変換行列を求めることができる。
6週 ベクトル,テンソル量と座標変換(2) ベクトル、テンソルに関する座標変換を計算することができる
7週 直交異方性と応力、歪テンソル 応力,歪が2階のテンソル量であることが理解でき、かつ対称成分(純変形)と交代成分(純回転)に分けることができる
8週 弾性率と弾性コンプライアンス 弾性率および弾性コンプライアンステンソルが4階のテンソル量で定義されることが理解でき、これらの座標変換ができる
2ndQ
9週 1軸配向繊維複合材料の力学特性と異方性 複合化された1軸配向FRPの力学特性と異方性について計算できる
10週 積層板の力学特性 積層板の力学特性と異方性について説明することができる
11週 織物強化複合材料の力学特性と異方性 織物強化複合材料の力学特性と異方性について説明できる
12週 短繊維ランダム配向複合材の力学特性 短繊維ランダム配向複合材の力学的性質と特徴を説明できる
13週 複合材料の破壊力学 複合材料の破壊が発生する条件並びに破壊の防止策について説明できる
14週 期末テスト
15週 期末テストの解答、解説
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合10000000100
基礎的能力500000050
専門的能力300000030
分野横断的能力200000020