力学基礎

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 力学基礎
科目番号 0083 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 エコデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 力学(東京図書株式会社:エリ・デ・ランダウ、イェ・エム・リフシッツ著、広重徹、水戸巌訳:ISBN4-489-01160-1)
担当教員 豊嶋 剛司

到達目標

一般的な基礎力学について以下に挙げる項目を理解することを目標と定める
・運動方程式(最小作用の原理、相対性原理、慣性系、ラグランジアン)
・保存法則(エネルギー保存則、運動量保存則、角運動量保存則)
・場の概念(中心力場)
・粒子の衝突運動(静止・運動している粒子の崩壊と衝突、散乱過程における軌跡)
・振動(調和振動、減衰振動、非調和振動)
・剛体運動(慣性モーメント、対称こまの運動、オイラーの運動方程式)
・正準方程式(ハミルトン方程式、ラグランジュ方程式)
具体的には下記ルーブリックの各項目が到達目標になる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
運動方程式についてⅠ最小作用の原理、相対性原理について理解し、説明ができる最小作用の原理、相対性原理について記述ができる最小作用の原理、相対性原理について記述ができない
運動方程式についてⅡ質点系のラグランジアンの導出ができ、軌跡などの計算ができる質点系のラグランジアンの導出ができる質点系のラグランジアンの導出ができない
保存法則についてⅠエネルギー保存則と運動量保存則が成立する系の制約条件について説明ができるエネルギー保存則と運動量保存則が成立する系の制約条件について記述ができるエネルギー保存則と運動量保存則が成立する系の制約条件について記述ができない
保存法則についてⅡ慣性系と、角運動量保存則が成立するための制約条件について説明ができる慣性系と、角運動量保存則が成立するための制約条件について記述ができる慣性系と、角運動量保存則が成立するための制約条件について記述ができない
運動方程式の積分についてⅠ振動周期が成立する系におけるポテンシャルエネルギーの導出ができる振動周期が成立する系におけるポテンシャルエネルギーの記述ができる振動周期が成立する系におけるポテンシャルエネルギーの記述ができない
運動方程式の積分についてⅡ中心力場が働く系における運動について、運動エネルギーとポテンシャルエネルギーから軌跡を導出できる中心力場が働く系における運動について、運動エネルギーとポテンシャルエネルギーにより軌跡が場合分けされることを説明できる中心力場が働く系における運動について、運動エネルギーとポテンシャルエネルギーにより軌跡が場合分けされることを説明できない
粒子の衝突についてⅠ粒子が崩壊した際の軌跡や弾性衝突時の物理量保存法則を図で示し、計算ができる粒子が崩壊した際の軌跡や弾性衝突時の物理量の計算ができる粒子が崩壊した際の軌跡や弾性衝突時の物理量の計算ができない
粒子の衝突についてⅡ粒子の散乱過程における軌跡を計算し、説明ができる粒子の散乱過程における軌跡を計算できる粒子の散乱過程における軌跡を計算できない
微小振動についてⅠ調和振動における運動方程式を導出し、軌跡の計算ができる調和振動における運動方程式の記述と軌跡の計算ができる調和振動における運動方程式の記述ができない
微小振動についてⅡ調和振動に項を加えることで減衰振動や非調和振動が記述できることを理解し、運動方程式の導出と軌跡の計算ができる減衰振動や非調和振動の運動方程式を記述し、軌跡の計算ができる減衰振動や非調和振動の運動方程式を記述できない
剛体の運動についてⅠ慣性モーメントの導出ができ、回転運動の方程式を計算できる慣性モーメントの導出ができる慣性モーメントの導出ができない
剛体の運動についてⅡ対称こまの自由な回転運動におけるオイラーの運動方程式の導出ができる対称こまの自由な回転運動におけるオイラーの運動方程式の記述ができる対称こまの自由な回転運動におけるオイラーの運動方程式の記述ができない
正準方程式についてハミルトン方程式とラグランジュ方程式の違いが説明でき、ハミルトニアンとラグランジアンの間に成立する式の導出ができるハミルトン方程式とラグランジュ方程式の違いが説明できるハミルトン方程式とラグランジュ方程式の違いが説明できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
力学は物理学の分野において最も早く定式化された部門である。本講義においては理論物理と他の分野とを連携して執筆された教科書を元に、その基礎を学びとることを目的とする
授業の進め方・方法:
講義内容を振り返る演習や課題を通じて学生の理解度を適宜確認する
注意点:
提出課題の理解度(40%)と定期試験(60%)の割合で評価し、60点以上を合格とする.なお、学生の理解度と進捗に応じて授業内容を傾斜配分する場合がある

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
力学基礎を学ぶ上で必要な数学的知識の確認
2週 運動方程式Ⅰ
一般座標、最小作用の原理、相対性原理について
3週 運動方程式Ⅱ
質点系におけるラグランジアンについて
4週 保存法則Ⅰ
エネルギー保存則と運動量保存則について
5週 保存法則Ⅱ
慣性系と角運動量保存則について
6週 運動方程式の積分Ⅰ
振動周期によるポテンシャルエネルギーについて
7週 運動方程式の積分Ⅱ
中心力が働く場における運動について
8週 粒子の衝突Ⅰ
粒子の崩壊と弾性衝突について
4thQ
9週 粒子の衝突Ⅱ
粒子の散乱について
10週 微小振動Ⅰ
調和振動について
11週 微小振動Ⅱ
減衰振動、非調和振動について
12週 剛体の運動Ⅰ
剛体とその回転運動について
13週 剛体の運動Ⅱ
オイラーの運動方程式について
14週 正準方程式
ハミルトン方程式と正準変換について
15週 期末試験
16週 試験返却、解説、授業アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験課題レポート合計
総合評価割合4060100
基礎的能力204060
専門的能力202040