工学倫理

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 工学倫理
科目番号 0084 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 エコデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 【教科書】1) 「技術者による実践的工学倫理―先人の知恵と戦いから学ぶ」(2014/5)中村 収三 (著), 近畿化学協会工学倫理研究会 (著) 化学同人; 第3版/【関連図書】JABEE対応技術者倫理入門/小出泰士 丸善2012年版、2) WEBラーニングプラザ(JST)、ビジネスキャリア検定試験標準テキスト、など
担当教員 荒木 一雄

到達目標

1. 工学倫理の論点と基礎知識の理解
  ・技術士倫理規定と公益確保の考え方
  ・安全と安心、リスク管理の考え方など
2.倫理規定と法規、製造物責任・内部告発の意義と理解
3.知的財産権の重要性と特許戦略の理解
4.チームで仕事(TW)をするための能力
  ・身近な事故事例の検証における役割と実行能力

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1  工学倫理の論点と基礎知識の理解  ・技術士倫理規定と公益確保の考え方  ・安全と安心、リスク管理の考え方など工学倫理の論点と基礎知識の基本的な用語を正しく理解し、詳しく説明できる。工学倫理の論点と基礎知識の基本的な用語を説明できる。工学倫理の論点と基礎知識の基本的な用語を説明できない。
評価項目2 倫理規定と法規、製造物責任・内部告発の意義と理解 倫理規定と法規、製造物責任・内部告発などの意義について基本的な内容を正しく理解し、応用問題を解決することができる。倫理規定と法規、製造物責任・内部告発などの意義について基本的な内容を理解し、基本的な問題を解決することができる。倫理規定と法規、製造物責任・内部告発の意義について基本的な用語を説明できない。
評価項目3 知的財産権の重要性と特許戦略の理解 知的財産権の重要性と特許戦略などの意義について基本的な内容を正しく理解し、応用問題を解決することができる。知的財産権の重要性と特許戦略について基本的な用語を説明できる。知的財産権の重要性と特許戦略について基本的な用語を説明できない。
評価項目4 チームで仕事(TW)をするための能力  ・身近な事故事例の検証における役割と実行能力チームで仕事(TW)をするための能力について基本的な内容を正しく理解し、応用問題を解決することができる。チームで仕事(TW)をするための能力について基本的な用語を説明できる。チームで仕事(TW)をするための能力について基本的な用語を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
学習目標(授業のねらい)
1) 地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養、および、技術が社会や自然に及ぼす影響や効果、および技術者が社会に対して負っている責任に関する理解(JABEE技術者倫理の教育目標)
2) 産業技術の歴史的発展の経過や災害事例(失敗事例)とそれらに対応してきた先人の知恵を学ぶことにより、工学倫理の思考と実践力を培い、技術士補としての自覚を促す。
3) 「お客さまに喜ばれる」いいものを創りだし社会に貢献することが、プロのエンジニアの役割と考え、身近に遭遇する工学倫理的問題をチームで考えて仕事をすすめる能力を会得する。
授業の進め方・方法:
講義(40%): A(100%)、授業手法1 演習(15%): B(100%)、授業手法2 PBL(45%): C(100%)、授業手法6
学外協力者(発表会コメント)+技術室(小澤先生)
注意点:
注意点・工学倫理の考え方を身につけるため,過去の事故事例の検証から学ぶ。
   ・技術士1次試験の適性科目(工学倫理)の過去問から学ぶ。
   ・PBL学習として身近な事例を取り上げ“チームで仕事をするための能力“を養う。
   ・PBL学習の発表会では、外部(講師)の意見をいただくことも考える。
備 考 1)技術室(PBL学習担当)の協力でPBL学習によるチームでの学びを適用する。
    2)TW発表はパワーポイントで行う。(TW作業はパソコンが使える環境が必要)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 工学倫理をはじめるにあたって(1章)  教育目標と達成目標と技術士へのロードマップ (CSRと信用、法とモラルへのとびら)
事例:ものづくりと企業活動、CSRと信用、法とモラル
TWテーマ:なぜ今工学倫理なのか?
2週 技術者倫理と技術倫理(2章) 技術士1次試験適性科目の過去問の例題と回答1,2
(技術者に求められる素養)
 事例: ジェットコースター事故、交通事故、フォードピント事件
     軍事技術、論文ねつ造事件
TWテーマ:グループ分け準備
3週 技術者と倫理(3章) 技術士1次試験適性科目の過去問の例題と回答3,4
(ものづくりと品質、品質保証、品質改善)
  事例:トヨタ車リコール問題、クラフツマンシップ
TWテーマ:グループ分け(TW)
4週 専門職と組織人の倫理(4章) 技術士1次試験適性科目の過去問の例題と回答5,6
(集団の心理と集団愚行)
  事例:チャレンジャー事故、JCO臨界事故
TWテーマ:ステークホルダーの整理(TW)
5週 倫理問題への対応  (5章) 技術士1次試験適性科目の過去問の例題と回答7
(ハインリッヒの法則、公益通報者保護法)
  事例:三菱自動車リコール隠し、雪印乳業集団食中毒事件
TWテーマ:事前調査(TW)
6週 製造物責任(6章) 技術士1次試験適性科目の過去問の例題と回答8、9
(製造物責任)
  事例:家庭用カビとり剤、シティコープ・ビル
TWテーマ:事前調査(TW)
7週 事例から学ぶ
安全と工学倫理   (Ⅱ1章)
技術士1次試験適性科目の過去問の例題と回答10,11
(製造現場の安全、製品安全と安全規格)
事例: JR福知山脱線事故、六本木ヒルズ回転ドア事故
TWテーマ:中間発表
8週 事例から学ぶ
リスクの評価と工学倫理  (Ⅱ2章)
技術士1次試験適性科目の過去問の例題と回答12,13
(リスクへの対応とネジメント、個人情報、情報セキュリティ)
TWテーマ:中間発表
2ndQ
9週 環境・資源・エネルギーと工学倫理(Ⅱ3章) (資源・環境・エネルギー、低炭素化社会、未来に向けて)
(製造物責任法、公益通報者保護法、など)
TWテーマ:中間発表
10週 技術者と法規(Ⅱ4章)
知的財産権(Ⅱ5章)
技術士1次試験適性科目の過去問の例題と回答15
(コンプライアンスと倫理、規格と法規、道路運送車両法)
(知的財産と産業財産権、職務発明と相当の対価、他)
(具体的な災害・事故事例を取り上げ倫理的に考察する)
TWテーマ:中間発表
11週 TW発表会1
(プレゼンテーション)
・時事事例の検証と工学倫理面の論点整理
・公衆の健康・安全、環境など倫理的側面から問題点を調査分析し、プレゼンテーションする
・PBL学習でチームで仕事をするための能力育成
TWテーマ:TW発表会前半(合同)(外部講師招待)
12週 TW発表会2
(プレゼンテーション)
・時事事例の検証と工学倫理面の論点整理
・公衆の健康・安全、環境など倫理的側面から問題点を調査分析し、プレゼンテーションする
・PBL学習でチームで仕事をするための能力育成
TWテーマ:TW発表会後半(合同)(外部講師招待)
13週 論点整理
(TWで調べた論点および期末試験の論点などの整理)
14週 工学倫理試験                          ◎レポート提出 (技術士1次試験と適性科目相当での試験・評価)           TWテーマ:レポート提出[期限厳守]
15週 まとめ、アンケート (講義のまとめ、試験解答、レポート解説、参考資料、他)
16週 今後に向けて (Q&A、フリートーキング)

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験グループワークグループワーク検証レポート態度合計
総合評価割合30302515100
基礎的能力00000
専門的能力00000
分野横断的能力30302515100