物理化学特論

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 物理化学特論
科目番号 0109 科目区分 専門 / 選択
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 エコデザイン工学専攻 対象学年 専1
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配布資料をもちいる.
担当教員 山岸 正和

到達目標

材料の機能性につながる物性や現象の根源を微視的に理解し,論理的に考察できることを目的とする.ここで扱う現象等は限られているが,自身の研究や研究対象を例に微視的に説明することができることが望ましい.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1固体内で軌道がどのように存在しているか簡単に説明できる.量子数と原子軌道,分子軌道を簡単に説明できる.量子数と原子軌道,分子軌道を簡単に説明できない.
評価項目2分子運動とスペクトルを関連づけて考察できる.スペクトルと分子運動の関係を簡単に説明できる.スペクトルと分子運動の関係を簡単に説明できない.
評価項目3分子運動と化学反応を関連づけて定量化できる.分子運動の種類と化学反応と分子運動の関連性を簡単に説明できる.分子運動の種類と化学反応と分子運動の関連性を簡単に説明できない.
評価項目4自身の研究内容を微視的観点から考察し,異なる分野の研究者に説明できる.自身の研究内容を異なる分野の研究者に簡単に説明できる.自身の研究内容を異なる分野の研究者に簡単に説明できない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
集合体固体としての性質や動的な現象について,物理化学的観点から講義をおこなう.また,各事項への理解を深める演習をレポート課題として課す.取り扱う内容は限られているので,講義で習得した知見や考え方を広く適用できるように,自主的に考える必要がある.
授業の進め方・方法:
講義を中心に行い,レポート課題でさらに理解を深める.細かい式の取り扱いよりも,現象の概観を見るように努めてもらいたい.
注意点:
理解を助ける参考書として,アトキンス著/物理化学 (東京化学同人)やキッテル著/固体物理学入門 (丸善) 等がある.
各講義に関連した演習をレポートとして提出を求める.
授業計画は,学生の理解度に応じて変更する場合がある.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子の性質・シュレディンガー方程式-1 電子の波動関数・シュレディンガー方程式について学ぶ.
2週 電子の性質・シュレディンガー方程式-2 シュレディンガー方程式から得られる量子数と原子および分子形状について関連づけて説明できる.
3週 回転スペクトルと振動スペクトル-1 回転スペクトルについて簡単に説明できる.
4週 回転スペクトルと振動スペクトル-2 振動スペクトルについて簡単に説明できる.
5週 結晶構造と逆格子空間 結晶の周期性と逆格子ベクトルを関連づけて取り扱うことができる.
6週 回折法と構造 逆格子空間と回折現象を関連づけて取り扱うことができる.
7週 分子の電気的性質 バンド構造や電気双極子に基づいて材料を分類できる.
8週 分子の磁気的性質 磁気双極子に基づいて材料を分類し,磁気的性質について説明する.
2ndQ
9週 分子の運動と反応-1 様々な分子の運動を定式化し,重要な物理量について説明できる.
10週 分子の運動と反応-2 分子のダイナミックな運動と反応を関連づけて説明できる.
11週 固体表面の過程 固体表面の動的な現象について簡単に説明できる.
12週 固体表面への吸着-1 固体表面の吸着モデルを簡単に説明できる.
13週 固体表面への吸着-2 固体表面における触媒反応を説明できる.
14週 動的電気化学 動的な電気化学現象について大まかに説明できる.
15週 期末試験
16週 期末試験の答案返却・解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。4前4
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。4前4
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。4
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。4前9,前10
気体の内部エネルギーについて説明できる。4前9,前10
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。4前9,前10
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4前1
波の重ね合わせの原理について説明できる。4前1,前2
波の独立性について説明できる。4前1,前2
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4前1,前2
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4前7,前8
クーロンの法則を説明し、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4前7,前8
化学(一般)化学(一般)物質が原子からできていることを説明できる。4前2
物質を構成する分子・原子が常に運動していることが説明できる。4前2,前3,前4,前9
物質の三態とその状態変化を説明できる。4前4
原子の構造(原子核・陽子・中性子・電子)や原子番号、質量数を説明できる。4前2
原子の電子配置について電子殻を用い書き表すことができる。4前2
共有結合について説明できる。4前4,前13
構造式や電子式により分子を書き表すことができる。4前4
自由電子と金属結合がどのようなものか説明できる。4前7
金属の性質を説明できる。4前7

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合40000600100
基礎的能力0000000
専門的能力4000040080
分野横断的能力000020020