技術者倫理・企業倫理

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 技術者倫理・企業倫理
科目番号 0043 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 国際ビジネス学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 『技術者の倫理入門 第五版』 杉本泰治・高橋重厚著 丸善(2016年)
担当教員 横田 数弘,塚田 章,松原 義弘

到達目標

・技術者倫理・企業倫理に関する基礎知識及び技術者として必要な行動規範を獲得することができる.
・技術者倫理・企業倫理の理念や背景を説明することができる.
・科学技術に関する種々の事例を専門技術者あるいは企業人として理解し,複数の解決策を提示することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1技術者倫理・企業倫理に関する基礎知識及び技術者として必要な行動規範を獲得し,他者と十分に討論できる.技術者倫理・企業倫理に関する基礎知識及び技術者として必要な行動規範を獲得することができる.技術者倫理・企業倫理に関する基礎知識及び技術者として必要な行動規範を獲得することができない.
評価項目2技術者倫理・企業倫理の理念や背景を説明することができ,自身の意見をもっている.技術者倫理・企業倫理の理念や背景を説明することができる.技術者倫理・企業倫理の理念や背景を説明することができない.
評価項目3科学技術に関する種々の事例を専門技術者あるいは企業人として理解し,複数の解決策を提示することができる.科学技術に関する種々の事例を専門技術者あるいは企業人として理解できる.科学技術に関する種々の事例を理解しようとしない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
重大事故や企業不祥事が相次いでいる昨今,技術者や企業経営者は生命や環境に影響する力を行使する機会と職業的権利を持つことから,その倫理観が重要視されている.本科目では,技術者に倫理が必要になった理由や企業倫理が求められる背景について具体的事例を題材に討論し,倫理的な行動を実践し,人と自然とが共生できる科学技術の発展に寄与するための基礎知識を習得する.また,知的所有権についても学習し,第9週では実務経験を有する弁理士を講師として招いてケーススタディなど通じて具体的に学習する.
授業の進め方・方法:
複数教員によるオムニバス方式
第1,9,10,11週は複数の教員が担当する.
第1,3,7,8,9,10週の授業は,企業でICカード,衛星放送用アンテナ等の開発並びに特許を担当していた教員が担当する.
第9週の授業は,弁理士を招聘し実際の知的財産権の現状について議論する.
注意点:
授業で取り扱う具体的事例について,各自が社会や環境に与える影響を考慮し経済的・倫理的な視点から考え,意見を述べることが重要である.
授業中の報告と質疑応答とレポート(60点),事例発表(40点)で評価する.これらには授業時間外での班員による綿密な調査・ディスカッションが必要である.
単位認定には、60点以上の評定が必要である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
技術者倫理・企業倫理とは
技術者倫理・企業倫理の射程と背景
を説明できる.
2週 ・モラルへのとびら
・技術者・企業人と倫理
モラルと倫理,法と倫理の関係,なぜ技術者倫理・企業倫理かについて説明し,討論できる.
3週 ・組織の中の一人の人間
・モラル上の人間関係
個人と法人,倫理が作用する限界,技術者・企業人のコミュニティ,業務上の人間関係について説明し,討論できる.
4週 ・技術者・企業人のアイデンティティ
・技術者の資格
科学技術・企業経営を担う人々,技術者・企業人の条件,技術者資格,技術者教育との連携について説明し,討論できる.
5週 ・倫理実行の手法
・注意義務
対話の成立,モラル問題のタイプ,注意義務と過失,職務と注意義務,品質管理,事故責任と法について説明し,討論できる.
6週 9 法的責任とモラル責任
10 正直性・真実性・信頼性
法的責任の全体像,法とモラルの境界域の責任,モラルの資質,企業コミュニティの体質・風土について説明し,討論できる.
7週 11 説明責任
12 警笛鳴らし
説明責任と信頼関係,立証責任,情報開示,通報の多様性,公益優先の場合について説明し,討論できる.
8週 13 環境と技術者
14 技術者の財産的権利
環境倫理の枠組み,持続可能な発展,企業における環境倫理,企業財産の持ち出し,特許権収入,企業財産の持ち出しについて説明し,討論できる.
4thQ
9週 知財セミナー 弁理士を招聘し,特許に関するセミナーを実施する.
10週 事例研究(1) 各班が技術者倫理・企業倫理に関する事例を調査し,問題点等を考察し討議する.
11週 事例研究(2) 各班が技術者倫理・企業倫理に関する事例を調査し,問題点等を考察し討議する.
12週 事例研究発表(1) 技術者倫理・企業倫理に関する事例を各自パワーポイントで発表し,全体で討論し,まとめを行う.
13週 事例研究発表(2) 技術者倫理・企業倫理に関する事例を各自パワーポイントで発表し,全体で討論し,まとめを行う.
14週 事例研究発表(3) 技術者倫理・企業倫理に関する事例を各自パワーポイントで発表し,全体で討論し,まとめを行う.
15週 事例研究発表(4) 技術者倫理・企業倫理に関する事例を各自パワーポイントで発表し,全体で討論し,まとめを行う.
16週 成績評価・確認,授業評価アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

討論・レポート事例研究発表合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力200000020
専門的能力2020000040
分野横断的能力2020000040