技術者倫理・企業倫理

科目基礎情報

学校 富山高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 技術者倫理・企業倫理
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 授業 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 国際ビジネス学専攻 対象学年 専2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 『工学倫理-実例でぶ学技術者の行動規範-』河村尚登著,東京電機大学出版局(2011年)
担当教員 横田 数弘,塚田 章,松原 義弘

到達目標

・技術者倫理・企業倫理に関する基礎知識及び技術者として必要な行動規範を獲得することができる.
・技術者倫理・企業倫理の理念や背景を説明することができる.
・科学技術に関する種々の事例を専門技術者あるいは企業人として理解し,複数の解決策を提示することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1技術者倫理・企業倫理に関する基礎知識及び技術者として必要な行動規範を獲得し,他者と十分に討論できる.技術者倫理・企業倫理に関する基礎知識及び技術者として必要な行動規範を獲得することができる.技術者倫理・企業倫理に関する基礎知識及び技術者として必要な行動規範を獲得することができない.
評価項目2技術者倫理・企業倫理の理念や背景を説明することができ,自身の意見をもっている.技術者倫理・企業倫理の理念や背景を説明することができる.技術者倫理・企業倫理の理念や背景を説明することができない.
評価項目3科学技術に関する種々の事例を専門技術者あるいは企業人として理解し,複数の解決策を提示することができる.科学技術に関する種々の事例を専門技術者あるいは企業人として理解できる.科学技術に関する種々の事例を理解しようとしない.

学科の到達目標項目との関係

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教育方法等

概要:
重大事故や企業不祥事が相次いでいる昨今,技術者や企業経営者は生命や環境に影響する力を行使する機会と職業的権利を持つことから,その倫理観が重要視されている.本科目では,技術者に倫理が必要になった理由や企業倫理が求められる背景について具体的事例を題材に討論し,倫理的な行動を実践し,人と自然とが共生できる科学技術の発展に寄与するための基礎知識を習得する.また,知的所有権についても学習し,第9週では実務経験を有する弁理士を講師として招いてケーススタディなど通じて具体的に学習する.
授業の進め方・方法:
複数教員によるオムニバス方式
第1週は複数の教員が担当する.第9週の授業は,弁理士を招聘し実際の知的財産権の現状について議論する.
学修単位のため,60時間相当の授業外学習が必要である.授業外学習・事前:授業内容を予習しておく.発表班は事前にレジュメや討論テーマを作成し,発表に備える。授業外学習・事後:授業内容を復習し,重要事項をノート等にまとめる.最終授業後にまとめレポートを作成・提出する。
注意点:
授業で取り扱う具体的事例について,各自が社会や環境に与える影響を考慮し経済的・倫理的な視点から考え,意見を述べることが重要である.
授業中の報告と質疑応答とレポート(60点),事例発表(40点)で評価する.これらには授業時間外での班員による綿密な調査・ディスカッションが必要である.
単位認定には、60点以上の評定が必要である.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ・ガイダンス
・技術者倫理・企業倫理とは
技術者倫理・企業倫理の射程と背景
を説明できる.
2週 ・モラルへのとびら
・技術者と倫理
モラルと倫理・法と倫理の関係,なぜ技術者倫理・企業倫理が必要かについて説明し,討論できる.
3週 ・現代社会における技術者としての資格,工学倫理の必要性
・組織における個人,企業の社会的責任
現代社会における技術者・経営者としての資格,組織における個人,企業の社会的責任とコンプライアンスについて説明し,討論できる.
4週 ・内部告発と倫理
・安全性とリスク
内部告発と公益通報者保護法,安全設計,安全工学,リスクへの対応,リスクに対する説明責任について説明し,討論できる.
5週 ・製造物責任と品質管理
・工業所有権と倫理
製造物責任法,工業所有権の理念,特許制度と倫理について説明し,討論できる.
6週 ・著作権と倫理
・ネットワークと倫理
著作権,著作者人格権,著作隣接権,肖像権,情報セキュリティの必要性,不正アクセス禁止法,ネット上のエチケットについて説明し,討論できる.
7週 ・グローバル活動と倫理
・環境倫理と技術者
企業のグローバル化とそれに伴う問題,異文化との摩擦,持続可能な開発,環境保護のための技術,地球温暖化現象について説明し,討論できる.
8週 ・生命倫理と技術者
・科学技術と未来への「つけ」
生命工学における倫理,臓器移植に関する倫理問題,技術者・経営者の未来への責任について説明し,討論できる.
4thQ
9週 知財セミナー 弁理士を招聘し,特許に関するセミナーを実施する.
10週 事例研究(1) 各班が技術者倫理・企業倫理に関する事例を調査し,問題点等を考察し討議する.
11週 事例研究(2) 各班が技術者倫理・企業倫理に関する事例を調査し,問題点等を考察し討議する.
12週 事例研究発表(1) 技術者倫理・企業倫理に関する事例を各自パワーポイントで発表し,全体で討論し,まとめを行う.
13週 事例研究発表(2) 技術者倫理・企業倫理に関する事例を各自パワーポイントで発表し,全体で討論し,まとめを行う.
14週 事例研究発表(3) 技術者倫理・企業倫理に関する事例を各自パワーポイントで発表し,全体で討論し,まとめを行う.
15週 事例研究発表(4) 技術者倫理・企業倫理に関する事例を各自パワーポイントで発表し,全体で討論し,まとめを行う.
16週 成績評価・確認,授業評価アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

討論・レポート事例研究発表合計
総合評価割合60400000100
基礎的能力200000020
専門的能力2020000040
分野横断的能力2020000040