代数・幾何I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 代数・幾何I
科目番号 15420 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 高専テキストシリーズ 線形代数(森北出版)/高専テキストシリーズ 線形代数問題集(森北出版)
担当教員 加勢 順子

到達目標

1.ベクトルの和,差,積,実数倍の定義が理解でき,それらが計算できる。
2.ベクトルの成分表示や内積に関する問題を解くことができ,ベクトルの平行,垂直の判定ができる.
3.点と直線あるいは平面との距離を求めたり,内分点の位置ベクトルを求めたりすることができる.
4.ベクトルを用いて,様々な図形の方程式を導出することができ,図形に関する問題を解くことができる.
5.行列の和,差,実数倍の定義が理解でき,それらが計算できる.
6.行列の積や逆行列の定義が理解でき,それらを求めることができる.
7.階段行列の定義が理解でき,行基本変形を用いて,行列の階数や連立1次方程式の解を求めることができる.
8.行列式の定義や性質を用いて,4次までの行列式の値を求めることができる.
9.余因子行列や逆行列,クラメルの公式を用いるなど,多岐にわたり行列式を応用できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1ベクトルの和,差,積,実数倍の定義が理解でき,それらが計算できる.ベクトルの和,差,積,実数倍の簡単な計算ができる.ベクトルの和,差,積,実数倍の定義が全く理解できない.
到達目標 項目2ベクトルの成分表示や内積に関する問題を解くことができ,ベクトルの平行,垂直の判定ができる.ベクトルの内積や成分表示の簡単な計算ができる.ベクトルの内積の定義を理解しておらず,成分表示で表されたベクトルの計算も全く行えない.
到達目標 項目3点と直線あるいは平面との距離を求めたり,内分点の位置ベクトルを求めたりすることができる.点と直線あるいは平面との距離や内分点の位置ベクトルの定義を理解し,簡単な計算ができる.点と直線あるいは平面との距離や,内分点の位置ベクトルの定義を全く理解できない.
到達目標 項目4ベクトルを用いて,様々な図形の方程式を導出することができ,図形に関する問題を解くことができる.ベクトルを用いた,様々な図形の方程式の導出方法を理解し,簡単な図形の問題を解くことができる.図形のベクトル方程式を1つも理解できず,図形に関する問題を全く解くことができない.
到達目標 項目5行列の和,差,実数倍の定義が理解でき,それらが計算できる.行列の和,差,実数倍の定義が理解でき,簡単な計算問題が解ける.行列の和,差,実数倍の定義が全く理解できない.
到達目標 項目6行列の積や逆行列の定義が理解でき,それらを求めることができる.行列の積や逆行列の定義が理解でき,簡単な計算問題が解ける.行列の積や逆行列の定義が理解できない.
到達目標 項目7階段行列の定義が理解でき,行基本変形を用いて,行列の階数や連立1次方程式の解を求めることができる.階段行列の定義が理解でき,行列に対して行基本変形が正しく行える.また,簡単な連立1次方程式が解ける.階段行列の定義が理解できず,行基本変形を全く行えない.
到達目標 項目8行列式の定義や性質を用いて,4次までの行列式の値を求めることができる.行列式の定義や性質を理解でき,行列式の簡単な計算ができる.行列式の定義や性質を理解できない.
到達目標 項目9余因子行列や逆行列,クラメルの公式を用いるなど,多岐にわたり行列式を応用できる.余因子行列や逆行列を求めることができ,クラメルの公式を用いて簡単な連立1次方程式を解くことができる. 余因子行列や逆行列を求めることができず,クラメルの公式を用いることができない.

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
線形代数はベクトルとそれに関する最も簡単な形の方程式である連立1次方程式を行列,行列式を用いて組織的に論じる理論で微分積分学と並ぶ数学の基礎的分野である。代数・幾何Iではこの線形代数の基本的考え方を理解し,技術者としての基礎学力と問題解決能力を身につけると共に,自己の考えを正しく表現できる力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
【事前事後学習など】到達目標の達成度を確認するため,適宜,課題を課す。 必要に応じて,レポート課題を与え,小試験を行うことがある。
【関連科目】基礎数学A,基礎数学B,代数・幾何Ⅱ,応用数学B
注意点:
【評価方法・評価基準】前期中間試験、前期末試験、後期中間試験、学年末試験を実施する。
前期末:前期中間試験(50%)、前期末試験(50%)
学年末:一年間の定期試験の総合的評価(70%)、小テスト・レポート課題(30%)
成績の評価基準として50点以上を合格とする。
【その他履修上の注意事項や学習上の助言】授業中の学習に真剣に取り組むことと,日頃の予習・復習が非常に大切である。授業中は講義に集中し,他の学生に迷惑をかけないようにすること。なお,シラバスの予定はあくまで目安であり,進み具合によって変わることもありうる。
【専門科目との関連】■工業力学(3年後期):ベクトル,平面図形・空間図形,行列の演算,逆行列,連立1次方程式,1次変換,行列式(慣性の法則,力と加速度,簡単な運動,運動方程式の変換,力学的エネルギーと保存力に使用)■応用物理Ⅰ(3年前期):ベクトル,平面図形・空間図形(位置・速度・加速度・力などのベクトル計算に使用)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ベクトルとその演算 項目1
2週 点の位置ベクトル 項目3
3週 座標と距離 項目3
4週 ベクトルの成分表示と大きさ 項目2
5週 方向ベクトルと直線 項目4
6週 ベクトルの内積 項目2
7週 演習 項目1から項目4
8週 法線ベクトルと直線または平面の方程式 項目4
2ndQ
9週 円または球面の方程式 項目4
10週 行列 項目5
11週 行列の和・差,実数倍 項目5
12週 行列の積 項目6
13週 転置行列と逆行列 項目6
14週 演習 項目5から項目6
15週 前期復習 項目1から項目6
16週
後期
3rdQ
1週 連立2元1次方程式と逆行列 項目6
2週 3次行列式と定義、クラメルの公式 項目8,項目9
3週 行列式の性質 項目8
4週 行列の積の行列式 項目8
5週 行列式の性質 項目8
6週 行列式の展開 項目8,項目9
7週 余因子行列と逆行列 項目9
8週 行列式の応用 項目9
4thQ
9週 基本変形による連立1次方程式の解法 項目7
10週 基本変形による逆行列の計算 項目6,項目7
11週 行列の階数 項目7
12週 行列の階数と連立1次方程式 項目7
13週 ベクトルの線形独立と線形従属 項目9
14週 演習 項目6から項目9
15週 後期復習 項目6から項目9
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3
行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力70000300100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000