応用物理I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用物理I
科目番号 15720 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 石田 博明

到達目標

1.位置・速度・加速度ベクトルを理解し,計算できる。
2.質点の並進・回転運動方程式を立て,解く事ができる。
3.仕事・エネルギーを理解し,計算できる。
4.力のモーメント・慣性モーメントを理解し,計算できる。
5.剛体の回転運動方程式を立て,解く事ができる。
6.弾性体および弾性定数を理解し,説明できる。
7.流体の方程式を立て,解く事ができる。
8.調和振動・減衰振動を理解し,説明できる。
9.物体を伝播する波動方程式を立て,解く事ができる。
10.光の反射・屈折・干渉・回折を理解し,説明できる。
11.静電磁界のクーロンの法則を理解し,静電磁力を計算できる。
12.静電磁界のガウスの法則を理解し,静電磁界を計算できる。
13.定常電流の回路方程式を立て,解く事ができる。
14.変動電磁界の法則を理解し,電磁界を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1位置・速度・加速度ベクトルを十分理解し,正しく計算できる。位置・速度・加速度ベクトルを理解し,簡単な計算ができる。位置・速度・加速度ベクトルを理解できず,計算ができない。
評価項目2質点の並進・回転運動方程式を立て,正しく解く事ができる。質点の並進・回転運動方程式を立て,解く事ができる。質点の並進・回転運動方程式を立て,解く事ができない。
評価項目3仕事・エネルギーを十分理解し,正しく計算できる。仕事・エネルギーを理解し,簡単な計算ができる。仕事・エネルギーを理解できず,計算ができない。
評価項目4力のモーメント・慣性モーメントを十分理解し,正しく計算できる。力のモーメント・慣性モーメントを理解し,簡単な計算ができる。力のモーメント・慣性モーメントを理解できず,計算ができない。
評価項目5剛体の回転運動方程式を立て,正しく解く事ができる。剛体の回転運動方程式を立て,解く事ができる。剛体の回転運動方程式を立て,解く事ができない。
評価項目6弾性体および弾性定数を十分理解し,正しく説明できる。弾性体および弾性定数を理解し,説明できる。弾性体および弾性定数を理解できず,計算ができない。
評価項目7流体の方程式を立て,正しく解く事ができる。流体の方程式を立て,解く事ができる。流体の方程式を立て,解く事ができない。
評価項目8調和振動・減衰振動を十分理解し,正しく説明できる。調和振動・減衰振動を理解し,説明できる。調和振動・減衰振動を理解できず,説明できない。
評価項目9物体を伝播する波動方程式を立て,正しく解く事ができる。物体を伝播する波動方程式を立て,解く事ができる。物体を伝播する波動方程式を立て,解く事ができない。
評価項目10光の反射・屈折・干渉・回折を十分理解し,正しく説明できる。光の反射・屈折・干渉・回折を理解し,説明できる。光の反射・屈折・干渉・回折を理解できず,説明できない。
評価項目11静電磁界のクーロンの法則を十分理解し,静電磁力を正しく計算できる。静電磁界のクーロンの法則を理解し,静電磁力を計算できる。静電磁界のクーロンの法則を理解できず,静電磁力を計算できない。
評価項目12静電磁界のガウスの法則を十分理解し,静電磁界を正しく計算できる。静電磁界のガウスの法則を理解し,静電磁界を計算できる。静電磁界のガウスの法則を理解できず,静電磁界を計算できない。
評価項目13定常電流の回路方程式を立て,正しく解く事ができる。定常電流の回路方程式を立て,解く事ができる。定常電流の回路方程式を立て,解く事ができない。
評価項目14変動電磁界の法則を十分理解し,電磁界を正しく計算できる。変動電磁界の法則を理解し,電磁界を計算できる。変動電磁界の法則を理解できず,電磁界を計算できない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
物理(1,2年次)の後を引き継いで,物理現象への関心を養い,微積分やベクトル解析などの基礎学力を通して,応用物理学の体系を理解し,工学への応用分野の実践応用力や課題解決への姿勢を身につけるとともに,問題の提起とその解決ができる事を目標とする。
【キーワード】
運動の法則,運動量,エネルギー,剛体の運動,弾性体,流体力学,減衰振動,波動光学,静電界,静磁界,電磁誘導,電磁波
授業の進め方・方法:
【事前事後学習など】
到達目標の達成度を確認するため,随時演習・レポート課題を与える。
【関連科目】
応用物理Ⅱ,物理Ⅰ・Ⅱ,基礎数学A・B,解析学Ⅰ・Ⅱ,代数・幾何Ⅰ・Ⅱ
【教科書、教材、参考書等】
教科書: 小暮陽三 編「高専の応用物理 第2版」(森北出版)
教材等: 関連のプリントを配布する。
参考書: 小口武彦 編「物理学A・B・C・D演習」(槙書店)等,図書館に多数の関連書籍がある。
注意点:
授業中とテスト直前の学習のみでなく,平常時の予習・復習が大切である。
課題レポート等は必ず提出すること。
1,2年次の物理,数学の基礎知識を理解している必要がある。
【評価方法・評価基準】
中間試験,前期末試験,学年末試験の定期試験(計4回)を実施する。
前期末評価:前期定期試験(70%),前期課題レポート(20%),随時行う前期小試験等(10%)
学年末評価:全定期試験(70%),全課題レポート(20%),随時行う全小試験等(10%)
成績の評価基準として50点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 力学の基礎(1) ベクトル(位置,速度,加速度) 力学の基礎(1) ベクトル(位置,速度,加速度)を理解し,計算ができる。
2週 力学の基礎(2) 運動の3法則 力学の基礎(2) 運動の3法則を理解し,計算ができる。
3週 力学の基礎(3) 座標系と運動方程式 力学の基礎(3) 座標系と運動方程式を理解し,計算ができる。
4週 力学の基礎(4) 万有引力と慣性力 力学の基礎(4) 万有引力と慣性力を理解し,計算ができる。
5週 力学の基礎(5) 仕事とエネルギー 力学の基礎(5) 仕事とエネルギーを理解し,計算ができる。
6週 質点の力学(1) 二体問題 質点の力学(1) 二体問題を理解し,計算ができる。
7週 質点の力学(2) 運動量と角運動量 質点の力学(2) 運動量と角運動量を理解し,計算ができる。
8週 剛体の力学(1) 剛体の回転運動 剛体の力学(1) 剛体の回転運動を理解し,計算ができる。
2ndQ
9週 剛体の力学(2) 慣性モーメント 剛体の力学(2) 慣性モーメントを理解し,計算ができる。
10週 剛体の力学(3) 剛体の固定軸運動と歳差運動 剛体の力学(3) 剛体の固定軸運動と歳差運動を理解し,計算ができる。
11週 弾性体(1) 弾性体の応力と歪(フックの法則) 弾性体(1) 弾性体の応力と歪(フックの法則)を理解し,計算ができる。
12週 弾性体(2) 弾性定数(ヤング率,ポアソン比など) 弾性体(2) 弾性定数(ヤング率,ポアソン比など)を理解し,計算ができる。
13週 流体の力学(1) 連続の方程式とベルヌーイの定理 流体の力学(1) 連続の方程式とベルヌーイの定理を理解し,計算ができる。
14週 流体の力学(2) 粘性抵抗と慣性抵抗 (層流・乱流) 流体の力学(2) 粘性抵抗と慣性抵抗 (層流・乱流)を理解し,計算ができる。
15週 前期復習 前期復習
16週
後期
3rdQ
1週 振動(1) 調和振動 振動(1) 調和振動を理解し,計算ができる。
2週 振動(2) 減衰振動と強制振動 振動(2) 減衰振動と強制振動を理解し,計算ができる。
3週 波動(1) 波動方程式(固体,流体) 波動(1) 波動方程式(固体,流体)を理解し,計算ができる。
4週 波動(2) 波のエネルギーと定常波 波動(2) 波のエネルギーと定常波を理解し,計算ができる。
5週 光(1) 光の伝搬(フェルマーの原理,光学距離) 光(1) 光の伝搬(フェルマーの原理,光学距離)を理解し,計算ができる。
6週 光(2) 波動光学(干渉,回折) 光(2) 波動光学(干渉,回折)を理解し,計算ができる。
7週 静電界(1) クーロンの法則とガウスの法則 静電界(1) クーロンの法則とガウスの法則を理解し,計算ができる。
8週 静電界(2) 導体とそのエネルギー 静電界(2) 導体とそのエネルギーを理解し,計算ができる。
4thQ
9週 静電界(3) 誘電体とそのエネルギー 静電界(3) 誘電体とそのエネルギーを理解し,計算ができる。
10週 静磁界 磁性体とそのエネルギー 静磁界 磁性体とそのエネルギーを理解し,計算ができる。
11週 定常電流 キルヒホッフの法則とオームの法則 定常電流 キルヒホッフの法則とオームの法則を理解し,計算ができる。
12週 電磁界(1) ビオ・サバールの法則とアンペールの法則 電磁界(1) ビオ・サバールの法則とアンペールの法則を理解し,計算ができる。
13週 電磁界(2) ローレンツ力と電磁誘導(ファラデーの法則) 電磁界(2) ローレンツ力と電磁誘導(ファラデーの法則)を理解し,計算ができる。
14週 電磁波 マクスウェルの方程式と電磁波 電磁波 マクスウェルの方程式と電磁波を理解し,計算ができる。
15週 後期復習 後期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学速度と加速度の概念を説明できる。4
直線および平面運動において、2物体の相対速度、合成速度を求めることができる。4
等加速度直線運動の公式を用いて、物体の座標、時間、速度に関する計算ができる。4
平面内を移動する質点の運動を位置ベクトルの変化として扱うことができる。4
物体の変位、速度、加速度を微分・積分を用いて相互に計算することができる。4
平均の速度、平均の加速度を計算することができる。4
自由落下、及び鉛直投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
水平投射、及び斜方投射した物体の座標、速度、時間に関する計算ができる。4
物体に作用する力を図示することができる。4
力の合成と分解をすることができる。4
重力、抗力、張力、圧力について説明できる。4
フックの法則を用いて、弾性力の大きさを求めることができる。4
質点にはたらく力のつりあいの問題を解くことができる。4
慣性の法則について説明できる。4
作用と反作用の関係について、具体例を挙げて説明できる。4
運動方程式を用いた計算ができる。4
簡単な運動について微分方程式の形で運動方程式を立て、初期値問題として解くことができる。4
運動の法則について説明できる。4
静止摩擦力がはたらいている場合の力のつりあいについて説明できる。4
最大摩擦力に関する計算ができる。4
動摩擦力に関する計算ができる。4
仕事と仕事率に関する計算ができる。4
物体の運動エネルギーに関する計算ができる。4
重力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
弾性力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力学的エネルギー保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
物体の質量と速度から運動量を求めることができる。4
運動量の差が力積に等しいことを利用して、様々な物理量の計算ができる。4
運動量保存則を様々な物理量の計算に利用できる。4
周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。4
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。4
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。4
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.4
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。4
力のモーメントを求めることができる。4
角運動量を求めることができる。4
角運動量保存則について具体的な例を挙げて説明できる。4
剛体における力のつり合いに関する計算ができる。4
重心に関する計算ができる。4
一様な棒などの簡単な形状に対する慣性モーメントを求めることができる。4
剛体の回転運動について、回転の運動方程式を立てて解くことができる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
波の重ね合わせの原理について説明できる。4
波の独立性について説明できる。4
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。4
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。4
ホイヘンスの原理について説明できる。4
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。4
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。4
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。4
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。4
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。4
自然光と偏光の違いについて説明できる。4
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。4
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。4
電気導体と不導体の違いについて、自由電子と関連させて説明できる。4
電場・電位について説明できる。4
クーロンの法則が説明できる。4
クーロンの法則から、点電荷の間にはたらく静電気力を求めることができる。4
オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。4
抵抗を直列接続、及び並列接続したときの合成抵抗の値を求めることができる。4
ジュール熱や電力を求めることができる。4
専門的能力分野別の専門工学機械系分野力学力は、大きさ、向き、作用する点によって表されることを理解し、適用できる。4
一点に作用する力の合成と分解を図で表現でき、合力と分力を計算できる。4
一点に作用する力のつりあい条件を説明できる。4
力のモーメントの意味を理解し、計算できる。4
偶力の意味を理解し、偶力のモーメントを計算できる。4
着力点が異なる力のつりあい条件を説明できる。4
重心の意味を理解し、平板および立体の重心位置を計算できる。4
速度の意味を理解し、等速直線運動における時間と変位の関係を説明できる。4
加速度の意味を理解し、等加速度運動における時間と速度・変位の関係を説明できる。4
運動の第一法則(慣性の法則)を説明できる。4
運動の第二法則を説明でき、力、質量および加速度の関係を運動方程式で表すことができる。4
運動の第三法則(作用反作用の法則)を説明できる。4
周速度、角速度、回転速度の意味を理解し、計算できる。4
向心加速度、向心力、遠心力の意味を理解し、計算できる。4
仕事の意味を理解し、計算できる。4
てこ、滑車、斜面などを用いる場合の仕事を説明できる。4
エネルギーの意味と種類、エネルギー保存の法則を説明できる。4
位置エネルギーと運動エネルギーを計算できる。4
動力の意味を理解し、計算できる。4
すべり摩擦の意味を理解し、摩擦力と摩擦係数の関係を説明できる。4
運動量および運動量保存の法則を説明できる。4
剛体の回転運動を運動方程式で表すことができる。4
平板および立体の慣性モーメントを計算できる。3
荷重が作用した時の材料の変形を説明できる。2
応力とひずみを説明できる。3
フックの法則を理解し、弾性係数を説明できる。3
許容応力と安全率を説明できる。3
両端固定棒や組合せ棒などの不静定問題について、応力を計算できる。4
線膨張係数の意味を理解し、熱応力を計算できる。4
引張荷重や圧縮荷重が作用する棒の応力や変形を計算できる。4
部材が引張や圧縮を受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3
部材が曲げやねじりを受ける場合のひずみエネルギーを計算できる。3
カスティリアノの定理を理解し、不静定はりの問題などに適用できる。3
振動の種類および調和振動を説明できる。3
不減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
減衰系の自由振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和外力による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
調和変位による減衰系の強制振動を運動方程式で表し、系の運動を説明できる。3
熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
オイラーの運動方程式を説明できる。4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000