応用物理II

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 応用物理II
科目番号 15730 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材
担当教員 石田 博明

到達目標

1.弾性定数を理解し,金属材料のヤング率を測定・評価できる。
2.断熱変化を理解し,空気の比熱比を測定・評価できる。
3.熱電対を理解し,温度定点による検定ができる。
4.半導体を理解し,トランジスタ回路等を測定・評価できる。
5.コイルを理解し,直流・交流特性を測定・評価できる。
6.レーザーを理解し,反射屈折・干渉回折を測定・評価できる。
7.放射線とその検出法を理解し,β線を測定・評価できる。
8.気体の分子運動論を理解し,内部エネルギー等が計算できる。
9.熱力学法則を理解し,状態量を計算できる。
10.ガリレイ変換・ローレンツ変換を理解し,説明できる。
11.相対論的力学を理解し,長さ・時間・エネルギー等が計算できる。
12.光の粒子性と電子の波動性を理解し,説明できる。
13.演算子,固有値,波動方程式を理解し,説明できる。
14.量子統計力学を理解し,導体・絶縁体・半導体を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1弾性定数を十分理解し,金属材料のヤング率を正しく測定・評価できる。弾性定数を理解し,金属材料のヤング率を測定・評価できる。弾性定数を理解できず,金属材料のヤング率を測定・評価できない。
評価項目2断熱変化を十分理解し,空気の比熱比を正しく測定・評価できる。断熱変化を理解し,空気の比熱比を測定・評価できる。断熱変化を理解できず,空気の比熱比を測定・評価できない。
評価項目3熱電対を十分理解し,温度定点による正しい検定ができる。熱電対を理解し,温度定点による検定ができる。熱電対を理解できず,温度定点による検定ができない。
評価項目4半導体を十分理解し,トランジスタ回路等を正しく測定・評価できる。半導体を理解し,トランジスタ回路等を測定・評価できる。半導体を理解できず,トランジスタ回路等を測定・評価できない。
評価項目5コイルを十分理解し,直流・交流特性を正しく測定・評価できる。コイルを理解し,直流・交流特性を測定・評価できる。コイルを理解できず,直流・交流特性を測定・評価できない。
評価項目6レーザーを十分理解し,反射屈折・干渉回折を正しく測定・評価できる。レーザーを理解し,反射屈折・干渉回折を測定・評価できる。レーザーを理解できず,反射屈折・干渉回折を測定・評価できない。
評価項目7放射線とその検出法を十分理解し,β線を正しく測定・評価できる。放射線とその検出法を理解し,β線を測定・評価できる。放射線とその検出法を理解できず,β線を測定・評価できない。
評価項目8気体の分子運動論を十分理解し,内部エネルギー等が正しく計算できる。気体の分子運動論を理解し,内部エネルギー等が計算できる。気体の分子運動論を理解できず,内部エネルギー等が計算できない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
創造工学プログラム B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
応用物理I(3年次)を引き継いで,物理現象への関心を養い,基礎数学などの基礎学力や専門工学への応用実験を通して,現代物理学の体系を理解し,工学における応用分野の実践応用力や課題解決への姿勢を身につけるとともに,問題の提起とその解決ができる事を目標とする。
【キーワード】
ヤング率,断熱変化,熱電対,半導体,コイル,レーザー,放射線,熱統計力学,特殊相対論,量子力学
授業の進め方・方法:
【事前事後学習など】
到達目標の達成度を確認するため,随時演習・レポート課題を与える。
【関連科目】
応用物理Ⅰ,物理Ⅰ・Ⅱ,基礎数学A・B,解析学Ⅰ・Ⅱ,代数・幾何Ⅰ・Ⅱ
【教科書、教材、参考書等】
教科書: 石川工業高等専門学校応用物理 編「応用物理実験」,小暮陽三 編「高専の応用物理」(森北出版)
教材等: 関連のプリントを配布する。
参考書: 大槻義彦 著「物理学Ⅰ・Ⅱ」(学術図書出版社)等,図書館に多数の関連書籍がある。
注意点:
各実験の前に実験指導書を読んでおく事。また、実験のレポートは締め切りまでに必ず提出すること。
授業中とテスト直前の学習のみでなく,平常時の予習・復習が大切である。また、課題レポート等は必ず提出すること。
1,2年次の物理,数学の基礎知識を理解している必要がある。
【評価方法・評価基準】
後期中間試験,学年末試験の定期試験(計2回)を実施する。
前期末評価:実験レポート(80%),前期課題レポート(20%)
後期末評価:後期定期試験(70%),後期課題レポート(20%),随時行う後期小試験等(10%)
学年末評価:前期末評価(50%),後期末評価(50%)。成績の評価基準として60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験説明 (計測の基礎:測定・誤差・SI,各種測定量の測定法) 実験説明 (計測の基礎:測定・誤差・SI,各種測定量の測定法)を理解し,測定・評価できる。
2週 実験(1) ヤング率 実験(1) ヤング率を理解し,測定・評価できる。
3週 実験(2) (振動リード法による金属材料の弾性定数) 実験(2) (振動リード法による金属材料の弾性定数)を理解し,測定・評価できる。
4週 実験(3) 断熱変化 実験(3) 断熱変化を理解し,測定・評価できる。
5週 実験(4) (空気の比熱比) 実験(4) (空気の比熱比)を理解し,測定・評価できる。
6週 実験(5) 熱電対 実験(5) 熱電対を理解し,測定・評価できる。
7週 実験(6) (ゼーベック効果,温度定点による検定) 実験(6) (ゼーベック効果,温度定点による検定)を理解し,測定・評価できる。
8週 実験(7) 半導体 実験(7) 半導体を理解し,測定・評価できる。
2ndQ
9週 実験(8) (ダイオード・トランジスタの特性) 実験(8) (ダイオード・トランジスタの特性)を理解し,測定・評価できる。
10週 実験(9) コイル 実験(9) コイルを理解し,測定・評価できる。
11週 実験(10) (強磁性体芯コイルの直流・交流特性) 実験(10) (強磁性体芯コイルの直流・交流特性)を理解し,測定・評価できる。
12週 実験(11) レーザー 実験(11) レーザーを理解し,測定・評価できる。
13週 実験(12) (レーザーによる反射屈折・干渉回折) 実験(12) (レーザーによる反射屈折・干渉回折)を理解し,測定・評価できる。
14週 実験(13) 放射線 (計数管,質量吸収係数,エネルギー) 実験(13) 放射線 (計数管,質量吸収係数,エネルギー)を理解し,測定・評価できる。
15週 前期復習 前期復習
16週
後期
3rdQ
1週 熱統計力学(1) 温度と理想気体の状態方程式 (伝導・対流・ふく射) 熱統計力学(1) 温度と理想気体の状態方程式 (伝導・対流・ふく射)を理解し,計算できる。
2週 熱統計力学(2) 気体分子運動論 熱統計力学(2) 気体分子運動論を理解し,計算できる。
3週 熱統計力学(3) 熱力学第1法則と状態変化 熱統計力学(3) 熱力学第1法則と状態変化を理解し,計算できる。
4週 熱統計力学(4) 熱力学第2法則とエントロピー (エンタルピー) 熱統計力学(4) 熱力学第2法則とエントロピー (エンタルピー)を理解し,計算できる。
5週 特殊相対論(1) ガリレイ変換とローレンツ変換 特殊相対論(1) ガリレイ変換とローレンツ変換を理解し,計算できる。
6週 特殊相対論(2) 相対論的力学 特殊相対論(2) 相対論的力学を理解し,計算できる。
7週 量子力学(1) X線と電子線 (結晶構造) 量子力学(1) X線と電子線 (結晶構造)を理解し,説明できる。
8週 量子力学(2) 光の粒子性と電子の波動性 量子力学(2) 光の粒子性と電子の波動性を理解し,説明できる。
4thQ
9週 量子力学(3) 不確定性原理とシュレーディンガー方程式 量子力学(3) 不確定性原理とシュレーディンガー方程式を理解し,説明できる。
10週 量子力学(4) 固有値方程式 量子力学(4) 固有値方程式を理解し,説明できる。
11週 量子力学(5) 水素原子とエネルギー準位 量子力学(5) 水素原子とエネルギー準位を理解し,説明できる。
12週 量子力学(6) 多電子原子と周期律 (バンド構造) 量子力学(6) 多電子原子と周期律 (バンド構造)を理解し,説明できる。
13週 量子力学(7) エネルギー帯とエネルギーギャップ (電子物性) 量子力学(7) エネルギー帯とエネルギーギャップ (電子物性)を理解し,説明できる。
14週 量子力学(8) 量子統計力学とフェルミ準位 (光物性,半導体デバイス) 量子力学(8) 量子統計力学とフェルミ準位 (光物性,半導体デバイス)を理解し,説明できる。
15週 後期復習 後期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。4
時間の推移とともに、熱の移動によって熱平衡状態に達することを説明できる。4
物体の熱容量と比熱を用いた計算ができる。4
熱量の保存則を表す式を立て、熱容量や比熱を求めることができる。4
動摩擦力がする仕事は、一般に熱となることを説明できる。4
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。4
気体の内部エネルギーについて説明できる。4
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。4
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。4
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。4
熱機関の熱効率に関する計算ができる。4
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。4
横波と縦波の違いについて説明できる。4
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。4
安全を確保して、実験を行うことができる。4
実験報告書を決められた形式で作成できる。4
有効数字を考慮して、データを集計することができる。4
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
熱に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
電磁気に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4
電子・原子に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000