熱力学I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 熱力学I
科目番号 15850 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 平田哲夫ほか「例題でわかる工業熱力学」(森北出版)
担当教員 稲田 隆信

到達目標

1.温度の持つ意味,熱平衡の概念を理解し,説明できる。
2.熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味を理解し,説明できる。
3.理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
4.熱力学第二法則の概念を理解し,説明できる。
5.カルノーサイクルを理解し,熱量,熱効率などの計算ができる。
6.エントロピ増加の原理を理解し,増加量の計算ができる。
7.P-v線図とT-s線図の意味を理解し,説明できる。
8.有効エネルギーを理解し簡単な計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
温度の持つ意味,熱平衡の概念を理解し,説明できる温度の持つ意味,熱平衡の概念を理解し,説明できる温度の持つ意味,熱平衡の概念の基本を理解し,簡単な説明ができる温度の持つ意味,熱平衡の概念を理解できない
熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味を理解し,説明できる熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味を理解し,説明できる熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味の基本を理解し,基本的な説明ができる熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味の基本が理解できない
理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量変化の簡単な計算なできる理想気体の各状態変化が理解できない
熱力学第二法則の概念を理解し,説明できる熱力学第二法則の概念やエントロピ増加の原理を理解し,説明できるとともにエントロピ増加量を計算できる熱力学第二法則の概念やエントロピ増加の原理の基本を理解し,説明できるとともにエントロピ増加の簡単な計算ができる熱力学第二法則の概念やエントロピ増加の原理が理解できない
.カルノーサイクルを理解し,熱量,熱効率などの計算ができる.カルノーサイクルを理解し,熱量,熱効率などの計算ができる.カルノーサイクルを理解し,熱量,熱効率などの簡単な計算ができる.カルノーサイクルの基本が理解できない
P-v線図とT-s線図の意味を理解し,説明できるP-v線図とT-s線図の意味を理解し,説明できるP-v線図とT-s線図の基本的な意味を理解し,説明できるP-v線図とT-s線図の基本的な意味が理解できない
有効エネルギーを理解し簡単な計算ができる有効エネルギーを理解し計算ができる有効エネルギーを理解し簡単な計算ができる有効エネルギーの意味を理解しできない

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
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教育方法等

概要:
熱エネルギの授受にともなって物質(動作流体)の温度,圧力や容積などの状態変化を利用して機械的仕事に変換する関係を,熱力学の第一法則および第二法則をもとにして考察し,熱機関のサイクル(内燃機関、蒸気機関)および冷凍サイクルなどに共通した熱力学上の基礎的な理論を理解する。また,熱力学的な視点から,エネルギーの有効活用,社会や環境におけるエネルギー問題などを考えることができ,様々な工学課題を解決する実践的能力を養う。
授業の進め方・方法:
理解を深めるため,随時,課題を与える。
【関連科目】 熱力学II,伝熱工学
注意点:
実際の身近な熱現象や熱機関を想定しながら考えてみることが大切です。 授業中と試験前の学習のみでなく,平常時の予習と特に復習が大切です。
微積分の基礎知識を理解している必要があります。 関数電卓を持参すること。
【評価方法・評価基準】
前期末成績:前期中間・期末試験(80%),随時行う演習課題(20%)で評価する。
学年末成績:後期に実施する中間・期末試験(40%),随時行う演習課題(10%)で後期の成績を出し,前期末成績(50%)との算術平均で学年末の成績を評価する。
成績の評価基準として50点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 熱力学への導入,基礎的事項 温度の持つ意味,熱平衡の概念を理解し,説明できる。
2週 熱力学で取り扱う物理量(1)温度,圧力,容積 温度の持つ意味,熱平衡の概念を理解し,説明できる。
3週 熱力学で取り扱う物理量(2)熱量,仕事量,比熱,動力 温度の持つ意味,熱平衡の概念を理解し,説明できる。
4週 熱力学の第一法則(1)内部エネルギ,絶対仕事 熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味を理解し,説明できる。
5週 熱力学の第一法則(2)エンタルピの導入 熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味を理解し,説明できる。
6週 熱力学の第一法則(3)開いた系,工業仕事 熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味を理解し,説明できる。
7週 問題演習 熱エネルギと機械的仕事の等価性と熱力学第一法則の意味を理解し,説明できる。
8週 絶対仕事と工業仕事 理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
2ndQ
9週 理想気体の状態式(ボイル・シャールの法則,ガス定数) .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
10週 比熱,内部エネルギー,エンタルピー .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
11週 理想気体の状態変化(1)仕事,熱量,可逆と不可逆 .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
12週 理想気体の状態変化(2)等圧変化,等容変化 .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
13週 理想気体の状態変化(3)等温変化 .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
14週 理想気体の状態変化(4)断熱変化 .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
15週 前期復習、問題演習 .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
16週 前期復習、問題演習 .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
後期
3rdQ
1週 理想気体の状態変化(5)ポリトロープ変化 .理想気体の各状態変化を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
2週 理想気体の不可逆変化,混合気体 熱力学第二法則の概念を理解し,説明できる。
3週 湿り空気 湿り空気の状態変化を理化し、説明できる。
4週 熱力学の第二法則(1)可逆と不可逆,第2法則,熱効率 熱力学第二法則の概念を理解し,説明できる。
5週 熱力学の第二法則(2)カルノーサイクル,逆カルノーサイクル カルノーサイクルを理解し,熱量,熱効率などの計算ができる。
6週 熱力学の第二法則(3)可逆サイクルと不可逆サイクルの熱効率 カルノーサイクルを理解し,熱量,熱効率などの計算ができる。
7週 熱機関と冷凍機,ヒートポンプ カルノーサイクルを理解し,熱量,熱効率などの計算ができる。
8週 可逆変化のエントロピーとクラウジウス積分 熱力学第二法則の概念を理解し,説明できる。
4thQ
9週 エントロピとT-s線図 P-v線図とT-s線図の意味を理解し,説明できる。
10週 固体,液体,理想気体のエントロピー変化 エントロピーを理解し、簡単な計算ができる
11週 熱機関サイクルの状態変化と熱効率 エントロピーを理解し、簡単な計算ができる
12週 有効エネルギー(1)熱を仕事に変換する際の有効エネルギー エントロピ増加の原理を理解し,増加量の計算ができる。
13週 有効エネルギー(2)伝熱過程,閉じた系の有効エネルギー 有効エネルギーを理解し簡単な計算ができる。
14週 有効エネルギー(3)開いた系の有効エネルギー,自由エネルギー,エクセルギー効率 有効エネルギーを理解し簡単な計算ができる。
15週 後期復習、問題演習 熱力学第二法則を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。
16週 後期復習、問題演習 熱力学第二法則を理解し,熱力学的状態量の変化を計算できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000