熱力学II

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 熱力学II
科目番号 15860 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 平田哲夫・田中誠・熊野寛之「例題でわかる工業熱力学」(森北出版)(ISBN978-4-6276-7341-0)
担当教員 義岡 秀晃

到達目標

1.各種ガスサイクルの仕事量,熱効率などの計算ができる。
2.蒸気表,蒸気線図から蒸気の状態量を読み取ることができる。
3.熱力学の一般関係式を求ることができる。
4.ランキンサイクル,再生サイクル,再熱サイクルの仕事量,熱効率などの計算ができる。
5.冷凍機,ヒートポンプの動作係数,必要動力などの計算ができる。
6.燃焼と化学反応によって発生する熱量,仕事への変換量が計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ガスサイクルの理論モデルを理解し,応用に即した熱効率の定量計算ができる.ガスサイクルの理論モデルを理解し,熱効率の定量計算ができる.ガスサイクルの理論モデルの理解が困難である.
評価項目2蒸気の性質を理解し,応用に即して,ランキンサイクルの熱効率と冷凍機のCOPの定量計算ができる.蒸気の性質を理解し,ランキンサイクルの熱効率と冷凍機のCOPの定量計算ができる.蒸気の性質の理解が不足していおり,蒸気サイクルの効率の定量計算が困難である.
評価項目3熱力学の一般関係式の基本を理解し,具体例を挙げて説明できる.熱力学の一般関係式の基本を理解し,説明できる.熱力学の一般関係式を理解することが困難である.
評価項目4化学反応の基本を理解し,応用に即して,発熱量と最大仕事の定量計算ができる.化学反応の基本を理解し,発熱量と最大仕事を定量計算ができる.化学反応の基本を理解が不足していおり,発熱量と最大仕事の定量計算が困難である.

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
創造工学プログラム A1 説明 閉じる
創造工学プログラム B1専門(機械工学) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
熱エネルギの授受に伴い物質(作動流体)の温度,圧力や容積などは変化する。この状態変化を利用して熱エネルギを機械的仕事に変換する関係を,熱力学第一法則および第二法則をもとにして学ぶ。また,その熱機関(内燃機関,蒸気原動機)のサイクルおよび冷凍サイクルなどに共通する熱力学上の基本的な理論を理解する。この授業により,技術者として必要なエネルギ-とその利用に関する基礎学力と専門知識を身につけ,有効利用や省エネルギーの視点で課題の解決が出来ることを望む。学士の学位を取得できる専門の知識と能力を有することを目標とする。
授業の進め方・方法:
講義と演習で学ぶ。
【事前事後学習など】しっかり予習復習をして理解に励むこと。
【関連科目】熱力学I,伝熱工学
注意点:
実際の身近な熱現象や熱機関を想定しながら考えてみることが大切です。
授業中と試験前の学習のみでなく,平常時の予習と特に復習が大切です。
熱力学Iの知識が必要。
【評価方法・評価基準】前期は中間と期末に試験を行なう。前期末の評価方法は,中間試験(40%),期末試験(40%),適宜行う課題や小テスト(20%)で評価し,前期の総合成績とする。
後期は中間と期末に試験を行なう。成績は,中間試験(40%),期末試験(40%),適宜行う課題や小テスト(20%)で評価し,後期の総合成績とする。前期の総合成績と後期の総合成績の算術平均をとり学年末の総合成績とする。60点以上で合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガスサイクル(1)サイクルの分類 ガスサイクルの分類について説明できる.
2週 ガスサイクル(2)オットーサイクルの熱効率 オットーサイクルの熱効率を説明できる.
3週 ガスサイクル(3)ディーゼルサイクルの熱効率 ディーゼルサイクルの熱効率を説明できる.
4週 ガスサイクル(4)サバテサイクルの熱効率 サバテサイクルの熱効率を説明できる.
5週 ガスサイクル(5)ガスサイクルの比較 各種ガスサイクルの違いと特徴,ならびに優劣について説明できる.
6週 ガスサイクル(6)実際のサイクル 理論サイクルと実際のサイクルの違いについて説明できる.
7週 ガスサイクル(7)他のガスサイクル 任意のガスサイクルの熱効率が計算できる.
8週 蒸気の性質 (圧縮液,飽和液,湿り蒸気,乾き飽和蒸気,過熱蒸気,臨界点) 水の等圧蒸気過程を説明できる.飽和蒸気,湿り蒸気,過熱蒸気の状態量を説明できる.
2ndQ
9週 蒸気の状態変化 (蒸気表,圧縮水と過熱蒸気の状態量,湿り蒸気の乾き度) 蒸気の状態量を蒸気表および状態線図から読み取ることができる.
10週 蒸気線図(p-v線図,T-s線図,h-s線図,p-h線図) 蒸気の状態量を蒸気表および状態線図から読み取ることができる.
11週 蒸気の熱力学的状態量,実在気体の状態式 実在気体の理論的取り扱いについて説明できる.
12週 熱力学の一般関係式,マクスウェルの関係式 熱力学の一般関係式について説明できる.
13週 比熱に関する一般関係式 熱力学の一般関係式について説明できる.
14週 ジュール-トムソン効果,相平衡とクラペイロン-クラジウスの式 熱力学の一般関係式について説明できる.
15週 前期復習
16週
後期
3rdQ
1週 蒸気タービン機関のサイクル(1)ランキンサイクルの概要 ランキンサイクルの説明ができる.
2週 蒸気タービン機関のサイクル(2)ランキンサイクルの熱効率 ランキンサイクルの熱効率を計算できる.
3週 蒸気タービン機関のサイクル(3)再熱サイクルの熱効率 ランキンサイクルの再熱サイクルを説明できる.
4週 蒸気タービン機関のサイクル(4)再生サイクルの熱効率 ランキンサイクルの再生サイクルを説明できる.
5週 蒸気タービン機関のサイクル(5)再熱・再生,複合サイクル 複合サイクルについて説明できる.
6週 冷凍サイクル(1)冷凍機,ヒートポンプ,動作係数 冷凍機とヒートポンプの基礎概念を理解し,説明できる.
7週 冷凍サイクル(2)冷凍機の構成と冷媒 冷凍機とヒートポンプの基礎概念を理解し,説明できる.
8週 冷凍サイクル(3)蒸気圧縮式冷凍サイクルとP-h線図 蒸気圧縮式冷凍サイクルとそのP-h線図について説明できる.
4thQ
9週 冷凍サイクル(4)蒸気圧縮式冷凍サイクルの運転とCOP 蒸気圧縮式冷凍サイクルの運転を理解し,COPの計算ができる.
10週 冷凍サイクル(5)吸収式冷凍サイクルの構成,デューリング線図 吸収式冷凍サイクルについて説明できる.
11週 冷凍サイクル(6)吸収式冷凍サイクルとh-ξ線図 吸収式冷凍サイクルのCOPが計算できる.
12週 燃焼と化学反応(1)反応熱と発熱量,ヘスの法則,標準生成エンタルピー 反応熱と発熱量,ヘスの法則,標準生成エンタルピーについて説明できる.
13週 燃焼と化学反応(2)燃焼による発熱 燃焼と化学反応による発熱量が計算できる.
14週 燃焼と化学反応(3)化学反応によるエネルギー,燃料電池,標準生成ギブス自由エネルギー 化学反応によって取り出しうる最大仕事の計算ができる.
15週 後期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000