材料学I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 材料学I
科目番号 15910 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 日本機械学会「機械材料学」(日本機械学会)
担当教員 倉部 洋平

到達目標

1.金属の結晶構造について説明できる。
2. 金属の塑性変形について説明できる。
3.加工硬化について説明できる。
4.合金について説明できる。
5.平衡状態図について説明できる。
6.純鉄および炭素鋼の変態について説明できる。
7.鋼の機械的性質について説明できる。
8.鋼の熱処理について説明できる。
9.炭素鋼について説明できる。
10.合金鋼について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
金属の結晶構造について説明できる.金属材料の結晶構造の種類および特徴を理解し,図示して説明することができる.金属材料の結晶構造の種類および特徴を理解し,説明することができる.金属材料の結晶構造の種類および特徴を理解し,説明することが困難である.
金属の塑性変形および加工硬化について説明できる。金属の塑性変形および加工硬化の発生メカニズムを理解し,金属の強化方法について説明できる.金属の塑性変形および加工硬化の発生メカニズムを理解し,説明することができる.金属の塑性変形および加工硬化の発生メカニズムについて説明することが困難である.
合金について説明できる.合金の種類および特徴を理解し,添加元素が及ぼす影響について説明ができる.合金の種類および特徴を理解し,説明することができる.合金の種類および特徴を理解し,説明することが困難である.
炭素鋼の平衡状態図について説明できる.平衡状態図を理解し,金属材料の組織変態過程を図示して説明することができる.平衡状態図を理解し,説明することができる.平衡状態図を理解し,説明することが困難である.
鋼の機械的性質について説明できる。鋼の種類および機械的性質の特徴を理解し,使用環境下に合わせた材料の選択ができる.鋼の種類および機械的性質の特徴を理解し,説明することができる.鋼の種類および機械的性質の特徴を理解し,説明することが困難である.
鋼の熱処理について説明できる。鋼の熱処理について理解し,TTT線図およびCCT線図から目的に応じた熱処理方法を選択することができる.鋼の熱処理について理解し,特徴について説明することができる.鋼の熱処理について理解し,特徴について説明することが困難である.
炭素鋼および合金鋼について説明できる.炭素鋼および合金鋼の種類および特徴を理解し,使用目的に応じた材料の選択ができる.炭素鋼および合金鋼の種類および特徴を理解し,説明することができる.炭素鋼および合金鋼の種類および特徴を理解し,説明することが困難である.

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
金属材料の諸性質を学ぶことは,機械・構造物の安全な設計の観点から重要である。機械を構成する材料に主眼をおき,それらの材料を製造
する立場からとそれらを使用する立場の両面から勉学する。結晶構造,金属結合など基礎的事項から,炭素鋼の平衡状態図の見方,変態と組
織及び機械的性質との関連など実践的な専門知識を身に付ける。実践の場での問題解決にも取組み,適切な材料を選択できるエンジニアを目
指す。
授業の進め方・方法:
【事前事後学習など】
到達目標の達成度を確認するために,レポートやノートの提出を随時行う。小試験と同様の評価を行う。
【評価方法・評価基準】
前後期ともに中間試験,期末試験を行う。
定期試験(80%),毎時間行う小試験(20%)
成績の評価基準として50点以上を合格とする。
注意点:
【履修上の注意事項や学習上の助言】
材料学では,専門用語や平衡状態図の見方など,機械技術者として身に付けておくべき事項を覚えることが必要になります。
したがって,平常時からノートを作成し繰返し復習することが大切です。また,興味のある事項は自ら進んで調べ,ノートに残し,将来に向けての資
料作りを進める必要があります。図書館に多数の関連書籍があります。
【関連科目】
機械工作法,機械設計製図,機械実習

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス 技術者として金属材料の重要性および必要性について理解できる.
2週 金属の結晶構造(BCC,FCC) 金属の結晶構造であるBCCとFCCの特徴を理解し,原子充填率などを計算することができる.
3週 金属の結晶構造(HCP) 金属の結晶構造であるHCPの特徴を理解し,BCCおよびFCCとの違いについて説明ができる.
4週 塑性変形メカニズム(転位,すべり,双晶) 塑性変形のメカニズムについて理解し,金属材料の強化方法について説明ができる.
5週 加工硬化と再結晶 加工硬化と再結晶について理解し,その過程を説明できる.
6週 合金の相・固溶体 合金の相および固溶体について理解し,基礎用語を説明することができる.
7週 合金の凝固過程と平衡状態図 合金の凝固過程と平衡状態図に関わる基礎用語を説明することができる.
8週 製鉄・製鋼法 鉄鋼材料の製鉄・製鋼法について理解し,化学反応式を用いて説明することができる.
2ndQ
9週 Fe-C系平衡状態図とその見方 Fe-C系平衡状態図に見受けられる組織の基礎用語について説明することができる.
10週 純鉄の変態と組織 純鉄の結晶構造変化について,図示して説明することができる.
11週 炭素鋼の変態と組織 Fe-C系平衡状態図から炭素鋼の組成および温度の変化による組織変態過程の変化について説明することができる.
12週 機械材料に求められる性質 身近な機械製品などを例に挙げ,必要とされる材料の性質について説明することができる.
13週 鋼の機械的性質(引張試験法,応力とひずみ線図) 鋼の引張強度試験法について理解し,応力-ひずみ線図から機械的性質を計算できる.
14週 鋼の機械的性質(各種硬度試験法と硬さ) 硬さの概念を理解し,硬さ試験法の種類および特徴について説明できる.
15週 前期復習
16週
後期
3rdQ
1週 炭素鋼の諸性質と用途 炭素鋼の種類および性質的特徴について理解し,説明することができる.
2週 鋼の熱処理(焼きなまし,焼きならし,焼入れ,焼戻し) 鋼の熱処理方法の種類と特徴について説明することができる.
3週 衝撃試験(脆性と靱性) 衝撃試験法の特徴について理解し,鋼の脆性と靱性について説明することができる.
4週 鋼板および粉末冶金法 鋼および粉末冶金法について理解し,材料の使用目的に応じた選択ができる.
5週 合金の諸性質と用途 合金の種類および性質的特徴について理解し,説明することができる.
6週 特殊元素と焼入れ性 合金に添加する特殊元素と焼入れ性の関係について説明することができる.
7週 構造用合金鋼の諸性質と用途 構造用合金鋼の種類および性質的特徴について理解し,説明することができる.
8週 疲労試験(S-N曲線) S-N曲線の読み方を理解し,疲労試験と引張試験の違いについて説明することができる.
4thQ
9週 炭素鋼工具鋼の諸性質と用途 炭素鋼工具鋼の種類および性質的特徴について理解し,説明することができる.
10週 高速度鋼およびサーメットの諸性質 高速度鋼およびサーメットの種類および性質的特徴について理解し,炭素鋼工具鋼との違いを説明することができる.
11週 切削工具用セラミックス 切削工具用セラミックスの種類および性質的特徴について理解し,説明することができる.
12週 軸受鋼およびばね鋼の諸性質と用途 軸受鋼およびばね鋼の種類および性質的特徴について理解し,説明することができる.
13週 鉄鋼材料の選択法 各鉄鋼材料の特徴を基に,使用目的に応じた適切な材料選択ができる.
14週 鉄鋼の腐食と防錆法 鉄鋼材料の腐食発生メカニズムとその防止法について説明できる.
15週 後期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力0000000
専門的能力80000020100
分野横断的能力0000000