制御工学

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学
科目番号 15980 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 黒須茂「制御工学入門」(パワー社)/森泰親「演習で学ぶ基礎制御工学」(森北出版),鳥羽栄治ほか「制御工学演習」(森北出版)
担当教員 石田 博明

到達目標

1.自動制御系を構成する基本要素が説明できる。
2.閉ループ制御系の特性(良い応答・悪い応答)が説明できる。
3.微分方程式を使ってさまざまな動的システムが表現できる。
4.微分方程式を解析し,数値計算やシミュレーションが行える。
5.ラプラス変換・逆ラプラス変換を自在に活用できる。
6.代表的な入出力の形を伝達関数で表現できる。
7.基本的な要素に対するインパルス・インディシャル応答を説明できる。
8.ブロック線図の結合・等価変換が行える。
9.比例・積分・微分制御における各動作の働きと特徴を説明できる。
10.基本的な要素に対し周波数応答の表現を行うことができる。
11.伝達関数をもとに実際にベクトル軌跡を描くことができる。
12.伝達関数から実際にボード線図を作図することができる。
13.特性方程式(ラウス,フルビッツの方法)を使い安定判別ができる。
14.ベクトル軌跡,ボード線図からシステムの安定判別ができる。
15.ナイキスト線図からシステムの安定判別ができる。
16.現代制御の手法や例が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1,2自動制御系を構成する基本要素が説明できる。 閉ループ制御系の特性(良い応答・悪い応答)が説明できる。 自動制御系を構成する基本要素が簡単に説明できる。 閉ループ制御系の特性(良い応答・悪い応答)が簡単に説明できる。 自動制御系を構成する基本要素が説明できない。 閉ループ制御系の特性(良い応答・悪い応答)が説明できない。
到達目標 項目3,4微分方程式を使ってさまざまな動的システムが表現できる。 微分方程式を解析し,数値計算やシミュレーションが行える。 微分方程式を使って基本的な動的システムが表現できる。 微分方程式を解析し,数値計算やシミュレーションが一応行える。 微分方程式を使って動的システムが表現できない。 微分方程式を解析し,数値計算やシミュレーションが行えない。
到達目標 項目5,6,7,8ラプラス変換・逆ラプラス変換を自在に活用できる。 代表的な入出力の形を伝達関数で表現できる。 基本的な要素に対するインパルス・インディシャル応答を説明できる。 標準的なラプラス変換・逆ラプラス変換を活用できる。 基本的な入出力の形を伝達関数で表現できる。 基本的な要素に対するインパルス・インディシャル応答を説明できる。 ラプラス変換・逆ラプラス変換を活用できない。 代表的な入出力の形を伝達関数で表現できない。 基本的な要素に対するインパルス・インディシャル応答を説明できない。
到達目標 項目8ブロック線図の結合・等価変換が行える。 簡単なブロック線図の結合・等価変換が行える。 ブロック線図の結合・等価変換が行えない。
到達目標 項目9比例・積分・微分制御における各動作の働きと特徴を説明できる。 比例・積分・微分制御における各動作の働きと特徴を簡単に説明できる。 比例・積分・微分制御における各動作の働きと特徴を説明できない。
到達目標 項目10,11,12基本的な要素に対し周波数応答の表現を行うことができる。 伝達関数をもとに実際にベクトル軌跡を描くことができる。 伝達関数から実際にボード線図を作図することができる。 基本的な個別の要素に対し周波数応答の表現を行うことができる。 伝達関数をもとに実際にベクトル軌跡を描くことができる。 伝達関数から実際にボード線図を作図することができる。 基本的な要素に対し周波数応答の表現を行うことができない。 伝達関数をもとに実際にベクトル軌跡を描くことができない。 伝達関数から実際にボード線図を作図することができない。
到達目標 項目13,14,15特性方程式(ラウス,フルビッツの方法)を使い安定判別ができる。 ベクトル軌跡,ボード線図からシステムの安定判別ができる。 ナイキスト線図からシステムの安定判別ができる。特性方程式からラウス,フルビッツの方法を使うことができる。 ベクトル軌跡,ボード線図のよるシステムの安定判別方法が説明できる。 ナイキスト線図によるシステムの安定判別方法が説明できる。特性方程式(ラウス,フルビッツの方法)を使っての安定判別ができない。 ベクトル軌跡,ボード線図からシステムの安定判別ができない。 ナイキスト線図からシステムの安定判別ができる。
到達目標 項目16現代制御の手法や例が説明できる。 現代制御の手法や例がいくつか列挙できる。現代制御の手法や例が説明できない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
創造工学プログラム A1 説明 閉じる
創造工学プログラム B1専門(機械工学) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
制御工学は,産業ばかりでなく社会や地球環境など全ての分野の発展のために広く利用されるようになり,その内容はより複雑・高度化している。これら制御技術を理解し応用できるよう,フィードバック制御系を中心に基礎理論と解析手法を学習する。
この授業では,技術者として必要な基礎学力および専門知識を身につけるとともに,制御工学を通して,問題の設定から課題解決および評価に至る過程について学ぶ。
授業の進め方・方法:
【事前事後学習】
学習の理解を深めるため,教科書内の課題およびプリントを使って演習を行う。
到達目標の達成度を確認するため,必要に応じて演習課題を与える。
【関連科目】応用数学,機械力学,熱力学,流れ学,機械工学実験Ⅱ
【MCC対応】Ⅴ-A-8 計測制御
注意点:
授業中の学習がまず基本ですが,必要に応じて予習や復習も大切です。
課題や演習は,最初他の学生に教えてもらうことがあっても,最終的には自分の力で必ず解いてみて理解を深めることが必要です。
演習問題は教科書や授業中に示されたものだけでなく,積極的に多くの課題に取り組むことが大切です。
【評価方法・評価基準】
中間試験,前期末試験,学年末試験の定期試験(計4回)を実施する。
前期末評価:前期定期試験(70%),前期課題(20%),随時行う前期小テスト等(10%)
後期末評価:後期定期試験(70%),後期課題(20%),随時行う後期小テスト等(10%)
学年末評価:前期末評価(50%),後期末評価(50%)
成績の評価基準として60点以上を合格とする。

テスト

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 自動制御の基本構成,動的システムと静的システム 自動制御系を構成する基本要素が説明できる。
閉ループ制御系の特性(良い応答・悪い応答)が説明できる。
2週 動的システムの微分方程式による表現 微分方程式を使ってさまざまな動的システムが表現できる。
3週 式の解析および数値計算による解法,シミュレーション 微分方程式を解析し,数値計算やシミュレーションが行える。
4週 非線形システムの線形化 微分方程式を使ってさまざまな動的システムが表現できる。
5週 力学系・電気系の類似,動的パターンの式 微分方程式を使ってさまざまな動的システムが表現できる。
6週 ラプラス変換,伝達関数の定義 ラプラス変換・逆ラプラス変換を自在に活用できる。
7週 過渡応答の代表的な入力とラプラス変換 代表的な入出力の形を伝達関数で表現できる。
8週 代表的な要素の伝達関数 代表的な入出力の形を伝達関数で表現できる。
2ndQ
9週 1次系の過渡応答,時定数,比例感度 基本的な要素に対するインパルス・インディシャル応答を説明できる。
10週 水槽液面のステップ応答シミュレーション 基本的な要素に対するインパルス・インディシャル応答を説明できる。
11週 2次系の過渡応答,不足制動,臨界制動,過制動 基本的な要素に対するインパルス・インディシャル応答を説明できる。
12週 2次系インパルス応答シミュレーション 基本的な要素に対するインパルス・インディシャル応答を説明できる。
13週 系の結合,ブロック線図の等価変換 ブロック線図の結合・等価変換が行える。
14週 伝達マトリックスによる結合 ブロック線図の結合・等価変換が行える。
15週 前期復習
16週
後期
3rdQ
1週 フィードバック制御系の基本制御動作 比例・積分・微分制御における各動作の働きと特徴を説明できる。
2週 PID制御,調節器による最適調整 比例・積分・微分制御における各動作の働きと特徴を説明できる。
3週 周波数応答と周波数伝達関数 基本的な要素に対し周波数応答の表現を行うことができる。
4週 周波数応答の結果の表現,ベクトル軌跡による方法 伝達関数をもとに実際にベクトル軌跡を描くことができる。
5週 ベクトル軌跡作図演習 伝達関数をもとに実際にベクトル軌跡を描くことができる。
6週 周波数応答の結果の表現,ボード線図 伝達関数から実際にボード線図を作図することができる。
7週 ボード線図作図演習 伝達関数から実際にボード線図を作図することができる。
8週 安定判別法 ベクトル軌跡,ボード線図からシステムの安定判別ができる。
4thQ
9週 フィーバック系の安定判別(ゲイン余裕,位相余裕) ベクトル軌跡,ボード線図からシステムの安定判別ができる。
10週 特性方程式によるラウスの方法 特性方程式(ラウス,フルビッツの方法)を使い安定判別ができる。
11週 特性方程式によるフルビッツの方法 特性方程式(ラウス,フルビッツの方法)を使い安定判別ができる。
12週 ナイキストの安定判別法 ナイキスト線図からシステムの安定判別ができる。
13週 新しい制御理論の特徴 現代制御の手法や例が説明できる。
14週 現代制御理論 現代制御の手法や例が説明できる。
15週 後期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野計測制御自動制御の定義と種類を説明できる。4
フィードバック制御の概念と構成要素を説明できる。4前3
基本的な関数のラプラス変換と逆ラプラス変換を求めることができる。4
ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。4
伝達関数を説明できる。4前2,前3
ブロック線図を用いて制御系を表現できる。4前3
制御系の過渡特性について説明できる。4前3
制御系の定常特性について説明できる。4前2,前3
制御系の周波数特性について説明できる。4前3
安定判別法を用いて制御系の安定・不安定を判別できる。4前3

評価割合

試験課題小テスト合計
総合評価割合702010100
基礎的能力0000
専門的能力702010100
分野横断的能力0000