科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 倫理
科目番号 20023 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 『高校倫理』(実教出版)、『グローバルワイド最新世界史図表』(第一学習社)
担当教員 佐々木 香織

到達目標

1.西洋における哲学・倫理学の知識を得、考え方を理解する。
2.中国における哲学・倫理学の知識を得、考え方を理解する。
3.日本思想の知識を得、その特徴を理解する。
4.国際社会における宗教の在り方を理解する。
5.科学技術史と思想との関係について理解する。
6.哲学・倫理学・歴史・宗教に関する語句を正しく読解・表記できる。
7.学習を通して得た知識を利用しながら、ある問いに対して自ら考察できる。
8.自らの考察を客観的・論理的に表現・記述できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1 項目1,2,3,4,5,6,7哲学・倫理学の知識を得、それを利用しながら自ら問いを立て考察を行うことができる。哲学・倫理学についての正確な知識を得る。哲学・倫理学に関する語句を正しく読解できない。それぞれの考え方の意味が説明できない。
評価項目2 項目1,2,3,4,5,6,8哲学・倫理学について自ら調査・資料収集し、その内容について考察したことを論理的に表現・表記できる哲学・倫理学について調査したことを論理的に表現・表記できる哲学・倫理学について調査したことを表現・表記できない

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 3 説明 閉じる

教育方法等

概要:
国際社会への幅広い視点を持ち、社会や環境に配慮できる技術者となるためには、その基盤となる人間の在り方や社会の仕組み、現代世界が形成された過程を知る必要がある。そこで本授業では、哲学・倫理学の基礎的知識の習得を主眼とし、その学習成果を論理的に記述し表現できる基礎学力を養うことを目標とする。
授業の進め方・方法:
到達目標を達成するため、随時、資料調査、論述文作成などの課題を課す。
事前事後学習:休暇時にレポート課題を与える。
関連科目:哲学,政治・経済,歴史Ⅰ・Ⅱ
MCC対応:Ⅲ-C 社会、Ⅶ 汎用的技能、態度・志向性(人間力)、Ⅷ 態度・志向性(人間力)、Ⅸ 総合的な学修経験と創造的思考力
注意点:
【評価方法・評価基準】
前期中間・前期末・後期中間・学年末の各試験を実施する。成績の評価基準として50点以上を合格とする。
前期末:中間試験成績(50%)、期末試験成績(50%)
学年末:定期試験成績(80%)、長期休暇課題(20%)
    定期試験成績は4回の試験をそれぞれ20%として算出する。
長期休暇課題は必ず提出すること。提出を怠ることは、試験を1回受けないのと同じことです。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 現代の課題-哲学を学ぶ意義- なぜ哲学・倫理学を学ぶのか、思想を通じて何を身につけるのかについて理解できる。
2週 ポリス社会と自然哲学 古代ギリシアのポリス社会の特質と自然哲学の発祥についての知識を得る。
3週 ペルシャ戦争とアテネ ポリス社会におけるペルシア戦争の影響とソクラテスの哲学についての知識を得る。
4週 プラトンの哲学 イデア論を中心にプラトンの思想的特質について知識を得る。
5週 アリストテレスの哲学 アリストテレスの目的論的自然観と、その思想的特質についての知識を得る。
6週 ヘレニズムの哲学 アレクサンドロスの東征とヘレニズム期の哲学についての知識を得る。
7週 復習・論述指導 自らの考察を客観的・論理的に表現する技術を学ぶ。
8週 一神教の成立 ユダヤ教の発祥とその特質についての知識を得る。
2ndQ
9週 キリスト教の拡大 キリスト教の思想的特質とヨーロッパ世界における拡大について知識を得る。
10週 原始仏教とその教説 ガウタマ=シッダールタの生涯を通じて、原始仏教の成立とその教義についての知識を得る。
11週 中国の思想 諸子百家の思想の成立について理解し、とりわけ孔子の儒家思想の知識を得る。
12週 古代日本の精神世界 伊勢神宮および石川の伝統的信仰形態を通じて日本の風土と伝統についての知識を得る。
13週 仏教の伝来 聖徳太子の逸話・思想を中心に、飛鳥時代の精神世界と仏教受容の在り方についての知識を得る
14週 日本的仏教の展開 奈良・平安時代から鎌倉新仏教に至る日本仏教史の知識を得る。
15週 前期復習 学習を通して得た知識や資料を活用してある問いに対して自ら考察し、その成果を客観的・論理的に表現・論述できる。
16週
後期
3rdQ
1週 中世キリスト教世界 ヨーロッパ中世におけるキリスト教会の強権とその思想についての知識を得る。
2週 ルネサンスの人間観と宗教改革 近代におけるルネサンスの意味と思想家の教説について理解する。
3週 宗教改革 ルターおよびカルヴァンの宗教改革についての知識を得る。
4週 ベーコンとイギリス経験論 ベーコンの哲学から、特に近代の帰納法の考え方について理解する。
5週 デカルトと大陸合理論 デカルトの哲学から、特に演繹法の考え方について理解する。
6週 カントの自由論 『純粋理性批判』における自然因果律と自由との関係について知識を得る。
7週 カントの道徳思想 『実践理性批判』における自律としての自由について知識を得る。
8週 ヘーゲルの歴史哲学 フランス革命の進展とヘーゲルの歴史観についての知識を得る。
4thQ
9週 復習・論述指導 自らの考察を客観的・論理的に表現する技術を学ぶ。
10週 功利主義と自由主義 産業革命による社会の変遷と、ベンサム、ミルの功利主義について知識を得る。
11週 社会主義思想の成立 マルクスの社会主義思想やロシア革命、現在の社会主義国の現状についての知識を得る。
12週 実存主義の登場 20世紀の社会状況とキルケゴール、ニーチェなどの基本的な立場についての知識を得る。
13週 実存主義哲学の潮流 第二次世界大戦前後の状況とヤスパース、ハイデガー、サルトルの実存主義哲学の知識を得る。
14週 構造主義と現代 サルトルとレヴィ・ストロースの論争を通じて、構造主義の基本的な立場についての知識を得る。
15週 後期復習 学習を通して得た知識や資料を活用してある問いに対して自ら考察し、その成果を客観的・論理的に表現・論述できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。3
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。3
近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
帝国主義諸国の抗争を経て二つの世界大戦に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、平和の意義について考察できる。3
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。3
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。3
公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。5
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。4
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。2
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。2
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。2
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。2
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。2
他者の意見を聞き合意形成することができる。2
合意形成のために会話を成立させることができる。2
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。2
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。2
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。2
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。2
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。2
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。2
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。2
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる2
複数の情報を整理・構造化できる。2
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。2
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。2
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。2
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。2
事実をもとに論理や考察を展開できる。2
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。2
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。2
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。2
目標の実現に向けて計画ができる。2
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。2
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。2
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。2
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。2
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。2
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。2
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。2
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。2
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。2
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている2
法令やルールを遵守した行動をとれる。2
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。2
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。2
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。2
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。2
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。2
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。2
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。2
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。2
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。2
企業には社会的責任があることを認識している。2
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。2
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。2
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。2
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。2
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。2
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。2
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。2
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。2
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。2
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。2
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。2

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力401050
専門的能力401050
分野横断的能力000