科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 哲学
科目番号 20026 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 機械工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 教材:プリント配布 参考書:鈴木宏昭『教養としての認知科学』、東京大学出版 会、2016年。その他
担当教員 鈴木 康文

到達目標

1.さまざまな世界観や人間観、その歴史や意味、それを支える社会制度について理解する。
2.哲学的課題に関する資料について、その内容を理解し説明できる。
3.現代の社会問題について、複眼的な視点から考察できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1さまざまな世界観や人間観、その歴史や意味、それを支える社会制度について説明できる。さまざまな世界観や人間観、その歴史や意味、それを支える社会制度について理解できる。さまざまな世界観や人間観、その歴史や意味、それを支える社会制度について理解できない。
到達目標 項目2哲学的課題に関する資料について理解し、その内容を要約し正確に説明できる。哲学的課題に関する資料について理解し、説明できる。哲学的課題に関する資料について、その内容を理解できない。
到達目標 項目3現代の社会問題について、複眼的な視点から考察し、正しく理解し説明できる。現代の社会問題について、複眼的な視点から考察できる。現代の社会問題のいくつかについて、複眼的な視点を持ち得ない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 3 説明 閉じる
本科学習目標 4 説明 閉じる
創造工学プログラム C1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 人間の本質を理性的に自らの人生を切り開く自由・自律 の精神にある、と捉える近代的な立場を主題として、その歴史背景、意義、および社会的展開を明らかにする。 その上で、この近代的な人間観を、社会と環境に関する現代の具体的 な事例をもとに、さまざまな立場から批判的に吟味する。さらに相互の対話を介してその成果を論理的に表現する能力を養う。
授業の進め方・方法:
事前事後学習など:必要に応じて課題を課す。
関連科目:倫理,現代社会,歴史,地理,法と社会秩序
MCC対応:Ⅲ-C 社会、Ⅶ 汎用的技能、態度・志向性(人間力)、Ⅷ 態度・志向性(人間力)、Ⅸ 総合的な学修経験と創造的思考力
注意点:
前期中間試験、前期末試験を実施する。
定期試験(80%)、レポート(10%)、取り組み状況(10%)
取り組み状況は、小レポートの提出を評価する。
成績の評価基準として60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 イントロダクション 現代の価値観「かけがえのない個」の意義を説明できる
2週 自由主義(1) 人間の本質は自由か理性か?を説明できる
3週 自由主義(2) 愚行権、さらに法と道徳の問題について説明できる
4週 功利主義(1) トロッコ問題から功利的な社会を把握し説明できる
5週 功利主義(2) 民主主義と多数決原理の問題点を説明できる
6週 事例:原発問題(1) 映画『パンドラの約束』をみてエネルギー問題を概説できる
7週 事例:原発問題(2) 映画『パンドラの約束』をみて技術のありかたを説明できる
8週 事例:原発問題(3) 安全と安心(リスク評価とその限界、感情について)を説明できる
2ndQ
9週 人間の権利(人権)と動物の権利(1) 動物に対するさまざまな見方・態度を説明できる
10週 人間の権利(人権)と動物の権利(2) 人間と動物を分けるものは何かを説明できる
11週 現代の人間観(理性と感性)(1) 人間の認識能力を説明できる
12週 現代の人間観(理性と感性)(2) 人間の理性能力の限界と直観能力を説明できる
13週 諍いと戦争(1) 戦争について人類史から説明できる
14週 諍いと戦争(2) 人間の理性の信頼性について説明できる
15週 前期復習 現代の価値観・人間観について概略説明できる
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会公民的分野人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。4
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。4
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。4
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3
他者の意見を聞き合意形成することができる。3
合意形成のために会話を成立させることができる。3
グループワーク、ワークショップ等の特定の合意形成の方法を実践できる。3
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3
法令やルールを遵守した行動をとれる。3
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3
自身の将来のありたい姿(キャリアデザイン)を明確化できる。3
その時々で自らの現状を認識し、将来のありたい姿に向かっていくために現状で必要な学習や活動を考えることができる。3
キャリアの実現に向かって卒業後も継続的に学習する必要性を認識している。3
これからのキャリアの中で、様々な困難があることを認識し、困難に直面したときの対処のありかた(一人で悩まない、優先すべきことを多面的に判断できるなど)を認識している。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3
企業等における技術者・研究者等の実務を認識している。3
企業人としての責任ある仕事を進めるための基本的な行動を上げることができる。3
企業における福利厚生面や社員の価値観など多様な要素から自己の進路としての企業を判断することの重要性を認識している。3
企業には社会的責任があることを認識している。3
企業が国内外で他社(他者)とどのような関係性の中で活動しているか説明できる。3
調査、インターンシップ、共同教育等を通して地域社会・産業界の抱える課題を説明できる。3
企業活動には品質、コスト、効率、納期などの視点が重要であることを認識している。3
社会人も継続的に成長していくことが求められていることを認識している。3
技術者として、幅広い人間性と問題解決力、社会貢献などが必要とされることを認識している。3
技術者が知恵や感性、チャレンジ精神などを駆使して実践な活動を行った事例を挙げることができる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業等でどのように活用・応用されているかを認識できる。3
企業人として活躍するために自身に必要な能力を考えることができる。3
コミュニケーション能力や主体性等の「社会人として備えるべき能力」の必要性を認識している。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

試験レポート取り組み状況合計
総合評価割合801010100
基礎的能力801010100
専門的能力0000
分野横断的能力0000