流れ学I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 流れ学I
科目番号 20124 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 機械工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 図解はじめて学ぶ流体の力学(ISBN978-4-5260-6449-4),演習で学ぶ「流体の力学」入門(ISBN978-4-7980-3950-3)
担当教員 長谷川 雅人

到達目標

1.各物理量の次元と単位を理解しSI 単位系で表現できること。
2.流れ現象の基礎となる流体の力学的諸性質の定義を述べることができる。
3.絶対圧とゲージ圧の違いを理解し静水圧分布を定式化できること。
4.マノメータから圧力差を計算できること。
5.相対的静止運動を理解し計算できること。
6.平面壁および曲面壁に作用する全圧力,圧力中心を計算できること。
7.浮力を理解して計算できること。
8.浮揚体の静安定性を評価できること。
9.流れの状態を表す基礎的な用語の意味を理解すること。
10.連続の式を理解し流れ場に応用できる。
11.ベルヌーイの定理を理解し流れ場に応用できる。
12.ピトー管,ベンチュリー管,オリフィス等の流体計測装置の測定原理を理解し説明ができる。
13.運動量の法則を理解し流体-物体間に生じる力学作用に応用できる。
14.運動量の法則を水車等の動力機械に適用することができる。
15.角運動量の法則を理解し説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1−3流れ学の基本を理解し,具体例を挙げて説明できる.流れ学の基本を理解し,説明できる.流れ学の基本を理解することが困難である.
到達目標 項目4−8静止流体の理論モデルを理解し,応用に即した定量計算ができる.静止流体の理論モデルを理解し,定量計算が概ねできる.静止流体の理論モデルの理解が困難である.
到達目標 項目9−15流体の運動に関する理論モデルを理解し,応用に即した定量計算ができる.流体の運動に関する理論モデルを理解し,定量計算が概ねできる.流体の運動に関する理論モデルの理解が困難である.

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
空気,水などの流体の静止および運動の力学を物理的な解釈に重点を置きながら,流れの現象についての理解を深め,必要な基礎学力を身につける。また,環境問題をはじめ多くの技術的場面で遭遇する流れ場での実践的な課題解決の能力を習得する。主として流れの運動は1次元とし,4年次で学ぶ「流れ学II」の学習につながるように応用能力の素地を養う。
授業の進め方・方法:
講義と演習で学ぶ。
【事前事後学習など】しっかり予習復習をして理解に励むこと。
【関連科目】流れ学II,機械設計製図II,機械工学実験I,機械工学実験II,流体力学
【MCC対応】V-A-4 熱流体
注意点:
授業中とテスト直前の学習のみでなく,平常時の予習と特に復習が大切です。
演習課題のレポートは必ず提出すること。
微積分の基礎知識を理解している必要があります。
関数電卓を持参すること。
【評価方法・評価基準】前期期末:前期に実施する中間・期末試験(80%),随時行う演習課題(20%)で成績を評価する。
学年末 :後期に実施する中間・期末試験(40%),随時行う演習課題(10%)で後期の成績を出し、前期期末成績(50%)との算術平均で学年末の成績を評価する。50点以上で合格とする。

テスト

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 流れ学への導入,単位と単位系 流体の定義と力学的な取り扱い方を説明できる.
2週 流体の物理的性質 流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を説明できる.絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる.
3週 流体の分類 圧縮性流体と非圧縮性流体の違いを説明できる.ニュートンの粘性法則,ニュートン流体,非ニュートン流体を説明できる.
4週 表面張力と毛細現象 表面張力と毛細現象を説明できる.
5週 圧力の定義 パスカルの原理を説明できる.
6週 静止流体の圧力とその測定方法,マノメータ 液柱計やマノメータを用いて圧力を測定できる.
7週 相対的静止での圧力 相対的静止を説明できる.
8週 総合演習
2ndQ
9週 平面壁に作用する全圧力と圧力中心 平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を説明できる.
10週 曲面に作用する力 平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を説明できる.
11週 容器内に作用する圧力 容器内に作用する圧力を説明できる.
12週 浮力 物体に作用する浮力を計算できる.
13週 浮揚体の静安定性 浮揚体の静安定性を説明できる.
14週 総合演習
15週 前期復習
16週
後期
3rdQ
1週 流れの状態 定常流と非定常流の違いを説明できる.層流と乱流の違いを説明できる.レイノルズ数と臨界レイノルズ数を説明できる.
2週 流れの表し方(流線,流跡線,流脈線) 流線と流管の定義を説明できる.
3週 連続の式 質量保存式と連続の式を説明できる.連続の式を用いて流速と流量を計算できる.
4週 オイラーの運動方程式 オイラーの運動方程式を説明できる.
5週 ベルヌーイの定理 エネルギー保存則とベルヌーイの式を説明できる.
6週 ベルヌーイの定理の応用 ピトー管,ベンチュリー管,オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる.
7週 ベルヌーイの定理の応用 ピトー管,ベンチュリー管,オリフィスを用いた流量や流速の測定原理を説明できる.
8週 総合演習
4thQ
9週 運動量の法則(1) 運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できる.
10週 運動量の法則(2) 運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できる.
11週 運動量の法則の応用(1) 運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できる.
12週 運動量の法則の応用(2) 運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できる.
13週 運動量の法則の応用(3)水車等 運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できる.
14週 角運動量の法則 角運動量の法則を理解し,流体が物体に及ぼす力を計算できる.
15週 総合演習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学機械系分野熱流体流体の定義と力学的な取り扱い方を理解し、適用できる。4
流体の性質を表す各種物理量の定義と単位を理解し、適用できる。4
ニュートンの粘性法則、ニュートン流体、非ニュートン流体を説明できる。4
絶対圧力およびゲージ圧力を説明できる。4
パスカルの原理を説明できる。4
液柱計やマノメーターを用いた圧力計測について問題を解くことができる。4
平面や曲面に作用する全圧力および圧力中心を計算できる。4
物体に作用する浮力を計算できる。4
定常流と非定常流の違いを説明できる。4
流線と流管の定義を説明できる。4
連続の式を理解し、諸問題の流速と流量を計算できる。4
オイラーの運動方程式を説明できる。4
ベルヌーイの式を理解し、流体の諸問題に適用できる。4
運動量の法則を理解し、流体が物体に及ぼす力を計算できる。4
層流と乱流の違いを説明できる。3
レイノルズ数と臨界レイノルズ数を理解し、流れの状態に適用できる。3

評価割合

試験課題合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000