制御工学II

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成29年度 (2017年度)
授業科目 制御工学II
科目番号 16440 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 杉江俊治, 藤田政之「フィードバック制御入門」(コロナ社)
担当教員 河合 康典

到達目標

1.システムの周波数応答を理解し, ベクトル軌跡による表示を行える。
2.ボード線図による表示を行える。
3.フィードバック系の内部安定性を理解し, ナイキストの安定判別法を行える。
4.フィードバック系の安定余裕を理解し, 求めることができる。
5.PID補償によるフィードバック制御系の設計法を行える。
6.ループ整形の考え方を理解し,位相進み-遅れ補償による制御系の設計法を行える。
7.モデルとその不確かさを記述することができる。
8.ロバスト安定性,制御性能のロバスト性を理解することができる。
9.2自由度制御の考え方を理解し,設計が行える。
10.PID補償によるモータの制御系設計が行える。
11.モデルベース設計を行うことができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1多次元のベクトル軌跡が描ける。 1,2次系のベクトル軌跡が描ける。 周波数伝達関数が計算できる。
到達目標 項目2多次元のボード線線図が描ける。1,2次系のボード線図が描ける。ゲインと位相が計算できる。
到達目標 項目3内部安定性, ナイキストの安定判別法を行える。 ナイキストの安定判別法を行える。内部安定性を行える。
到達目標 項目4安定余裕を求めることができる。安定余裕が分かる。安定余裕が分からない。
到達目標 項目5PID補償を設計できる。PID補償のボード線図が描ける。PID補償が分からない。
到達目標 項目6位相進み-遅れ補償を設計できる。ループ整形が分かる。ループ整形が分からない。
到達目標 項目7モデルとその不確かさを記述できる。モデルの不確かさが分かる。モデルの不確かさが分からない。
到達目標 項目8ロバスト安定性,制御性能のロバスト性が記述できる。ロバスト安定性,制御性能のロバスト性が分かる。ロバスト安定性,制御性能のロバスト性が分からない。
到達目標 項目92自由度制御を設計できる。2自由度制御が分かる。2自由度制御が分からない。
到達目標 項目10PID制御でモータの制御系設計ができる。PID制御でモータ制御を使うことができる。PID制御でモータ制御を使うことができない。
到達目標 項目11モデルベース設計を行うことができる。モデルベース設計を使うことができる。モデルベース設計を使うことができない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
創造工学プログラム A1 説明 閉じる
創造工学プログラム B1 説明 閉じる

教育方法等

概要:
「制御」に関する体系的な学問である自動制御理論の基礎について, まず最も重要な概念である「フィードバック」の本質的利点の理解に重点を置きながら学習する。特にシステムの伝達関数表現に基づきながら, 古典制御の枠組で扱われてきたフィードバック制御系の解析と設計に関する内容を学習する。この授業では, 制御で必要な基礎学力を身につけ, 制御系の周波数応答に関する設計と解析を通じて, 問題の提起とその解決方法を修得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
【事前事後学習など】随時, 義内容の復習のためにレポート課題を与える。
【関連科目】応用数学A,応用数学B
注意点:
応用数学の知識が必要である。
講義で出題されるレポート課題を自学自習に役立てること。
【評価方法・評価基準】成績の評価基準として60点以上を合格とする。
中間試験, 期末試験,学年末試験を実施する。
前期末:中間試験(40%), 期末試験(40%), 小テストとレポート(20%)
学年末:前期末と後期(中間試験(40%),期末試験(40%),小テストとレポート(20%))の平均

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 周波数応答と伝達関数 システムの周波数応答特性を理解する。
2週 ベクトル軌跡 ベクトル軌跡による表示ができるようになる。
3週 ボード線図 ボード線図を用いて周波数特性を図式的に表すことができるようになる。
4週 ボード線図の性質 最小位相系におけるゲインと位相の関係について理解する。
5週 フィードバック系の内部安定性 フィードバック制御系の内部安定性について理解する。
6週 ナイキストの安定判別法 ナイキストの安定判別法を理解し,フィードバック制御系の安定性を判定できるようになる。
7週 ナイキストの安定判別法 簡単化されたナイキストの安定判別法について理解する。
8週 ゲイン余裕,位相余裕 安定性の程度を評価するゲイン余裕や位相余裕について理解する。
2ndQ
9週 ゲイン余裕,位相余裕 安定性の程度を評価するゲイン余裕や位相余裕について理解する。
10週 PID補償による制御系設計 PID 補償の有効性について理解し,その設計手順を習得する。
11週 PID補償による制御系設計 PID 補償の有効性について理解し,その設計手順を習得する。
12週 モータとエンコーダ【in situ実験】 モータとエンコーダを用いた位置情報の取得方法を修得する。
13週 モータのPID制御 モータを用いてP制御の制御系設計を修得する。
14週 モータのPID制御 モータを用いてP制御の制御系設計を修得する。
15週 前期復習 復習する。
16週
後期
3rdQ
1週 速度情報の導出 微分器を用いた速度情報の取得方法を修得する。
2週 モータのPID制御 モータとエンコーダを用いてPI制御,PD制御の制御系設計を修得する。
3週 不確かさとロバスト性 モデルとそれに含まれる不確かさの概念を理解する。モデルの不確かさの記述法を習得する。
4週 ロバスト安定性 ロバスト安定性について, その性質と条件を理解する。
5週 制御性能のロバスト性 ノミナル性能,制御性能のロバスト性について理解する。
6週 フィードフォワードとフィードバックの役割 フィードフォワードとフィードバックのそれぞれの役割を理解する。
7週 2 自由度制御系の構造と設計法 フィードフォワードとフィードバックの長所を併せ持つ2 自由度制御系の構造と設計を理解する。
8週 設計手順と性能評価 一般的な制御系設計における手順と制御系の性能評価について学ぶ。
4thQ
9週 モデリング 制御対象のモデリングができる。
10週 位相進み‐遅れ補償による制御系設計 限界感度法を理解し,PIDチューニングを学ぶ。ループ整形の考え方を理解する。
11週 位相進み‐遅れ補償による制御系設計 位相遅れ補償,位相進み補償による制御系設計を習得する。
12週 位相進み‐遅れ補償による制御系設計 ループ整形の考え方を用いて, 位相進み補償,位相進み‐遅れ補償による制御系設計を習得する。
13週 2 自由度制御系の制御系設計 2 自由度制御系の制御系設計ができる。
14週 2 自由度制御系の制御系設計 2 自由度制御系の制御系設計ができる。
15週 後期復習 復習する。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000