物理学IIA

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 物理学IIA
科目番号 20042 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書:佐藤文隆ほか「物理基礎 新訂版」「物理 新訂版」(実教出版)   教材等:関連プリントや一斉実験の実験書、「エクセル物理 総合版 物理基礎+物理」(実教出版)
担当教員 佐野 陽之

到達目標

1.等速円運動と単振動を理解できる。
2.進行波と定常波を理解できる。
3.反射、屈折、回折、干渉を理解できる。
4.音を理解できる。
5.共鳴とドップラー効果を理解できる。
6.光を理解できる。
7.干渉縞と分散を理解できる。
8.理想気体の状態方程式を理解できる。
9.熱力学の第一法則を理解できる。
10.万有引力の法則を理解できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
力学分野(単振動・円運動、万有引力)到達目標1,10基本的な物理現象とそれらの数学的表式(基本法則・公式)を十分に理解できる。基礎的な問題及び複数の法則(公式)や物理量が関係した問題が解ける。基本的な物理現象を理解し、それらの数学的表式(基本法則・公式)を知っている。基礎的な問題が解ける。基本的な物理現象及び基本法則・公式を理解できない。基礎的問題が解けない。
波動分野(波動の基本的な性質、音、光)到達目標2,3,4,5,6,7基本的な物理現象とそれらの数学的表式(基本法則・公式)を十分に理解できる。基礎的な問題及び複数の法則(公式)や物理量が関係した問題が解ける。基本的な物理現象を理解し、それらの数学的表式(基本法則・公式)を知っている。基礎的な問題が解ける。基本的な物理現象及び基本法則・公式を理解できない。基礎的問題が解けない。
熱分野(気体の分子運動論・状態変化、熱力学の基礎)到達目標8,9基本的な物理現象とそれらの数学的表式(基本法則・公式)を十分に理解できる。基礎的な問題及び複数の法則(公式)や物理量が関係した問題が解ける。基本的な物理現象を理解し、それらの数学的表式(基本法則・公式)を知っている。基礎的な問題が解ける。基本的な物理現象及び基本法則・公式を理解できない。基礎的問題が解けない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
人類は自然現象の中に存在する法則を発見し、それを応用して文明を築いてきた。物理学IIAでは波動と気体に関する現象を中心に、その現象と物理量を言葉や式で表現する。また、数式で表現された物理量から現象を理解する。こうして技術者としての基礎学力を養い、さまざまな工学的な課題の解決方法を習得することを目的とする。
授業の進め方・方法:
【授業の進め方など】各項目ごとに物理現象・法則等の説明・解説を行い、導出した公式等の使い方を習得するために問題演習を行う。また、数回物理実験を実施する。
【事前事後学習など】必要に応じて宿題・課題を与える。
【関連科目】基礎数学A、基礎数学B、解析学I、代数幾何I、化学II
【MCC対応】Ⅱ-A物理、Ⅱ-B物理実験
注意点:
物理と数学は密接に関連しているので、数学の基礎をしっかり固めること。物理に関するセンスを磨き実力をつけるため、教科書や問題集の練習問題をなるべく多く解くこと。授業で理解できない点は、すぐに質問すること。
【評価方法・評価基準】成績の評価基準として50点以上を合格とする。
前期中間試験、前期末試験、後期中間試験、学年末試験を実施する。
前期末:前期中間試験(45%)、前期末試験(45%)、実験レポートなど(10%)
学年末:後期の成績を、後期中間試験(45%)、学年末試験(45%)、実験レポートなど(10%)で評価し、前期と後期の成績の平均を学年末の成績とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 等速円運動I 等速円運動を理解できる
2週 等速円運動II 等速円運動を理解できる
3週 単振動I 単振動を理解できる
4週 単振動II 単振動を理解できる
5週 単振り子の実験 単振り子の周期を測定し、重力加速度の値を求めることができる。
6週 波動I 進行波を理解できる
7週 波動II 進行波を理解できる
8週 前期中間試験の解答と復習
重ね合わせの原理
1~7週の授業内容に関する基礎的問題が解ける
重ね合わせの原理を理解できる
2ndQ
9週 定常波 定常波と波の反射を理解できる
10週 波の性質 干渉、回折、屈折、反射を理解できる
11週 音とうなり 音を理解できる。うなり、発音体を理解できる
12週 共振、共鳴 発音体、共鳴・共振を理解できる
13週 気柱共鳴の実験 気柱共鳴の実験からおんさの振動数を求めることができる。
14週 ドップラー効果 ドップラー効果を理解できる
15週 前期の復習 8~14週の授業内容に関する基礎的問題が解ける
16週
後期
3rdQ
1週 光(反射、屈折)を理解できる
2週 実像と虚像 光(実像と虚像)を理解できる
3週 レンズの実験 レンズを用いた結像の実験からレンズの焦点距離を求めることができる
4週 光の分散、散乱、偏光 光の分散とスペクトル、散乱、偏光を理解できる
5週 光の回折と干渉I 回折と干渉を理解できる
6週 光の回折と干渉II 回折と干渉を理解できる
7週 復習と演習 1~6週の授業内容に関する基礎問題が解ける
8週 後期中間試験の解答と復習
ボイル・シャルルの法則
1~7週の授業内容に関する基礎問題が解ける
ボイル・シャルルの法則が理解できる
4thQ
9週 理想気体の状態方程式
気体の分子運動論
理想気体の状態方程式、気体の分子運動論が理解できる
10週 気体の内部エネルギー
気体の状態変化I
気体の内部エネルギーと熱力学の第一法則、状態変化が理解できる
11週 気体の状態変化II 気体の状態変化が理解できる
12週 熱機関、熱サイクル 熱機関、熱サイクルが理解できる
13週 万有引力I 万有引力を理解できる
14週 万有引力II 万有引力を理解できる
15週 後期の復習 8~14週の授業内容に関する基礎問題が解ける
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理力学周期、振動数など単振動を特徴づける諸量を求めることができる。3
単振動における変位、速度、加速度、力の関係を説明できる。3
等速円運動をする物体の速度、角速度、加速度、向心力に関する計算ができる。3前1,前2
万有引力の法則から物体間にはたらく万有引力を求めることができる.3
万有引力による位置エネルギーに関する計算ができる。3
原子や分子の熱運動と絶対温度との関連について説明できる。3
ボイル・シャルルの法則や理想気体の状態方程式を用いて、気体の圧力、温度、体積に関する計算ができる。3
気体の内部エネルギーについて説明できる。3
熱力学第一法則と定積変化・定圧変化・等温変化・断熱変化について説明できる。3
エネルギーには多くの形態があり互いに変換できることを具体例を挙げて説明できる。3
不可逆変化について理解し、具体例を挙げることができる。3
熱機関の熱効率に関する計算ができる。3
波動波の振幅、波長、周期、振動数、速さについて説明できる。3
横波と縦波の違いについて説明できる。3
波の重ね合わせの原理について説明できる。3
波の独立性について説明できる。3
2つの波が干渉するとき、互いに強めあう条件と弱めあう条件について計算できる。3
定常波の特徴(節、腹の振動のようすなど)を説明できる。3
ホイヘンスの原理について説明できる。3
波の反射の法則、屈折の法則、および回折について説明できる。3
弦の長さと弦を伝わる波の速さから、弦の固有振動数を求めることができる。3
気柱の長さと音速から、開管、閉管の固有振動数を求めることができる(開口端補正は考えない)。3
共振、共鳴現象について具体例を挙げることができる。3
一直線上の運動において、ドップラー効果による音の振動数変化を求めることができる。3
自然光と偏光の違いについて説明できる。3
光の反射角、屈折角に関する計算ができる。3
波長の違いによる分散現象によってスペクトルが生じることを説明できる。3
物理実験物理実験測定機器などの取り扱い方を理解し、基本的な操作を行うことができる。3
安全を確保して、実験を行うことができる。3
実験報告書を決められた形式で作成できる。3
有効数字を考慮して、データを集計することができる。3
力学に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
波に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
光に関する分野に関する実験に基づき、代表的な物理現象を説明できる。3
化学(一般)化学(一般)ボイルの法則、シャルルの法則、ボイル-シャルルの法則を説明でき、必要な計算ができる。3
気体の状態方程式を説明でき、気体の状態方程式を使った計算ができる。3

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合9010100
基礎的能力9010100
専門的能力000
分野横断的能力000