電子物性

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電子物性
科目番号 20230 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 古川 静二郎, 荻田 陽一郎, 浅野 種正「電子デバイス工学」森北出版, 林 泉「高電圧プラズマ工学」丸善,
担当教員 田中 文章

到達目標

1.電子の基本的性質を説明できる
2.原子と電子の配置やパウリの排他律について説明できる
3.電子衝突断面積,電子なだれ現象など電界下の電子と原子や分子との衝突現象について説明ができる
4.プラズマの基本的な特徴や性質について説明ができる
5.気体の絶縁破壊現象や放電プロセスについて説明ができる
6.高電圧の発生・計測技術について説明ができる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1 1,2電子の基本的な性質やエネルギーについて物理的な理解に基づいた図を描いて説明できる。電子の基本的な性質やエネルギーについて基本的な説明ができる電子の基本的な性質やエネルギーについて説明がでない。
評価項目2 3,4電子の衝突や電離やプラズマについて物理的な理解に基づいた図を描いて説明できる。電子の衝突や電離やプラズマについて基本的な説明ができる電子の衝突や電離やプラズマについて説明がでない。
評価項目3 5,6気体の絶縁破壊の物理的な理解と高電圧の発生・計測法やその注意点などについてな説明ができる。気体の絶縁破壊や高電圧の発生・計測法について基本的な説明ができる。気体の絶縁破壊やその発生・計測法について説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
本科学習目標 3 説明 閉じる
創造工学プログラム B1専門(電気電子工学) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
原子や電子の振る舞いを学び,その知識を用いて,気体の放電現象やプラズマの基礎について理解をすることにより,電気技術者として必要な基礎学力と専門的知識を身につけることを目標とする。また,学んだ知識を活用して,社会や環境に配慮できる能力を養うとともに,さまざまな電子の性質やプラズマの振る舞いなどを利用した課題の解決手法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
専門基礎科目(電気回路,電磁気学)で学んだことだけでなく,低学年で学習した化学や物理の知識も必要となる。化学や物理について忘れている場合は,最低限,1度は物理や化学の教科書を復習すること。
【事前事後学習など】随時,到達目標の達成度を確認するためにレポート課題を与える。
【関連科目】半導体デバイス工学 ,電子回路Ⅰ,電磁気学,電気材料
【MCC対応】Ⅴ-C-4電子工学
注意点:
・数式や計算結果として出る数字ではなく,物理的な概念を理解するよう努めること。
・復習や演習問題を解くことで理解に努めること。
・レポート課題は期限を守って必ず提出すること。
【評価方法・評価基準】中間試験、期末試験を実施する。
中間試験(35%),期末試験(35%),レポート(30%)としてを計算し、60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 量子力学の基礎 基礎的な量子力学について説明できる
2週 原子の構造 原子の構造の説明ができる。
3週 原子の構造と電子配列 パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。
4週 電子の性質と原子や分子の励起と電離 電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。基底状態や励起、電離およびペニング効果や電子付着、電気的負性気体などについて説明出来る。
5週 電子とエネルギー エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。
6週 プラズマの性質 プラズマの種類・特徴や分類について説明できる。
7週 プラスマとその種類・特徴 プラズマ振動、デバイ長、デバイ遮蔽について説明できる。
8週 気体粒子の運動 基本的な物理法則を気体について当てはめ、計算ができる。気体中の荷電粒子の運動について説明できる。
2ndQ
9週 気体の絶縁破壊 絶縁破壊に至るプロセスやα作用、γ作用について説明できる。
10週 パッシェンの法則 パッシェンの法則や放電開始電圧などについて説明できる。
11週 ストリーマ理論 ストリーマ理論について説明できる。
12週 液体,固体の絶縁破壊 固体や液体の絶縁破壊現象について例を挙げて説明できる。
13週 高電圧の発生法 交流・直流・パルス高電圧の発生法について説明できる。
14週 高電圧の計測技術 高電圧の計測技術について説明できる。
15週 前期復習 前期内容を理解できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学電子の電荷量や質量などの基本性質を説明できる。4
エレクトロンボルトの定義を説明し、単位換算等の計算ができる。4
原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4

評価割合

試験課題合計
総合評価割合7030100
基礎的能力7030100
専門的能力000
分野横断的能力000