半導体デバイス工学

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 半導体デバイス工学
科目番号 20231 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 古川静二郎、荻田陽一郎、浅野種正、「電子デバイス工学」(第2版)森北出版
担当教員 瀬戸 悟

到達目標

1.半導体中の電子と正孔の振舞いを理解し、説明できる。
2.PN接合タイオードの電流電圧特性とCV特性を説明できる。
3.バイポーラトランジスタの動作原理を説明できる。
4.金属・半導体接触のバンド構造を説明できる。
5.バイポーラトランジスタの動作原理を説明できる。
6.電界効果トランジスタの動作原理を説明できる。
7.半導体デバイスで使われる技術用語を英語で読み書きできる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1, 7半導体中のキャリアの働きを説明でき、半導体デバイスで用いる技術英語の読み書きできる。半導体中のキャリアの働きを説明がある程度でき、半導体デバイスで用いる技術英語の読み書きもある程度できる。半導体中のキャリアの働きを説明することが困難で、半導体デバイスで用いる技術英語の読み書きも困難である。
到達目標 項目2PN接合ダイオードの動作原理について説明できる。PN接合ダイオードの動作原理についてある程度説明できる。PN接合ダイオードの動作原理について説明することが困難である。
到達目標 項目3,4,5,6トランジスタの動作原理について説明できる。トランジスタの動作原理についてある程度説明できる。トランジスタの動作原理について説明することが困難である。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
本科学習目標 3 説明 閉じる
創造工学プログラム A1 説明 閉じる
創造工学プログラム B1専門(電気電子工学) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本校講義では、半導体デバイスの基礎となる、材料の電子的性質からキャリアの働きをバンド図で説明し、この分野の専門知識を身につける。その後、PN接合ダイオード、バイポーラトランジスタ、電界効果トランジスタの動作原理を学び、それを用いて課題の解決手法を修得し、社会や環境に配慮できる能力を養う。
※実務との関係
この科目は、企業の研究所(材料の研究・開発、研究成果の試作等)で実務に携わってきた教員が、その経験を活かし半導体デバイスについて講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
【事前事後学習など】到達目標を達成度を確認するために、随時レポート課題を課す。
【関連科目】電子回路Ⅰ、電子回路Ⅱ、電子物性、光電子工学、電気材料
【MCC対応】Ⅴ-C-4電子工学
注意点:
・レポート課題は必ず提出すること。
・授業・定期試験では関数電卓を持参すること。
【評価方法・評価基準】前期中間試験、前期末試験、後期中間試験、学年末試験を実施する。
前期末成績:前期中間試験(50%)、前期末試験(50%)
学年末成績:4回の定期試験の相加平均(80%)、課題レポート(20%)

テスト

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 半導体とは何か 半導体の性質と特徴を説明できる。
2週 代表的半導体材料と応用例 代表的半導体材料の結晶構造と応用例を説明できる。
3週 原子の構造と結晶 原子の構造と電子の電子配置を説明でき、半導体結晶の結合について説明できる。
4週 エネルギー準位とエネルギーバンドの形成 原子中の電子のエネルギー準位と結晶中のエネルギーバンドについて説明できる。
5週 半導体中のキャリアと伝導タイプ 半導体中のキャリアに電子と正孔があること、p型半導体とn型半導体を説明できる。
6週 キャリア密度とフェルミ準位 伝導帯中の電子密度と価電子帯中の電子密度を説明できる。
7週 キャリア密度の温度依存性 キャリア密度の温度依存性をバンド図で定性的に説明できる。
8週 キャリアの生成と消滅 半導体中のキャリアの生成と消滅過程を説明できる。
2ndQ
9週 半導体の電気伝導① ドリフト電流と拡散電流の違いを説明できる。
10週 半導体の電気伝導② キャリア連続の式を説明できる。
11週 PN接合ダイオードと電気的特性① PN接合ダイオードの電流電圧特性をバンド図から説明できる。
12週 PN接合ダイオードと電気的特性② PN接合ダイオードの電流電圧特性を定量的に計算する過程を理解できる。
13週 PN接合の接合容量とCV特性 PN接合の接合容量とCV特性について説明できる。
14週 PN接合を利用した電子デバイス PN接合を利用したその他の電子デバイスについて説明できる。
15週 試験の返却と解説および復習
16週
後期
3rdQ
1週 バイポーラトランジスタの動作原理 バイポーラトランジスタの動作原理をバンド図で説明できる。
2週 バイポーラトランジスタの電流増幅率 バイポーラトランジスタの電流増幅率について説明できる。
3週 バイポーラトランジスタの等価回路と回路解析 バイポーラトランジスタの低周波等価回路を理解し、回路解析に応用できる。
4週 金属・半導体接触 ーショットキー接合ー 金属・半導体接触でショットキー接合についてバンド図で説明できる。
5週 金属・半導体接触 ーオーミック接触ー 金属・半導体接触でオーミック接触についてバンド図で説明できる。
6週 MOS構造とバンド図 MOS構造のバンド図のバイアスによる変化を説明できる。
7週 接合型FETの動作原理 接合型FETの動作原理を説明できる。
8週 MOS型電界効果トランジスタの分類と構造 MOS型電界効果トランジスタの種類と構造を説明できる。
4thQ
9週 MOS型電界効果トランジスタの動作原理① MOS型電界効果トランジスタの動作原理を図で説明できる。
10週 MOS型電界効果トランジスタの動作原理② MOS型電界効果トランジスタの動作原理を数式で理解し、定性的に説明できる。
11週 MOS型電界効果トランジスタの等価回路と回路解析 MOS型電界効果トランジスタの低周波等価回路を理解し、回路解析に応用できる。
12週 集積回路の分類と製造工程 集積回路の分類と製造工程について説明できる。
13週 CMOS論理回路 CMOS論理回路の特徴とNAND回路, NOR回路について説明できる。
14週 メモリー素子 メモリー素子の種類と動作原理を説明できる。
15週 試験の返却と解説および復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学真性半導体と不純物半導体を説明できる。4
半導体のエネルギーバンド図を説明できる。4
pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000