電気材料

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 電気材料
科目番号 20232 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 西川 宏之「電気電子材料工学」(数理工学社)
担当教員 山田 悟

到達目標

1.水素原子の周りの電子状態を理解し説明できる。
2.固体の結合力を理解し説明できる。
3.結晶の面と方向の指数を理解し説明できる。
4.格子振動のモードを理解し説明できる。
5.格子比熱を理解し,説明できる。
6.電気分極の機構を説明し、分極率を計算できる。
7.電流による磁界を理解し,磁気モーメントが計算できる。
8.強磁性体の特徴と応用を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1水素原子の周りの電子状態を理解し説明できる.水素原子の周りの電子状態を理解している.水素原子の周りの電子状態を理解していない.
到達目標 項目2,3固体結晶の結合力,種類,面,方位について理解し,説明できる.固体結晶の結合力,種類,面,方位について理解している.固体結晶の結合力,種類,面,方位について理解していない.
到達目標 項目4,5格子振動・格子比熱について理解し,説明できる.格子振動・格子比熱について理解している.格子振動・格子比熱について理解していない.
到達目標 項目6誘電体の分極の機構を説明し,分極率を計算できる.誘電体の分極の機構を説明できる.誘電体の分極の機構を説明できない.
到達目標 項目7,8物質の磁化について理解し,強磁性体の特徴と応用を説明できる.物質の磁化について理解している.物質の磁化について理解していない.

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
本科学習目標 3 説明 閉じる
創造工学プログラム A1 説明 閉じる
創造工学プログラム B1 説明 閉じる
創造工学プログラム B2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気材料は,電気的機能の発現に関する基礎知識および専門知識を得るために必要な科目である。
この授業では、原子とその周りの電子配置,結晶の構造,格子振動と比熱,誘電的、光学的、磁気的性質などについて,数学的に解析することによって課題解決を行い,材料工学の基礎を習得するとともに、各種電気材料が環境に配慮されつつ、どのように応用がされているかの知見を得ることを目標とする。
授業の進め方・方法:
【事前事後学習など】到達目標の達成度を確認するため,随時演習課題を与える。
長期休暇時にレポート課題を与える。
【MCC対応】Ⅴ-C-4電子工学
注意点:
授業中の学習のみでなく,平常時の予習・復習が大切である。
半導体デバイス工学I,II 及び電磁気学の諸法則を理解しておくことが必要である。
【評価方法・評価基準】
中間試験、前期末試験、学年末試験を実施する。
前期末:中間試験(40%)、前期末試験(40%) 、レポート(20%)
学年末:前期中間試験(20%),前期末試験(20%)、後期中間試験(20%)、学年末試験(20%)、レポート(20%)
レポートは,その内容,提出状況について総合的に評価する。成績の評価基準として60点以上を合格とする。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子の粒子性と波動性 電子の粒子性波動性を説明できる.
2週 シュレーディンガー方程式 シュレディンガー方程式について説明できる.
3週 水素原子の周りの電子状態 水素原子の周りの電子状態について説明できる.
4週 原子核の周りの電子配置 原子核の周りの電子配置について説明できる.
5週 井戸型ポテンシャル 井戸型ポテンシャル内の電子の状態を説明できる.
6週 固体の結合力 固体の結合力について説明できる.
7週 空間格子と単位胞(結晶の面と方向) 空間格子と単位胞について説明できる.
8週 結晶の種類 結晶種類について説明できる.
2ndQ
9週 導電性材料の基礎 導電性材料の基本パラメータについて説明できる.
10週 移動度と導電率 金属材料の移動度と導電率の関係を説明できる.
11週 導電率の周波数特性 導電率の周波数特性をDrudeモデルから説明できる.
12週 抵抗材料 抵抗材料の特性について説明できる.
13週 導電体材料の応用 導電体材料の応用分野について説明できる.
14週 格子振動 固体中の音波 格子振動について説明できる.
15週 前期復習 前期学習した内容について説明できる.
16週
後期
3rdQ
1週 1次元単原子の格子振動(1) 一次元単原子格子の講師振動モデルについて説明できる.
2週 1次元単原子の格子振動(2) 一次元単原子格子の講師振動モデルについて説明できる.
3週 誘電体材料の基礎 誘電体の各種パラメータについて説明できる.
4週 誘電率と分極 誘電率と分極率の関係が説明できる.
5週 電気分極の機構 電気分極の機構について説明できる.
6週 誘電分散 交流電界中の誘電体の挙動について説明できる..
7週 誘電率の周波数特性 誘電率の周波数特性について説明できる.
8週 誘電体・絶縁体の応用 誘電体.絶縁体の応用について説明できる.
4thQ
9週 電流と磁気作用 電流による磁気作用について説明できる.
10週 磁気的物理量 磁束密度や透磁率について説明できる.
11週 磁化曲線とヒステリシス損 磁化曲線と磁化による損失について説明できる.
12週 強磁性体 ヒステリシスループの形状による特性の違いについて説明できる.
13週 磁性体の応用 磁性体の応用分野について説明できる.
14週 新しい機能素子材料 機能素子材料について説明できる.
15週 後期復習 後期に学習した内容を説明できる.
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。3
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。3
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学原子の構造を説明できる。4
パウリの排他律を理解し、原子の電子配置を説明できる。4
結晶、エネルギーバンドの形成、フェルミ・ディラック分布を理解し、金属と絶縁体のエネルギーバンド図を説明できる。4
金属の電気的性質を説明し、移動度や導電率の計算ができる。4

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合8020100
基礎的能力000
専門的能力8020100
分野横断的能力000