電気回路I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電気回路I
科目番号 16900 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 「基礎からの交流理論」(電気学会)「電気回路 (ドリルと演習シリーズ)」(電気書院 )
担当教員 小村 良太郎,三吉 建尊

到達目標

1.ベクトル記号法による交流回路の電圧・電流を計算できる。
2.相互誘導回路の電圧・電流を計算できる。
3.理想変成器を説明できる。
4.簡単なRLC回路のベクトル軌跡を描くことができる。
5.閉路/節点解析法による回路方程式を作ることができる。
6.キルヒホッフの法則を説明し、交流回路の計算ができる。
7.合成インピーダンスや分圧・分流の考え方を説明し計算ができる。
8.網目電流法や節点電位法を用いて交流回路の計算ができる。
9.重ねの理やテブナンの定理等を説明し計算ができる。
10.交流電力と力率を説明し、これらを計算できる。
11.直列共振回路と並列共振回路の計算ができる。
12.フーリエ級数を用いて,ひずみ波の基本波や高調波を計算できる。
13.ひずみ波電圧・電流の実効値を計算できる。
14.ひずみ波の波形率,波高率,ひずみ率を計算できる。
15.ひずみ波起電力を含む回路の電流や電力を計算できる。
16.四端子回路の様々なパラメータを求めることができる。
17.単純な回路の四端子パラメータを組み合わせて複雑な回路の四端
   子パラメータを求めることができる。
18.Bartlettの二等分定理を用いて等価なラチス回路を作れる。
19.円滑なコミュニケーションを図ることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1ブリッジ回路の電圧・電流をベクトル記号法で表現できる。R,L,Cを用いた直並列回路の電圧・電流をベクトル記号法で表現できる。RL,RC,RLC直列回路の電圧・電流をベクトル記号法で表現できない。
到達目標 項目2相互誘導回路の等価回路を作成し、電圧・電流が計算でき、結合回路の共振現象を説明できる。相互誘導回路の等価回路を作成し、電圧・電流を計算するための式を立式し、電圧・電流を計算できる。相互誘導回路の等価回路を作成し、電圧・電流を計算するための式を立式できない。
到達目標 項目3理想変成器を使った回路の電流・電圧を計算できる。理想変成器の一次側と二次側の電流・電圧の関係がわかる。変成器を理想変成器とするための条件がわからない。
到達目標 項目4ベクトル軌跡を描くための問題と解答を作ることができる。RL,RC,RLC回路で、周波数を変化させた時の電圧、電流、インピーダンス、アドミタンスのベクトル軌跡を描くことができる。RL,RC,RLC回路のインピーダンス・アドミタンスの式を立式できない。
到達目標 項目5、9、11回路方程式を過不足なく作り解くことができる。回路方程式を作り解くことができる。回路方程式を作ることができない。
到達目標 項目6キルヒホッフの法則に関する問題と回答を作ることができる。キルヒホッフの法則を説明でき、RL,RC,RLC直並列回路の電圧・電流を計算できる。キルヒホッフの法則を説明できない。
到達目標 項目7ブリッジ回路の電圧・電流を計算でき複素数で表現できる。R,L,Cを用いた直並列回路の電圧・電流を計算でき複素数で表現できる。RL,RC,RLC直列回路の電圧・電流を計算でき複素数で表現できない。
到達目標 項目10交流回路の電力を計算でき、各種パラメータの意味を説明できる。交流回路の電力を計算できる。交流回路の電力とは何かを知らない。
到達目標 項目12〜15ひずみ波の周波数成分を計算し実効値、波形率,波高率,ひずみ率を計算でき、他者になぜそのようになるか説明できる。ひずみ波の周波数成分を計算し実効値、波形率,波高率,ひずみ率を計算できる。ひずみ波とは何を知らない。
到達目標 項目16〜18四端子回路のパラメータを計算できどのような場面で活用できるか適切に説明できる。四端子回路のパラメータを計算できる。四端子回路とはどのようなものか知らない。
到達目標 項目19自分の意見を表現し他者を納得させることができる。自分の意見を表現できる。他者の意見を素直に聞くことができない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電気回路は電子情報工学分野の基礎的な考え方を多く含んでいる。ここでは,正弦波交流を加えた回路の電圧・電流分布を知る一般的な解析法,ひずみ波交流の取り扱い方,回路網の電気的性質の一般的な表現法である四端子回路網について学ぶ。これらの学習を通して,この分野の基礎学力を身につけ,課題解決能力を養う。
授業の進め方・方法:
【事前事後学習など】授業内容の理解を深めるため、レポート・演習課題等を課す。
【その他の履修上の注意事項や学習上の助言】普段の予習・復習が大切である。 微分,積分,行列の基礎的な知識と計算力が必要である。
注意点:
【評価方法・評価基準】
中間試験,前期末試験,学年末試験を実施する。成績の評価基準として50点以上を合格とする。
前期末:前期中間試験(35%),前期末試験(35%),前期レポート(30%)
学年末:前期中間試験(17.5%),前期末試験(17.5%),後期中間試験(17.5%),学年末試験(17.5%),前期と後期のレポート(30%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 直列共振 直列共振回路に用いる素子と共振の特性の関係を理解し説明できる。
2週 フェーザ軌跡 周波数が変化するときフェーザがどのように変化するか理解し説明できる。
3週 交流ブリッジの平衡 交流におけるブリッジ回路の平衡状態を理解し説明できる。
4週 ベクトル軌跡 周波数が変化するときベクトルがどのように変化するか理解し説明できる。
5週 RLC並列回路(並列共振) 並列共振回路に用いる素子と共振の特性の関係を理解し説明できる。
6週 相互インダクタンス 相互インダクタンスの特性を理解し、回路に組み込んだ時の各種計算ができる。
7週 理想変成器 理想変成器の特性を理解し、回路に組み込んだ時の各種計算ができる。
8週 復習 ここまでの内容を理解し説明できる。
2ndQ
9週 閉路方程式 閉路方程式を立式し解くことができる。
10週 接点方程式 接点方程式を立式し解くことができる。
11週 重ね合わせの理,テブナンの定理,ノルトンの定理 重ね合わせの理,テブナンの定理,ノルトンの定理を理解し適用できる。
12週 ミルマンの定理,相反の定理,補償の定理 ミルマンの定理,相反の定理,補償の定理を理解し適用できる。
13週 最大電力伝達定理 最大電力伝達定理を理解し適用できる。
14週 演習問題の解説 演習問題を理解し自力で解くことができる。
15週 前期復習 ここまでの内容を理解し説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 四端子回路網,インピーダンスパラメータ,アドミタンスパラメータ 四端子回路網となどのようなものか理解し、インピーダンスパラメータ,アドミタンスパラメータを算出できる。
2週 四端子定数,その他のパラメータ インピーダンスパラメータ,アドミタンスパラメータ以外のパラメータについて算出できる。
3週 四端子網の接続1 複数の四端子網を接続したときのパラメータを計算できる。
4週 四端子網の接続2 複数の四端子網を接続したときのパラメータを計算できる。
5週 等価回路 四端子回路網の等価回路を理解し適用できる。
6週 対称四端子回路網と二等分定理 対称四端子回路網と二等分定理を理解し適用できる。
7週 演習問題の解説 演習問題を理解し自力で解くことができる。
8週 ひずみ波交流と正弦波交流 ひずみ波交流の特性を理解し、正弦波で表現することができる。
4thQ
9週 フーリエ級数 フーリエ級数でひずみ波を表現できる。
10週 ひずみ波交流の電圧,電流1 ひずみ波の電圧、電流を計算できる。
11週 ひずみ波交流の電圧,電流2 ひずみ波の電圧、電流を計算できる。
12週 ひずみ波交流電力と等価正弦波1 ひずみ波の電力を計算でき、等価正弦波のパラメータを算出できる。
13週 ひずみ波交流電力と等価正弦波2 ひずみ波の電力を計算でき、等価正弦波のパラメータを算出できる。
14週 演習問題の解説 演習問題を理解し自力で解くことができる。
15週 後期復習 ここまでの内容を理解し説明できる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度小テスト・レポートその他合計
総合評価割合70000300100
基礎的能力0000000
専門的能力70000300100
分野横断的能力0000000