電子回路I

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 電子回路I
科目番号 16920 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 電子情報工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 教科書: 大類重範 著 『アナログ電子回路』日本理工出版会 教材等: 必要に応じて演習問題のプリントを配布する。 参考書: 櫻庭一郎・熊耳 忠「電子回路」第2版(森北出版),この他,図書館に多数の参考書がある。
担当教員 嶋田 直樹,山田 洋士

到達目標

1.ダイオードの原理と動作について説明できる。
2.トランジスタやJFETの動作について説明できる。
3.入出力特性図を使ってバイアス回路の必要性を説明できる。
4.図式解法により、トランジスタやJFETの動作点を解析できる
5.増幅回路の動作量を理解し、増幅回路の役割について説明できる。
6.図式解法を用いて、簡単な増幅回路の動作量を計算できる。
7.等価回路を用いて、簡単な増幅回路の動作量を計算できる。
8.結合コンデンサが含まれる増幅回路を解析できる。
9.電圧利得の周波数特性と遮断周波数について説明できる。
10.差動増幅回路の動作を理解し、動作原理を説明できる。
11.差動増幅回路の出力やCMRRなどの動作量を計算できる。
12.帰還増幅回路の正帰還、また負帰還の特徴と条件を説明できる。
13.負帰還増幅回路の帰還増幅度、周波数特性などの動作量を計算できる。
14.演算増幅器の特徴について説明できる。
15.発振回路のいくつかの回路方式を説明できる。
16.演算増幅器を用いた増幅回路や演算回路の動作量を計算できる。
17.各種発振回路の原理と特徴について説明できる。
18.各種発振回路の発振周波数を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目 1,2,3,4,5,6半導体素子の特徴と動作について、原理と特性グラフを関連付けて説明することができ、特性に合わせた安定なバイアス回路を設計することができる。半導体素子の特徴と動作について、特性グラフをから説明することができ、基本的なバイアス回路を設計することができる。半導体素子の特徴と動作について、特性グラフから説明することができず、基本的なバイアス回路も設計することができない。
到達目標 項目 6,7,10,11静特性グラフからhパラメータを求めることができ、4つのhパラメータを使った四端子等価回路を用いて基本的な増幅回路の動作量を正確に計算することができる。静特性グラフからhパラメータを求めることができ、2つのhパラメータを省略した簡易四端子等価回路を用いて基本的な増幅回路の動作量をおおよそ正確に計算することができる。静特性グラフからhパラメータを求めることができず、四端子等価回路を用いて増幅回路の動作量を計算することができない。
到達目標 項目 8,9,10,11,12,13,14,15,16,17,18様々な信号増幅、発振回路の目的に応じて、適切な回路の選択・設計を行うことができる。各増幅回路、発振回路の特徴を簡単に説明することができ、基本的な電子回路の解析を行うことができる。増幅回路、発振回路の特徴についてほとんど説明することができない。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる

教育方法等

概要:
電子回路は,現代のIT技術を支える基盤技術の一つであり,通信,計算機といった分野のみならず幅広く応用されている。本授業ではまず,電子回路の基本となる半導体素子の特徴と,これらを用いた各種回路の解析方法について学ぶ。さらには,半導体素子を利用した一般的な応用回路の例として,各種増幅回路,演算回路,発振回路についても学習する。本授業の修得により,電子機器の動作原理について説明することができ,目的に応じた電子回路の選択、簡単な回路の設計が可能になる。
授業の進め方・方法:
授業内容の理解を深めるため、レポート・演習課題等を課す。
また、理解度確認のため授業開始時に小テストを実施する場合がある。
【関連項目】
回路基礎、電気回路I、電子デバイス
注意点:
普段の予習・復習が大切である。
電気回路の基礎的な電圧・電流の解析法を理解し,実際に計算できることが必須である。
【評価方法・評価基準】
前期評価:前期中間試験(35%),前期末試験(35%),レポート(20%),小テスト(10%)
後期評価:後期中間試験(35%),学年末試験(35%),レポート(20%),小テスト(10%)
学年末評価:前期評価(50%),後期評価(50%)
成績の評価基準として50点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 電子回路に用いられる素子 半導体の性質とダイオードの原理や特性について説明できる。
2週 トランジスタの動作原理と特性 トランジスタの構造や特性について説明できる。
3週 トランジスタの増幅動作の図式理解 トランジスタの静特性と増幅動作の基礎について、グラフを使って説明できる。
4週 トランジスタのバイアス回路 バイアス回路の動作について解析・説明できる。
5週 JFETの動作原理と特性 FETの動作原理と特性について説明できる。
6週 JFETのバイアス回路 JFETの基本的なバイアス回路について解析・説明できる。
7週 演習問題の解説 トランジスタやJFETのバイアス回路を任意に設計できる。
8週 試験答案の返却と解説,レポートの返却
2ndQ
9週 トランジスタのT型等価回路 トランジスタのT型等価回路を説明できる。
10週 トランジスタの四端子等価回路 トランジスタの四端子等価回路と、hパラメータについて説明できる。
11週 増幅回路の動作量 増幅回路の動作量について理解し、説明できる。
12週 トランジスタ増幅回路の動作量 四端子等価回路を用いた増幅回路の解析ができる。
13週 JFETの等価回路と増幅回路の動作量 JFETの等価回路と増幅回路の解析ができる。
14週 演習問題の解説 トランジスタ・JFETの等価回路を用いて、様々な増幅回路の動作量を解析できる。
15週 前期復習 素子の特性を理解し、適切な増幅回路の設計方法を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 RC結合増幅回路 (1)回路動作,中域周波数特性 信号周波数に対するコンデンサの役割について説明できる。
2週 RC結合増幅回路 (2)低域および高域の周波数特性 信号周波数に対して変化する動作量を解析することができる。
3週 差動増幅回路 (1)動作量,差動利得 差動増幅回路の動作について説明することができる。
4週 差動増幅回路 (2)同相利得,同相除去比 差動増幅回路の差動利得、同相利得、CMRRを計算することができる。
5週 帰還増幅回路 期間増幅回路の帰還率と特徴について説明することができる。
6週 負帰還増幅回路の特徴 負帰還増幅回路による増幅回路の特性改善について説明することができる。
7週 演習問題の解説 RC増幅回路、差動増幅回路、帰還増幅回路それぞれの特徴を理解し、説明することができる。
8週 試験答案の返却と解説,レポートの返却
4thQ
9週 演算増幅器による増幅回路 演算増幅器の特徴と基本的な増幅回路を設計することができる。
10週 演算増幅器によるアナログ演算回路 演算増幅器を使った基本的なアナログ演算回路を設計することができる。
11週 発振回路 (1)LC発振回路 LC発振回路の仕組みと任意周波数で発振する発振回路を設計できる。
12週 発振回路 (2)RC発振回路 RC発振回路の仕組みと任意周波数で発振する発振回路を設計できる。
13週 発振回路 (3)水晶発振回路 水晶発振回路の仕組みと発振周波数の決まる原理について説明できる。
14週 演習問題の解説 様々な演算増幅器の設計、発振回路の解析ができるようになる。
15週 後期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合700002010100
基礎的能力0000000
専門的能力700002010100
分野横断的能力0000000