電子回路II

科目基礎情報

学校 石川工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電子回路II
科目番号 16930 科目区分 専門 / 必修
授業形態 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電子情報工学科 対象学年 5
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 配付資料および板書により実施する。3年次の電子回路の教科書が,一部関係します。
担当教員 山田 洋士

到達目標

1.変調の目的を説明できる。
2.変調に伴う信号のスペクトルの変化を説明できる。
3.シンボルレートとビットレートの関係を説明できる。
4.ASKとPSKの違い・共通点を説明できる。
5.直交変調を用いる利点を説明できる。
6.コンスタレーション表記と代表的な変調方式の関係を説明できる。
7.整合とは何かを説明できる。
8.Sパラメタの定義を説明できる。
9.低周波増幅回路と高周波増幅回路の違いを説明できる。
10.電圧とdBmやdBμなどの表記の相互変換ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
到達目標 項目1,2DSB-SC変調方式における信号のスペクトルの変化を説明できる。DSB-SC変調方式における信号のスペクトルの変化の概要を説明できる。DSB-SC変調方式における信号のスペクトルの変化を理解できず、その説明を行うことが困難である。
到達目標 項目5,6直交変調がなぜ多種多様な変調を実現する際に使用されるのかを説明できる。直交変調がなぜ多種多様な変調を実現する際に使用されるのかについて,その概要を説明できる。直交変調がなぜ多種多様な変調を実現する際に使用されるのかについて理解できず,その説明が困難である。
到達目標 項目7,8整合条件や整合回路の動作を説明できる。基本的な整合条件を説明できる。整合の概念を理解できず,その説明が困難である。

学科の到達目標項目との関係

本科学習目標 1 説明 閉じる
本科学習目標 2 説明 閉じる
創造工学プログラム A1 説明 閉じる
創造工学プログラム B1専門(電気電子工学&情報工学) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 電子回路が対象とする信号は,アナログ回路とディジタル回路の要素を同時に含む処理装置で取り扱われることが多くなっている。加えて,無線信号をセンシングや計測,データ伝送に利用するシステムが増えており,設計者は高周波技術を含む対象物を取り扱う必要に迫られている。このような状況を踏まえ,この授業では,交流回路および電子回路の基本を学んだ学生が,高周波信号を取り扱う際に把握しておくべき重要な概念を学ぶ。まず最初に,変調・復調の概念を学び,周波数が高い信号の取り扱いが必要となる理由を理解する。また,現在の無線信号伝送装置に欠かせない直交変調の考え方も学ぶ。その後,無線信号伝送に必要となる高周波増幅回路・整合・Sパラメタの考え方や関連技術を学ぶ。
授業の進め方・方法:
【事前事後学修など】授業内容の理解を深めるため,レポート・演習課題等を課す。
【関連科目】電気回路I, II,電子回路I,情報通信I,ディジタル信号処理,電子デバイス
注意点:
課題の演習問題は期限までに必ず提出すること。
【評価方法・評価基準】成績の評価基準として60点以上を合格とする。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 フーリエ変換の基本定理 フーリエ変換の基本定理を説明できる。
2週 変調とは 変調が必要な理由を説明できる。
3週 Double side band suppressed carrier(DSB-SC)変調と信号のスペクトル Double side band suppressed carrier(DSB-SC)変調に伴う信号のスペクトル変化を説明できる。
4週 復調の考え方 同期復調を説明できる。
5週 ビットレートとシンボルレート ビットレートとシンボルレートを説明できる。
6週 Amplitude shift keying(ASK)とphase shift keying(PSK) Amplitude shift keying(ASK)とphase shift keying(PSK)を説明できる。
7週 多値変調 多値変調を説明できる。
8週 直交変調とQPSK 直交変調器によりQPSKを実装する際の基本的な考え方を説明できる。
2ndQ
9週 QPSKとコンスタレーション表記 QPSKとコンスタレーション表記から、PSKに対する性能の変化を説明できる。
10週 整合の基本的な考え方 整合の基本的な考え方を説明できる。
11週 整合回路の計算例 整合回路の計算を実施できる。
12週 Sパラメタ・反射・整合 Sパラメタの定義を説明できる。
13週 高周波増幅回路の設計例 高周波増幅回路の設計例を説明できる。
14週 dBmやdBμなどの表記 dBmやdBμで標記された数値を、相互変換できる。
15週 前期復習
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子回路利得、周波数帯域、入力・出力インピーダンス等の増幅回路の基礎事項を説明できる。3

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80000200100
基礎的能力0000000
専門的能力80000200100
分野横断的能力0000000